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#11 チームで「障害」や「自分らしさ」について考えた話


ポシュロウは働くことに障害のある方が“自分らしく働く“ための「選択肢やアイデア」を見つけるWEBサービスであることは、これまでお伝えしてきたことなのですが、

 
それを形にするうえで、ポシュロウとして絶対に必要だと考えている事がいくつかあります。
 
そのひとつが、
“「障害」を個人の問題として完結させないこと”
そして
“自分たちの「自分らしさ」も大切にすること”
です。
 
なぜなら、
個人へのアプローチだけをしても根本の課題解決がなされないのではないか。
そして、
自分らしさとは何かを問うたことがない、自分たちの「らしさ」を大切にできない人たちに、誰かの「自分らしさ」を大切にすることはできないのではないか。
と思うからです。
 
ただ、こういった「概念」や「想い」の大半は飾りになることも多く、
これからサービスとして、行動や実際の表現としっかりとした重なりを生んでいくために、
先日、ポシュロウの運営を支える新規事業企画のチームメンバーで、2週にわたり、
「障害とは何か」を考える社会モデル勉強会と、
「自分らしさとは何か」を考えるbeの肩書きワークショップを行いました。

簡単ではありますが、今回はその様子についてレポートします。




“「障害とは何か」を考える社会モデル勉強会”

社会モデルの勉強会ではスライドに沿って、個人モデル、社会モデルの概念についてと、その例などについて考え、対話をしながら、チームで考えました。

社会モデルとは、障害は個人の問題ではなく、社会環境を中心とした相互作用によって作られているという考えです。

”障害”だけでなく、日常における「困難さ」も同じく、個人の問題か、環境との相互作用による問題かで捉えることができます。

世の中では、健常者とされる方、障害者とされる方に分けて考えることが多いけれど、果たして本当にそうだろうか。

社会モデルで考えていくと、障害はグラデーションの中に存在するのではないか、ということについて考え、みんなでディスカッションをしました。

そこでは「個人モデルの視点は本当に必要ないのか」や「個人モデルと社会モデルの歴史」に関する質問が飛び出すなど、深く捉えようとする姿がとても素晴らしく、山本個人としても誇らしかったです。


【勉強会を終えてチームメンバーからの感想】

安易にその個人の障がいの有無だけを認識してしまいがちですが、個人の特性と環境におけるグラデーションである、という考え方が非常に大事だと感じました。この世の人々はオンリーワンな存在であって、全く同じ人が誰一人として存在しないように一人一人特性がある中で、視野を広げていきたいと思いました。

業務を通じて社会課題を学べる良い機会でした。労働集約型ビジネスでは、特に多様な人材や価値観が共存していて、それを認め、理解し、尊重し合うことが必要不可欠です。上辺だけの知識ではなく、根本理解を促すこういった機会の提供はこらからもお願いしたいです。

両モデルがあってこそ今に繋がっていて、且つ、どちらが正しい/誤りということもなく、あくまでもアプローチの違いなのであって、ただただ、関わるすべての人が、世の中をより良くしようと考えているんだよなあ、、、と、当たり前みたいな話ですが、改めてそんなことを認識した時間でした。

当社でのサービスに係る勉強(というか研修)は、ほとんどが提供するサービス自体の学習を入口に知識をつけていく形である中、当勉強会はこれからサービスに携わるメンバーがサービスを学習する前にそもそも顧客が向き合っている状況の理解を深める所を入口としており、参加者の知識差分に関係なく同様に持ち帰りできる形だと思った。内容としても、障害に対する捉え方には2つの考え方があり、大事にしたいポイントは”当事者に対してどのような立ち位置で歩み寄りたい(何を成すか)”によって重視するモデルの割合が変わっていく。この理解をした後に、サービスを学ぶことで、本サービスで形作る世界観や、顧客に対しどうありたいか?という思いを新たに触れるメンバーがブレずに吸収していけると感じた。




“「自分らしさとは何か」を考えるbeの肩書きワークショップ”


beの肩書きとは、大学教員の兼松佳宏さんが開発し、広められている概念なのですが、
例えば、マネージャーや、部長、●●課社員など、一般的に使われている肩書きを「do(していること)の肩書き」とする一方で、個人のbe(在りたいこと)についての肩書きを持つ、見つけることで「自分らしさ」を感じて生きることが可能になる、というものです。

