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妄想が共感を生む時〜境目がぼやける〜

GREATEST SHOW-NEN を見ています。
関西ジャニーズJr.のAぇ! groupがさまざまな劇団と一緒に多種多様なお芝居に挑戦するバラエティ番組です。

今は「匿名劇壇」とのタッグで
「大暴力」というタイトルのお芝居が放送されています。
どんなお話かと言うと、簡単に言うと、
Aぇ! group演じる「不仲アイドル」が
たくさんの「フラッシュフィクション」と呼ばれる短い劇(ショートショートみたいな)を演じていて、
その稽古やフラッシュフィクションを繋げて1時間ほどの演目になっている、というものです。

1話、2話を見た感想を書きたいので書きます。#ネタバレ を含みます。そして私が考えている「妄想でも面白いエンタメ」のヒントが見つかりつつあるので(よかったらこちらを読んでください)その点についても書きます。

番組を見た後に、匿名劇壇の主宰であり今回作•演出をされている福谷圭佑さんのnoteを読みました。番組の楽しさが深まります♪↓

「これはまだ本番ではない」

Aぇ! groupはいいお芝居をするよね〜!
たまたま私はAぇ! groupが好きで、テレビとかラジオを見てるからみんな仲良いんだって知ってるけど、
初めて見たら本当に不仲アイドルかと思ってしまうほど仲悪いし暴力的で、普段忘れがちな「20代の男」感が出てる。コワイ。
喧嘩するなら末澤くんvs福本くん、とか
小島くんがキレたらこんなセリフ、って
なんだか「私が知ってるAぇ! groupの延長線上にあって見たことがないもの」を持ってきた
福谷さんのセンス、さすがだなぁと思わされました。
そして、リチャードくんだけ違和感あるなぁと思ってたら、
「なんかいっつも嘘ついてるみたい」って言われてて納得。
こういった細かい巧みさによって
「不仲アイドル」と「フラッシュフィクション」の境目がわからなくなって、
そのうち「不仲アイドル」と「Aぇ! group」の境目を見失ったら、ファン失格だ。

瞬間を切り取る

偉そうながら、フラッシュフィクションをやることの意義というか、フラッシュフィクションの楽しさを、2話を見てジワジワ感じ始めました。
まずは、刹那の感情を形にできる面白さです。こんなことがあって心が動いた、というような瞬間を、長い話の場面として落とし込むよりも、より鮮明に表現できるんだなって感じました。私はなんの表現者でもないけれど、「何かのネタにしたい!!」と日常で思う出来事があって、多くは忘れてしまうけれど、こうして短いお芝居に昇華して誰かの心を動かせるってステキ。なんだか羨ましい。
もうひとつは、演出でも気をつけていらっしゃった、切り取った瞬間の前後が見えるようにする、それがやっぱりポイントだと思います。
私は「それでも明日はやってくる」と感じられる作り話が大好きです。これはポジティブな言葉のように聞こえて、ネガティブな側面もあります。つらくても明日も生きなきゃ、みたいなね。
例えばドラマは初回に始まり、最終回が終われば終わるけれど、この世界線でこの人たちは生きてきたんだな、今週と来週の間にどんなことがあっただろう、そして最終回後、これからも生きてくんだろうな、っていう余白を感じられる構成がすごく好きです。今回のフラッシュフィクションはどれも短い劇の前後を嫌でも想像してしまう。もちろん真相は誰も知らないけれど、見えてくる余白がおもしろい。

妄想と知ってる世界との境目がぼやけた時

今日思ったこと。
妄想が共感を生む時、他人の妄想が面白く感じる時、それは私の知ってる世界とのギャップがぼやけてきた時だと思いました。

もしAぇ! groupが不仲だったら?いろんな妄想が、限りなく自然体で目の前に現れた時、その先をもっともっと見たくなる。その「作り話」で体験する喜怒哀楽が自分のものとして迫ってくる。
そして、切り取って見せられる「妄想」の前後が想像できたとしたら、自分たちと同じ時間感覚で、自分と同じように日常を持ちつつ生きている(かもしれない)と感じる面白さがあると思います。「妄想」と現実との境目がぼやけてきて初めて、共感しつつも現実逃避できるエンターテイメントになるのかもしれません。


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