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「現代日本は世界で最も安全であるだけでなく、日本の治安は人類史上おそらく最も良好である」ことについて客観的証拠があります。
海外生活が長かった方は、ご経験から日本の治安の良さを実感なさることが多いと思います。私も帰国すると同様の感慨を懐きます。 皆さまのこうした感慨はどこから来るのでしょうか? 私は、このご回答においては、犯罪の経済学という、自分の専門関連分野の知見に基づいて客観的な数値をお示しし、 ・現代世界における日本の治安の良さはどれほどのレベルか ・この日本の治安の良さは、長期的、つまり過去1000年の治安レベルの推移から見ると、どのようなことが言えるか について、お話ししようと思い
コロナ禍を乗り切る勇気を与えてくれるような、日本の歴史の教訓はどんなものがあるでしょうか? 「アフター・コロナは地獄」。 そういう風潮を多く目にしますので。
はじめにここのところ、「アフター・コロナは地獄」「コロナ後の日本は衰退していく一方だ」「巨額な国債発行で財政が破綻する」などの発言や論調が多くなってきたように思います。 私は職業柄もあって、日本の経済発展を長期時系列で考えることが多いのですが、そう簡単にこの国がだめになってしまうようにはとても思えません。 この国にはもっと厳しい現実を乗り越えてきた歴史と先人達の知恵があります。「煽りに乗って亡国論を唱える人びと」に対して、私からの意見を述べさせていただきたいと思います。
戦前の財閥って実際どれくらいお金持ちだったんでしょうか? その疑問からはじめて、長期的な観点から、日本の所得分配の平等/不平等の変化を検討して見ました。
はじめに三井・三菱・住友・安田ほか、富士・大倉・浅野・古河・渋沢・野村・日産・日窒・理研などなど、戦前の日本には多くの財閥がありました。小さく括れば四大財閥、少し範囲を拡げれば十五大財閥、地方財閥までで入れれば数十ではきかないでしょう。 ここでは、戦前最大の財閥であった三井財閥を例にとって、その富の大きさの一端をビジュアルに例示しながら、回答をお示ししていこうと思います*。 ただ、このご回答をお示しする過程で、いずれにしろ、日本の所得格差を戦前と戦後で比較することが不可避
知人にされた質問です。「日本では、どこにいっても、街の風景が似ていて、“ミニ東京感”や“ミニ都会感”を、感じることが多いのはなぜ」なんでしょう? 経済学者が地域経済発展の格差の観点から考えてみました。
近現代における日本の地域経済発展に関して、たいへん示唆に富む質問であったので、即答できなかったこともあって、ここに書いてみようと思います。 私が自分の専門分野の知見から、日本の地域経済発展の格差についてお話しすることを通じて、この質問に答えられるのではないかと考えます。以下では、近現代日本の長期的な地域間格差の動きを、実際のデータをお示ししながら、この質問への回答を試みます。 実際、なぜどこでも「似た風景」や、東京などをモデルとした「ミニ都会感」を私たちは感じるのでしょう
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「昔は良かった」というご意見をときどき耳にします。しかし、経済学者は、そのご意見に与しません。昔に戻ることもオススメしません。その理由とは?
昔は良かったという人が多いですが...... 「今のほうが絶対いい」に大賛成です。 最近の経済学の研究によって「古き良き時代」の正体は「古き貧しきカツカツの生活の時代」だと言うことが明らかになってきましたので、別のnoteにも書いたのですが、少し加筆修正して再掲させて下さい。また、最後半部には、追加情報を載せました。 「古き良き時代」へのノスタルジーは理解できても、「古き良き時代」へは戻らない方がいいでしょう。 進歩史観は比較的新しい考え方ですまず、現代に生きるわれわ