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受験に使わない副教科を頑張る必要はある?【進学校教師が解説🧑‍🏫】

受験に必要ないから、副教科は頑張らない。

こういう生徒は一定数います。

実際、高校入試や大学入試に、保健、技術、家庭科などの副教科はほとんど使いません。

では、受験に使わないからやらないと切り捨ててしまって良いのでしょうか。

本日は、副教科との向き合い方について、私の経験をもとにお話しします。

もしお子さんが「受験に使わないから副教科は頑張らない」と言っていたら、今日の記事の内容を伝えてください。


受験に使わないから、副教科は頑張らなくて良いのか

まず、受験に使わないという理由で、副教科は頑張らなくて良いのかということですが、結論から言うと、

頑張らないとダメです。

私やこれまでの同僚の先生達の経験則から言うと、満場一致で、優秀な成績を収めた子は、副教科を最低限真面目に取り組んでいる人が多いです。

一見、受験とは関係なさそうなのに、なぜ頑張らなくてはならないのでしょうか。

その理由を一つずつお伝えします。

1. 高校受験の場合には、内申点で差がつく

まず、高校受験についてです。

高校受験をする場合には、副教科はモロに大切になってきます。
なぜなら、高校入試の合否は、基本的には受験当日の学力検査と内申点で決まるからです。

当日の学力検査が良かったとしても、内申点がボロボロであれば、その分だけトータルでは失点していることになり、合格は遠ざかってしまいます。

高校受験のための内申点の内訳としては、国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術家庭・外国語(英語)の9項目がありますが、副教科の配点がどれくらいあるかは自治体によって異なります。

主要5教科と副教科の配点が変わらない自治体もあれば、副教科の方が配点が高い自治体もあります。

つまり、副教科をサボることで、内申点に大きな傷がついてしまうのです。

2. 完璧に取捨選択できる人は本当に少ない

次に副教科を頑張るべき理由として、「完璧に取捨選択できる人は本当に少ない」と言うことが挙げられます。

中学生、高校生が「ここは捨てる。ここは頑張る。」と言うことを器用にできるかというと、かなり難しいです。

副教科を捨てる人は、主要5教科でも、自分の苦手なところから捨てていく傾向があります。

結局、やるべきところまで捨ててしまうので、成績はイマイチのまま受験を迎えます。

そして、なんとも言えない結果が出るという形で終わります。

副教科を頑張らないと言うことは、目の前のやるべきことをやらないと言う選択をしたことになります。

そう言う人は、「やるべきことをやらない」癖がついてしまうのです。

だから受験前に、たとえやるべき主要5教科だったとしても、自分の気が進まないところは捨ててしまうのです。

常にやるべきことと向き合う姿勢を維持・継続しましょう。


以上の理由から、副教科を捨てることはお勧めしていません。
内申点に大きく傷が付きますし、いざという時に頑張れない子に育ってしまいます。

また、副教科を真面目に取り組まないことは、教育の機会損失につながります。
音楽・美術・保健体育・技術家庭で得られる知識や技能は将来で使えるものがたくさんあります。

最近話題のSTEAM教育(S:Science(科学), T:technology(技術), E:Engineering(工学), A:Art(芸術), M:Mathmatics(数学))の中にも、技術や美術、音楽で習う内容がふんだんに盛り込まれています。
また、家庭科でも金融教育が始まり、将来役に立つ教育内容がより充実しています。

受験のためだけに授業を受け、これらの貴重な教育の機会を失うのは勿体無いですよね。
将来の可能性を潰す行為と言っても過言ではありません。

安易に目の前の感情に従うのではなく、長期的により効果がある方を選択しましょう。

それでは、受験に向けて副教科もしっかり頑張りましょう!

また明日!

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