このワークショップを用いて、「自分らしさ」を考えることにより、どんな感情に繋がるのか、何が生まれるかを、ある種の実験的な体験の場としてチームで取り組んでみました。


まずは、チームでユーダイモニアについての個人ワーク。

”ユーダイモニア”とは「個人的充足感」のことで、
自分の内側から湧き上がってくる、好きなことや、大切にしたいことなど、自分らしさのヒントについて考えます。

その後はユーダイモニアに関するインタビュー。
それぞれの個人ワークで記載したユーダイモニアについて発表、互いに質問し合いながら、その人らしさがどこにあるのかを深堀します。

最後はインタビューの内容を参考にチームメンバーみんなのらしさを言語化。
「beの肩書」を考え合って、お互いにプレゼントします。


普段慣れない作業に頭を抱えつつも、それぞれのピュアな感性が溢れ素晴らしい肩書が出来上がりました。


【ワーク終了後のチームメンバーの感想】

他者の新たな一面を知るとともに、「自分ってどういう人間なんだろう?」ということを自身の視点からも、他者の視点からも考える貴重な機会でした。何気なく発した言葉や、自分にとっては何ら特別ではないようなことでも、他者から見る(言語化される)と、そう映るんだ!と、新しい発見もあり、とても面白かったです。

就活や転職の機会で自己分析を行う機会がありましたが、beの肩書という別の観点から自分を見つめ直す良い機会でした。改めて、自分ってこんな人間なんだ、という日頃、言語化出来ていない感性や感覚の部分を発見できました。また、一緒に働いている方々からの共有も興味深く勝手に距離が縮まったように感じました。

日常の業務から距離を置いて、改めて自分自身が描く「あり方」「らしさ」と向き合う時間は、自主的にはすることがなかなかないので、短い時間ではありながらも、今回のワークで自分自身年を重ねていくことで30代後半になって変わった価値観に気づくこともできた。

自分本位ではなく相手に向き合って思考する、きれいごとでは言えるがなかなか本気でする機会がなかった。

普段のコミュニケーションを通じて、周りがどのように捉えているのか再確認できた。そして人の数だけ、考えや価値観は存在していることを改めて認識できる。(とってつけたようにですが・・・)ポシュロウで目指す世界は消去法で導きだす正解を与えることではなく、多様な方々に対して、大小あれど前に進む為の気づきとなる材料(情報)を提供できるサービスを目指していくことが重要と再認識できる内容であった。

業務を離れ、非日常的に考える機会となった良い機会でした。そもそも考える事ってなんだろう?考えるって難しいなぁ。当たり前だと思っていることって当たり前じゃないなぁとか色んな思考が頭に湧き出た不思議な体験をさせていただいたと思っています。個人的には、自分のことではなく、ヒトのことに興味を持って考えることが特に良い機会になりました。



非常にタイトな時間の中で、勉強会もワークショップも行われましたが、みなさん前向きに、積極的に参加される姿は感動さえ覚えるレベルでした。
 
また総じて、ファシリテートをする私が一番学ぶ場になったなぁと感じています。

例えば、私の中で、ポシュロウを作る際に必ず、社会モデルの考えを軸にしていきたいと思っているのですが、社会モデルを大切にすることは、ある種、個人モデルを否定するような感覚になっていました。

しかし、チームメンバーとの対話を通じて、感想にもあったように、どちらが良い悪いという話ではなく、当事者の方も同じくどちらの視点も理解したうえで、何を望み、私たちがそれに対しどのようなスタンスを取るのかが大切で、それらを行ったり来たりしながら捉えていく、
ということも一つ視点として持つ必要があるなという事に気付けたり。
 
「自分らしさ」に関してもワークに取り組むチームメンバーの様子から、自分らしさというものは、当然ながら、”これだ”と簡単に見つけられるわけではなく、一見言語化したり、感覚的につかんでいるようでも、状況や環境の変化、それらとの相互作用の中で、有機的に変わり続けるものだなと思いました。
そして、そんな変化そのものも「自分らしさ」を構成するひとつであり、より良く生きていくためのヒントがあるのだろうなと感じます。
 

これら気づきはきっと、ポシュロウをつくっていくうえで、大切なピースになっていくことだろうと思います。チームのみなさん、この場を借りて改めて感謝します。

ありがとうございました!


いつも本当に良い雰囲気のポシュロウを支えるチームのみなさん

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