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ブラック校則はなぜ生まれた?今後の校則はこう変わっていく。

こんにちはぁぁぁ!!ポジティブ先生です🔥
ニュースなどでよく”ブラック校則”というものが取り上げられており、問題となっています。

本日は、現在のブラック校則の現状を紹介しつつ、
みらいの校則はどのように変わっていくのかというテーマでお話ししていこうかと思います。

昔校則で悩まされたという人、ご自身の子供が変な校則に巻き込まれないか心配だという人、必見です。


1. ブラック校則とは

よくあるブラック校則の一覧はこちらです。
・地毛が茶色い人は黒染めしなければならない。
・女子の下着の色の指定
・ポニーテール禁止
・ツーブロック禁止
・髪の長さの極端な指定(髪が耳にかかってはいけないなど) などなど。

、、、、、。
こりゃあひどい。

人権侵害と言われてもおかしくないですよね。
個性をぶっ潰してしまっています。

そしてさらにひどいのが、
この校則を制定している学校の校長、教職員が、
納得いく説明ができないことです。

2. ブラック校則が存在する理由

よく、
”なぜ髪を染めてはダメなのですか?”
と生徒は聞きますが、大抵先生からの返事というのは、

「校則で決まっているから」「ルールは守らないといけないから」

といった内容のものです。

少し考える力がある子であれば、
「理由になっていないな」と気づくはずです。

そうです。ちゃんとした理由になってないのです。
「ダメだからダメ」と言っているのと全く同じです。

頭が痛い理由は、痛いからと言っているようなものです。

これでは納得いきませんし、生徒から反発があってもしょうがないです。

ではなぜ、ちゃんとした理由を説明できないにもかかわらず、
ブラック校則が存在しているのでしょうか。

現在、教員を現役バリバリで勤めている私がぶっちゃけると、
ブラック校則が存在する理由は以下の二つに集約されます。
・昔からの慣習
・学校のイメージダウンを避けたい。

「昔からの慣習」


まず、「昔からの慣習」についてですが、これはそもそもなぜ学校というものが生まれたかということに遡ります。

学校は近代国家を効率的、効果的に作り上げるために、
「一斉教育」の場として誕生したのです。

簡単にいうと
「強い日本を作るために、全員が同じような教育を受けて、ある程度の教養を持っておくと良いよね。そうすれば同じような人たちがたくさん育つから団結力が良くなるよね。あと、中には国に貢献してくれる優秀な人が結構出てくるはずだよね。」
といったノリです。

つまり、同じような人たちが集まった「強い集団」を作りたかったのです。

事実、昭和までの日本の教育を思い出して貰えばわかるように、
授業中に「自分のやりたいことをどんどん追求する」ようなことは行いません。

与えられた教科・科目をこなし、成績が優秀なものは、
進路が広がっていき、活躍の場が与えられるという非常に単純かつ効率的なものでした。

個性などほとんど尊重されていないのです。

今の「学校側の決めつけ」による校則が生じるのも納得がいきますよね。
生徒の個性よりも、同じような集団を形成し、
個ではなく集団として強く育ってもらうことが優先だったのです。

そんな中では、もちろん「自由な校則」なんてものはありません。
いろんな方向性の人間が育っていくと国は困ってしまうわけです。

逆にみんなが同じ服装、同じ髪型、同じ思想を持っていれば、所属感が生まれます。そこには集団としての意識が芽生えやすくなり、より「強い集団」が育つというわけです。

当時「集団で強くなる」ということに重きを置かれていた結果、現在もその名残が生き続けているということです。

「学校のイメージダウンを避けたい」

こちらも校則をなかなか変えられない理由の1つだと確信しています。
学校の近くに住む人は、皆さんが思っている以上に生徒たちに関心があります。
「スカートが短すぎる。」「髪を染めている人がいる。」「ピアスが開いている人が多い。」「挨拶をしない。」

学力どうこうの噂はあまり聞きません。

一方で、風紀に関する噂は結構出回っており
地域の人からクレームが入ることもあります。
校則がゆるい高校や、治安が乱れている学校が、中学生や親たちの間で話題になることもしょっちゅうです。

学校は、私立、公立に限らず、毎年の募集人数を増やしたいと思っています。(意外と公立も内部ではかなり気にしています。)

したがって、学校としては、イメージダウンになるような事態をできる限り防ぎたいのです。

生徒を自由にすればするほど、よくない噂が広まる可能性が高まります。
怪我を未然に防ぎたいということですね。

これに関しては、噂をする側のリテラシーにも問題があります。
例えば「ポニーテール禁止」の校則についてですが、
基本的に大半の人は「そんなものなくても良い。」と思っていますが、

