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妄想が共感を生む時〜心がザラつく〜

GREATEST SHOW-NEN、Aぇ! group×匿名劇壇「大暴力」の1話、2話の感想が長くなってしまいました!
言ってる間に3話も放送されていますが、まだ書きたいことを書きます。。

作り手の「妄想」に共感するポイントを、もうひとつ見つけましたので…

完走の前半はこちらから、そして妄想に共感する云々の話はこちらから読んでください。

そして、番組を見て感想を書く前に、匿名劇壇主宰の福谷さんのnoteを楽しく読んでおります↓

心がザラつく瞬間

この「大暴力」は、暴力がテーマのブラックユーモアに溢れていて、切り取られる場面は、私たちに「イヤな時間」を提供します。

ストーカーを描いた「この愛は警察に届けます」。ストーカーはダメ!絶対!これは前提。私たちアイドルファンは、好きな人の写真を部屋中に貼って、手紙もたくさん書いて、会いに行ってはデカい声で愛を叫んでいるよね。佐野くん演じるストーカーはヤバかったけど、あの人のことが好きで好きでたまらなかったんだろうね、ってことが痛いほどわかった。心がザラつきました。

「タイムマシンで来た二人」も、胸糞悪かったなぁ。自分だけスッキリしようと必死になる末澤くん(あれは末澤くんの持つチャラキャライメージを悪い方に最大まで誇張した奴だ)と、やるせない表情の福本くん。同じような経験はないけれど、共感というか、デジャヴというか引き込まれてしまった。前後の人生がちょっと見えた気がした。ザラついた。

今の彼女との未来を、元カノの思い出と重ねるメンヘラ男を描いた「君の剥製」も、ザラついた。福本くんにあの役やらせたのが最高。(Aぇ担は何故か知らないけど、明るくて真面目でかしこい福本くんの延長に、病みキャラを期待していると思います。)途中から目がもう現実を見てなかった。恋人の楽しい時間から一転、逃げ出したくなる狂気を感じました。

「選りすぐりの孤独感」もシンプルながら、言うまでもなく気まずさと恥ずかしさを感じるザラッザラ感でした。

こういったザラつく瞬間は、「イヤな時間」です。現実ではしばしば直面しますが、消化に時間がかかる「イヤな時間」。

でも、この「ザラつき」のないドラマに、共感できないことも事実です。全てがうまくいってしまうと冷めてしまうし、作り話ならではの演出が活きないから、物語が薄っぺらく感じてしまう時もあります。

私は少し前までは、「作り話ぐらいは、みんな幸せでいてほしい」と思っていました。わざわざなんで悲しい話を作るの、不快な時間を生むのって思ってました。けれど、心に余裕があるときは、作り話のイヤな時間を通じて考えることがあり、ザラついた心でまた、現実の苦難に立ち向かう戦い方を見つけたりするのだと思います。(もちろん、ハッピーだけの世界に逃避したい時もあり、オールハッピーなエンターテイメントも必要ですね)

note読みましたが、福谷さんから「ねじ式」というワードが出てきたところで何故か納得してしまいました。ガロは読んだことがないけれど、ガロ系のザラつきなのかもしれない。

今日のまとめ。
妄想の中にある、「心がザラつく瞬間」。
この感覚は限りなくリアルで、共感をと妄想の深みを生むのでしょう。

「大暴力」、続きが楽しみです。

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