俳句のいさらゐ ⋄♾⋄ 松尾芭蕉『奥の細道』その二十八。「風流の初めやおくの田植うた」
「風流の初めやおくの田植うた」の須賀川の章を読むと、道行き文を連想する。道行き文の典型は、『平家物語』に見ることができる。
『平家物語』巻第十 「海道下(かいだうくだり)」を例に引く。
たどり行く順に過ぎる土地の名、名所の名を並べ、調子を整えて、文に勢いをつけるのが道行き文である。
芭蕉が、須賀川の下りで道行き文を思わせるような書き出しにより、「風流の初めやおくの田植うた」につなげているのは、次のことを意図しているのだろう
田植うたが、道行唄であったとは思わないが、芭蕉は田