一部の昔ながらの考えの人、謎のこだわりがある人が
「その学校のことを、誹謗中傷する可能性があるのです。」

特に何がとははっきり言わず
「あの学校は校則ちゃんとしていないからお子さん入れない方が良いよ」などと言ってしまうわけです。

そんなもの気にしなくても良いのでは?
と思いますが、やはり噂というものは思いもよらない影響力を及ぼすことがあります。
学校側としては、致命傷になりかねません。

また、生徒を自由にすればするほど、
生徒が勝手なことをしだす。
という場合もあり、これまた学校の評判を下げることになります。

例えば、髪染め禁止の学校では、
校則を守らないちょっとやんちゃな子は、
髪の内側だけ染めたりします(インナーカラー)。

しかしこれが「派手でない髪染めOK」とすると、
校則を守らないちょっとやんちゃな子は、
今後は「すごく派手な髪染め」をしてしまうのです。

これは、教育現場に立ったことのある人なら誰でも納得してもらえると思います。
校則が厳しくても緩くても、認めていないことをやる生徒はいます。
そして校則がある一定のところまで緩くなると、
多くの人が「それはどう考えても印象が悪い」と思うようなことを実行する生徒が現れるのです。

「超ド派手な髪色」、「ピアスが5個以上空いている」、「タトゥー」なんかが良い例です。

この辺りも、学校が簡単に校則を緩めることができない要因の一つとしてあるのでしょうね。

3. 偏差値日本一「灘高校」の校則

さて、ではここで、偏差値日本一の学校の校則がどうなっているのか、
みなさん気になりますよね。

基本的には、偏差値が高いほど校則は「緩くなる」傾向にあります。

それが良いのか悪いのかはさておき、教員側から「ある程度信頼されている」からこそ自由が増していくのだと思います。

そして、偏差値日本一の学校「灘高校」の校則がこちらです。
・ピアス禁止。
・髪染め禁止。
・サンダルでの登校禁止。

以上です。
なんとそれ以外の校則は「ない」そうです。

基本的に生徒を紳士として扱い自治を認めていて、
生徒の興味・関心に合わせて学校側も柔軟な対応をしてくれるようです。

すごい学校ですね。
逆にいうと、規制しなくても「きちんとやってくれる」という信頼があるのでしょう。
のびのびと学校生活を送れそうな気がします。
さすが灘高校です。

4. 今後の校則はどうなっていくか。

さて、ここまで現在の校則について見てきましたが、
ここ最近少しずつ今までの厳しかった校則が緩和されていく流れができつつあります。

つい最近、岐阜の高校で頭髪や化粧に関する校則を3週間廃止するという試みを行なった学校もありました。

今後の学校の校則はどうなっていくのか、私なりの見解をお話しします。

私は今後、校則というものは、

「学校ごとに個性あふれたものになる」と思います。

なぜかというと、現在、
今までは存在していなかった「新しいタイプの学校」がたくさん生まれてきているからです。

例えば
・オンラインをうまく活用し、遠隔からでも魅力ある教育を受けることが可能になった「N高」。
・ホリエモンが手がける、自分のやりたいことに時間を割ける「ゼロ校」。
・インターナショナルスクールも以前よりも明らかに注目を集めています。

つまり、これまで以上に「その子に合った学校」というものがたくさん存在するわけです。
これを教育界では「個別最適化」と言います。
その子に合った教育をしていくのです。

ということは、その学校の校則も、学校の特色を活かしたものになると思います。
それぞれの学校がそれぞれの特色を活かした校則を作り、
そこにマッチした生徒たちが入学していく。

例えば、「インフルエンサー」の育成に重きを置く学校であれば、
スカート丈や化粧などはもちろん制限はかからないでしょう。
「欧米の教育」に特化した学校であれば、日本ほど「挨拶」や「時間」について厳しくは指導されないかもしれません。

逆に、「めちゃくちゃ校則が厳しい学校」なんてものも出てくると思います。
ただ、「厳しい中で育ち、精神力を鍛えたい」という志のある人にとっては、これも「個別最適」なものであると言えます。

少しずつそんな特色ある学校が増えていくと考えています。
「自分の子がどういう学校に通うと、その子にとって一番良いか。」

学校がこれまで以上に特色を出してくる時代に突入したため、
我々は子どもたちとしっかり向き合い、彼らの進路を深く考える必要があるでしょう。

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