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090 個性の光るエキストラでいさせて

白紙のすゝめ

映像授業のトライで、日本史の勉強を始めたいと思い、B5サイズのルーズリーフを購入した。

いざ、授業タイトルを一行目に書いてみると、なんとも書きづらい。違和感。その原因を探ってみると、行を構成する下線の存在であることに気が付ついた。

文字の大きさや改行の位置を意図的に変えたり、吹き出しを追加したりする際には、下線という誘導が邪魔になる。

思い返せば、紙に何かを書く機会なんてめっきり減ったし、それこそ塾だけであるかもしれない。その際も、教室から永遠になくなることのなさそうな、白紙の裏紙を利用しているのだから、下線がついている紙が不慣れとなってしまったことに納得がいく。

タイトルだけを書いたルーズリーフを捨て、再び町へ繰り出し、今度は白紙を購入した。

一から手書きのノートを作成するのも、自由な発想が広がって案外悪くないかもしれない。



自他、車輪の軸が錆びついている

先々週から大学の秋学期が始まり、週3日は、日々軽くなりつつある重い腰を上げて大学へと赴いている。

割と人と話す機会も多くて、充実感で満たされているのだが、帰りの電車へと向かっているときは、もうこれ以上誰とも話してたまるかという気持ちで、イヤホンから聞こえるオトに耳を傾け、目線は下にオトして誰とも目を合わせず歩く。

裸眼で眼鏡の日は、正面を向いていたとしても誰にも気が付かぬよう眼鏡を外してしまっている始末だ。やはり、自分一人の時間も大切にしたい人であるのだろう。


相変わらずの塾バイト、先週火曜日の授業終了後、塾長からこんな相談が。

「新しく高2英語の子を増やしたいんだけど、いける?評定4.9取れてるかなり優秀な子で、知識をたくさん教えてくれる先生じゃないと、物足らなくてすぐ辞めそうなタイプなんだよねー」とのこと。

その子の希望曜日は月曜日と木曜日で、私は月曜日に出勤している。

木曜日はというと、大学の用事もなければバイトもない、完全なるフリーday。この木曜日だけは、適当な時間の使い方をしないよう、徹底的に管理をしていきたい。何度も言っておくが、僕は、自分一人の時間も大切にしたい。

月曜日は、既に2コマ分、生徒が埋まっていて、もちろん塾長もそれを把握していた。把握したうえでの打診だった。

誰か既存の生徒をずらさせるか、はたまた僕がもう一コマ出勤するのか。前者の方が、僕からしてみれば頗る(すこぶる)ありがたい。けれど、利己的に動いていいほど楽な仕事じゃないのがこの塾バイト、もっというと教育の仕事の醍醐味で、担当を変えられた既存の生徒はどう思うのだろうか。

"筆者"に一番に任せたいという塾長の気持ちが痛いほど伝わってくる。けれど、その彼は高校二年生だから、どうせなら受験を見届けられる先生にしたあげたほうが良いか・・・と悩まれていた。

その時は声を大にしては言えなかったけど、この問題の最適解は、僕がもう一コマ多く働く。に違いないことがすぐわかっていた。塾長もきっと、それを分かってはいたけれど、働くことを強制させるわけにはいけないと思ってくれていたのだろう。

もう一コマ働く、こんなことは去年や一昨年の自分であれば容易に容認していたであろう。しかも、教えがいがありそうな生徒だった。

けれど、その思いついた最適解は披露することなく、一旦持ち帰りでという形でその日の話し合いは幕を閉じてしまった。

一体何が変わってしまったのだろうか。


脱学生への布石

10月2日に内定式が執り行われた。いよいよこの日がやってきてしまったかと、学生のクライマックスを過ごしている身として、まだ生焼けの状態ではあるが実感する。

「年を重ねる」という変数Xに対して、どんなYがどう反応していくのか、ということに興味がある。

例えば、「年を重ねる」に連れて、「昔は共感できなかった歌の歌詞が心に響く」という回数が増える。この感覚がとても好きだ。基本的に、恋愛と就活の場面でそれを感じることが多かった。

さらにさらに、社会人へ近づく中で現れたYとして、「昔大人が言っていた現実味のない言葉が、色をつけて見え始める」というものがある。

・好きなことを仕事にするのは控えたほうがよい
・全員から好かれようだなんて諦める
・嫌でも話さないといけない人が社会人からは出てくる

(思っていたよりも思い出すことが出来なかった自分に腹が立ってしまったが、、、)

自分が好きなものを仕事にするということで、楽しいことや身が乗りやすい場面というは多いように思われる。たしかに正しい、ただ、それを阻害してくるのが人間関係、そして相性というやつだ。

せっかく仕事内容は面白いのに、どうもあの人と話していると調子が狂う。あの人と価値観が合わなくてストレスを感じる

そのストレスを解消するために、家でその好きなモノに取り組もうとしても、その嫌な気分を引き起こすトリガーのような存在となってしまい、プライベートでの好きなモノでさえ身が乗らなくなってしまう可能性が。

教育という仕事だけに執着しないよう、好きなゲームやラジオ、総じていえばエンタメ、は好きなものとして取っておきたい。


2週間も空いて、さほど良い内容を書けた自信はないけれども、1日1日を大切に、長く生活しようという気持ちのせいなのか、充実感はあるものの、鮮烈に日々が残っていってる感じはしない。

この数日でもっと他にも書きたい内容はあったけれど、きっとその量が多すぎて頭の中で整理されることなく、毎朝を迎えてしまっていたようだ。


内定式を終えて、学生と社会人の狭間ってのを嫌ってほど感じた。高揚感と不安がちょうど半分。まるで、マクドナルドの神ポテトが入っている割合かのよう。


ああ、とりあえずもう少しは、昔からの人脈たちに頼ろう。

自分が、自分を気味悪く思うようなキャラクターづくりはしないようにしたい。

主演じゃなくていいので、個性が発揮できるエキストラでいさせてくだせえ。


おわり!

ano「スマイルあげない」

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