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夜来香ラプソディ感激観劇記録

2022.3.12〜シアターコクーンで上演されている夜来香ラプソディ。
終戦直前の魔都上海を舞台にした演目です。
その感激もとい、観劇記録を残したくてnoteに記します。
ネタバレも含みますので、気になる方はするーしてください。

あらすじ
1945年6月上海に服部良一が陸軍として赴任してきた。その赴任を計らった山家少尉の願いを聞き入れて、服部や黎錦光、李香蘭を始めとした音楽をこよなく愛する人々が世の中の情勢を跳ね除け、利用しながら、コンサートを開催する。

物凄い多幸感に包まれた舞台でした。舞台と言うよりも、コンサート、いや、コンサートというよりはフェスに近いものがありました。
なぜ私は客席に座っているんだろう。立ち上がって踊り狂いたい!手を高らかに挙げて手拍子をしたい。私の中では、舞台ではなく、ロックフェスに見えました。

何故ここまで引き込まれたのか。
まず冒頭、開催にこぎつけたコンサートから舞台は始まり、松下洸平さん演じる服部良一がタクトを持って現れ、客席に向かって指揮を振ります。

その瞬間、「みんなでこのコンサートを作り上げましょう」と促され、私は、夜来香ラプソディと言う舞台を観にきているはずが、夜来香ラプソディと言うコンサートの演奏者であり、お客さんの1人になったのです。

終わってみれば、最初でも述べましたが、多幸感いっぱいの舞台で、次の日には、またあの上海に戻りたい。
そう思わせてくれる舞台、いや、フェスでした。

そして、舞台冒頭で服部良一は「こんなご時世の中、いらして頂いてありがとうございます」(うろ覚え)と述べます。

この2年本当に毎日毎日色んなことを我慢したり、注意したりしながら感染対策をしながらも、そんな中でも私はライブに出かけたり、ライブをしたり、舞台を観劇したりとそれなりにエンタメを楽しんできました。
でも、そのにあるのは、どうしても拭えない
『罪悪感』
エンタメを楽しむことが罪悪感のように刷り込まれてしまった2年でもありました。

でも、舞台冒頭で服部良一に、まず、語りかけてもらったことで、
エンタメを楽しんで良いんだ。罪悪感を感じなくて良いんだ。
その後、3時間の上演の中でずっと、舞台全体から、そう背中を撫でられている、そんな気持ちになったのです。

何故だかはよくわかりませんが、
もしかしたら、主役である服部良一は、ものすごく活躍するわけではありません。むしろ、悩み、苦しみ、どうしたらよいか?立ち止まっているときに、周囲の人たちが手を差し伸べてくれるのです。これは、服部良一のヒーロー物語では、ありません。みんなが少しずつ勇気を出して、難題を乗り越えて、コンサートを開催した、そのストーリー全体がそう感じさせてくれたのかも知れません。

最後に、カーテンコールでみなさんが現れてくれた時に流れた曲が、「ジャングルブギ」で、オリジナルの笠置シヅ子さんではなく、スカパラがカバーした曲が流れました。


スカパラが大好きな私は、嬉しくて、もう堪らず、ひとり縦ノリで拍手もせず踊っていました。

また、舞台の演出上、ロシアの芸術のことも出てきます。
そこには、ロシアの音楽に対するリスペクトしかありませんでした。
それと、このジャングルブギを歌ったクリーンヘッドギムラはもうこの世にはいません。
ですが、スカパラはこの曲を演奏し続けています。

芸術とは、世の中に何があっても続いていくものなんだ。

そんなメッセージも勝手に受け取って、私はフェスの参加者として、感激と誇らしい気持ちをもって、背筋を伸ばして、劇場を後にしました。





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