医学部届かなかったから歯学部、薬学部とか保健学科にする!これってあり!?
医学部医学科。
日本での受験において、東大・京大に並ぶ最難関の志望校です。
地方国公立の医学部医学科でさえ、大阪大学よりも難しいと言われています。
旧帝大や神戸大学の医学部医学科は、京大や東大よりも合格難度が高いとさえ言われています。
高年収のイメージや、人の役に立てるというやりがいの面から、医者は将来の夢として人気の職業です。
しかし、多くの高校生が「医者になりたいな。」と思いながらも、実際になれる人は相当限られていると言わざるを得ないでしょう。
共通テストも最低でも8割、8割5分〜9割取らないと、勝負することすらできません。
共通テストでなかなか点が出ず、医学部医学科の夢を諦めざるを得なかった人も多いでしょう。
そんな人たちに多いのが、
医学科は無理だったから、
・歯学科にしようか
・薬学部にしようか
・獣医学部にしようか
・保険学科にしようか
・看護学科にしようか
といったものです。
毎年多くの受験生がこのような進路変更を行います。
医療関係というところは変えずに、比較的に入りやすい上記のような学部や学科に変更するのです。
私は教員としてこのような進路変更をお勧めしていません。
実際、この選択は後で後悔する人が非常に多いです。
なぜおすすめすることができないのか。今日はその理由をお伝えします。
1. 後悔する理由その1「年収」
まず初めに、「年収」に魅力を感じて医者を目指していた人は、医療系の他の学部学科に進路変更することはおすすめしません。
理由は、企業に就職する場合とそれほど変わらないからです。
大企業の就職内定を勝ち取ることができれば、むしろそちらの方が年収が高い方が多いです。
医者の年収は確かに高いです。平均年収は1300万円程度と言われています。
一方で、歯医者の平均年収は700万円程度です。医者と比べて大きく下がりますし、大企業と大差ないどころか、大企業の方が良い場合も多いということが分かります。
そして、医者以外で最も平均年収が高いのは歯医者です。
薬剤師、獣医師、検査技師、看護師の平均年収は500万円程度なので、シンプルに大企業に就職した方が高くなります。
人気のベンチャーや外資系の企業に就職した場合は、かなり差をつけることができるでしょう。
高校生は年収事情などにあまり詳しくないため、「医者が給料が良い」くらいしか知りません。
そして、医者になれなかった場合に、これらの医療系の他の学部学科に切り替えてしまうのです。
歯学部も獣医学部も大学の偏差値はかなり高いため医者と同じように高年収なのではないかと期待して志望する人が多いですが、実際に就職してみると意外とそんなことはありません。
一度医療系の大学に入ってしまった場合は、そこから一般企業に就職することは不利になります。
年収に魅力を感じ医者を目指した人は、一度立ち止まってよく考えてみてください。
2. 後悔する理由その2「権限・やりがい」
医療現場で一番権限を持っているのは医者です。
薬剤師や看護師には持ってない決定権を持っているため、周りから見ると医者が相当やりがいがあるように感じてしまいます。
これもまた、医学科以外の道を選んだ人が後悔する原因の1つです。
友人の薬剤師は、「最近の薬は提供はデジタル化がどんどん進んでいて、徐々に薬剤師でなくてもできるようになってきている。」という話をしていました。
そして、どんな薬を患者に提供するか決めるのは基本的には医者の仕事です。
私の友人は、「医者から言われたことをやる」という裁量権のなさに苦しんでおり、就職から2年後に、医学科への編入を決意していました。
また、一般市民の中には、医者と看護師への態度を露骨に変える人もかなりたくさんいると言っていました。
そういった現状に嫌気がさして、退職したり、もう一度医学科を目指す人は多いです。
受験生は、そのことをきちんと知った上で進路を決めなくてはいけません。
3. 後悔する理由その3「多忙さ」
医者は多忙ですが、他の医療従事者も同様です。
職業の特性上、どうしても夜勤が発生してしまいます。
最近でも医者や看護師の残業時間についての問題が取り上げられていました。
多忙さに耐えら得れるかもまた、医療関係に身を置くかどうか考えるべきポイントの1つです。
もちろん、忙しさは同じ医療従事者でも違いはありますし、どの病院に務めるかよっても変わります。
自分がどういう進路に進むのかを明確に考え、そこでどのような勤務時間で仕事をすることになるのか、しっかりと高校生の間に聞いておくべきでしょう。
それが自分にとって許容範囲であるか、そうでないのか考えることが重要です。
いかがでしたでしょうか。
皆さんの大切な進路決定が、後悔なく上手くいくことを願っています。
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