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関西ジャニーズJr.のAぇ! groupがこれからのアイドルを変えていく理由(6)

もうちょっとお付き合いください!

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3.遠くて近い

最後の矛盾する魅力、それは、距離感です。

様々なエンターテインメントに挑戦し続ける彼らですが、あくまでもジャニーズです。
今でこそ、雑誌の表紙写真がネットに上がる時に黒く塗りつぶされなくなったり(笑)、YouTubeチャンネルを持ったりと、ジャニーズも私たちの身近な所に降りてきましたが、
今でも音楽はCDでしか聞けないし、チケットはファンクラブに入らないと取れないし、
まだまだ手が届かない存在です。
ちなみに、Aぇ! groupのチケットも、すでに入手困難です。

Aぇ! groupには、人生の大半をジャニーズJr.として過ごし、努力が報われずに辞めていった仲間をたくさん見てきたメンバーもいます。
もしかしたら、今の事務所以外の土俵に立てば、もっともっと早く脚光を浴びたかもしれない。それでも、「アイドル」であること、アイドルとしてエンターテインメントをすることが彼らにとって大きな意味があるのだといいます。
また彼らは、アイドルとして私生活をどの程度ファンに開示するか、ということに、とても慎重なグループです。
「LINE」のことを「メール」と言ってみたり、いろんなことに気を遣っています。ラジオや雑誌などではいろいろな質問を受けますが、あくまでも素直に、それでいてアイドルらしい回答をしています。
最近はアイドルでも、プライベートの俗っぽさを見せてくれたり、下ネタを言ったり(!?)する人を見ますが、
あまたあるエンターテインメントの中でアイドルを選ぶ時、私たちは何を求めているのでしょうか。
Aぇ! groupはいい意味で、私たちと距離をとり、こんな時代にまだまだ夢を売ってくれているのです。

でも、かといって届かない感じはしない。グッと近い感じもします。

見ている人と同じ温度で喜んだり悔しがったりするところが、彼らが共感を呼ぶポイントです。
昨年11月に、Aぇ! groupとともに関西ジャニーズJr.であった「なにわ男子」がデビューしました。
デビューが発表された7月からデビューの11月にかけて、Aぇ! groupがなにわ男子に対してコメントをする機会がたくさんありましたが、その時の彼らの言葉と表情は、見る人の心を動かすものだったと思います。
仲間の花道を喜ぶ気持ち。だけではなく、ライバルに対する悔しい気持ちも。どちらも素直に表出していました。

私たちはみんな、共感できるはずです。
カッコつけて「おめでとう」だけを贈るキレイな感じでは済まされない濁った気持ちも持っているということに。それこそがリアルです。悔しい、負けたくない、次は自分たちだ、という強い思いは、どこまでもナチュラルで、応援したい熱を生みました。

また、大学生や20代のありのままの意見を持っていること、肩肘を張らない振る舞いをすることが、親近感を生むもうひとつのポイントです。
例えば、福本大晴さんは現役の大学生として、ワイドショーなどで難しいニュースへのコメントを求められることもありますが、22歳の等身大の感覚で応えています。
正門良規さんは、その飾らない振る舞いで、全ジャニーズJr.約200人の中で「リア恋」第1位に4年連続輝いています。(アイドル雑誌myojoの読者アンケート「Jr.大賞」)
リア恋とは、アイドルや俳優などを応援するだけでなく、お付き合いをしたい、というような恋心を抱くことです。それだけ身近に感じられる証拠でもあります。

Aぇ! groupは、私のような同世代にとっては、友達であり、恋人にしたい相手であり、ライバルのようにも感じられます。
また、ラジオ番組ヤングタウンでは、ヤンタン世代(彼らの親世代)からたくさんのお便りを受け取っています。そういったお便りに対しても素直に、わからないことはわからないと言ってみたり、親を揶揄うようにイジってみたりと、おおらかに返してみせます。そういった様子は、きっとヤンタン世代にとっては、息子のように感じられるでしょう。

私たちは何かを「推す」とき、
彼らがどんどん夢を叶えて大きな舞台に立ってほしいと心から願う反面、
遠くに行ってしまう寂しさや、世の中に知られてしまう焦燥感を感じてしまいます。

だからこそ、ファンと同じ温度で喜怒哀楽を共有する感覚を持ったまま、
次の舞台に進んでいってくれるアイドルは無敵です。

時に手が届かないアイドルが、
私たちのもがきと同じように、
夢に向かってガムシャラに頑張る姿に励まされ鼓舞され、
成功する姿に喜んだり羨ましがったりすることができる。
「憧れの友達」のような存在、それがAぇ! groupの魅力です。

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