社会で成功するための「論語」の話
世界史の漫画を読んだときに、世界が残虐すぎていて絶望したのですが、そんな世界の歴史において孔子先生は一抹の清涼剤でした。(あとガンジー)
道徳的なものは孔子の時代からあまり進化していないのだなぁと思い、一度ちゃんと読んでみたいなと読んでみたのです。
すると、「人間が正しく生きるとはどういうことか」ということを一生かけて考えてきた人であることもあり、流石の説得力でした。
孔子の活躍した紀元前500年ごろからあまり考え方は変わっていないということがわかりました。
論語を学ぶ意味
論語は帝王学であり、実際に大事にしてきた人が成功者になった経緯があります。
例えば徳川家康です。論語を非常に重んじていたと言われています。
200年の平和な時代を築きました。
そして、渋沢栄一です。今も存在する多くの上場会社の元となった企業を立ち上げました。著書で有名なのが「論語と算盤」です。本にも入れてしまうくらい重んじていたことが伺えます。
論語を重要視すると社会的に成功しやすい、というのが言えると思います。
論語とは
さて、論語とは孔子の言葉をその弟子たちがまとめたものです。
新約聖書がキリストの言葉を弟子たちがまとめたものであるのと同様に、論語も孔子の弟子たちがまとめたものです。
キリストの言葉がキリスト教になったように、論語ものちに儒教という宗教のようなものになって行きます。
東洋の聖書といっても過言ではないかもしれません。
日本人が聖書を原文で読むことは難しいですが、論語は漢字で書かれたものなので、漢文の書き下し文でおおよそ意味の取れる文章をなんとなく読むことができるというのが論語の面白さです。
紀元前500年ごろの文章ですので、正直編集もテキトーです。
論語の愛好者たちは「俺論語」というべき再編集版をたくさん出しています。儒教もその一つと言えるかもしれません。
その過程で、編集者の意図が入っている場合もあるので、やっぱり原文の訳を読んだ方が意図は伝わるのではないかなと思います。
儒教は貧しくあるべし、耐えるべし、という意味合いが強くなっていると聞きます。論語原文ではそこまでお金儲けに嫌悪はなかったりします。
論語に書かれていること
論語にはどんなことが書かれているのか。簡単に説明したいと思います。
論語の考え方は日本人に非常に深く染み付いています。
洗脳されているといってもいいかもしれません。
どういう人間を目指すべきか
どんな人間が素晴らしいのかがまず描写されています。
・清く正しく美しく生きろ
・年上を敬い、両親に親孝行せよ
・困っている人を助け、人に優しくしよう
・謙虚に生き、礼儀を大切にせよ
意訳するとこんなことが書かれています。
非常に馴染み深いと感じるのではないでしょうか。
上に立つものが正しく生きれば、その下のものたちも見習って正しく生きるようになる。政治はそのように行うのが良いのだ。
と言うのが孔子の主な主張です。
それを信念として一生を貫いたのが孔子です。
論語を読むとわかるのですが、貫いたってレベルでなく本気でそれを信じて、各国の王にそれを説き続けたのです。
残念ながら、そんなのは理想論だ、綺麗事だ、と孔子の主張は全く聞き入られることはありませんでした。
自分の主張は受け入れられることなく、さらに後継者として有望な一番弟子にも先立たれ無念のまま生涯を閉じます。
そんな、孔子の生涯をかけた考えを記し、また孔子の一生も垣間見えるめちゃくちゃ熱い本が論語なのです。(当時は竹の束に書かれてたらしいですが本としておきます。)
孔子の大事にしていたこと
主要なことを簡単にまとめてみます。
孔子の重んじていたことです。
仁
全ての人を愛する隣人愛。何事にも動じぬ人格者を示します。孔子はこれを目指しました。
義
正義のことです。人として正しいことを貫きます。
知(智)
好奇心を持ち、探求する心です。行動力を示す言葉でもあります。
忠
所属する国や組織に尽くすことです。
勇
勇ましさ、勇気のことです。
礼
礼儀を尽くすことです。
上記を総称して「徳」と呼びます。
論語は徳を積んで生きろと言っているのです。
上記のような言葉の意味がわかれば、論語はおおよそ理解できたと言えると思います。
理解するだけでなく、実際に心の底からそれを重んじて行動として実践することが最も重要であると孔子はときます。
これらの考え方はのちに出てくる仏教にも影響を与えていますね。
日本は仏教国ですし、儒教を教育に使っていた時期もあるため馴染み深いものとなっています。
あと中庸という考えも重要だと言ってますね。
どちらかにかたよらず、中間でバランスよく意見を持っておくのが良いのだそうです。
論語で面白かったこと
上で述べた項目以外の部分でも、結構楽しめる部分が論語にはあるので記載しています。
弟子と孔子の交流が結構楽しそう
孔子の名前は孔丘なのですがたまに自分のことを「丘」と言っていてあだ名みたいだな、と思って読んでいました。弟子のことも回とか下の名前で呼んでいるんですよね。
また、孔子がガンギレしたエピソードが1つ載っているのですが、切れた原因はなんだと思いますか?
弟子の遅刻です。遅刻は古来から人をキレさせてきたのです。
遅刻は聖人に最も近いと思われる孔子をも怒らせます。
みなさん気をつけましょう。
「朽木は雕るべからず。糞土の牆は杇るべからず」と言って怒ってます。
腐った木では彫刻はできないし、糞でできた塀は上塗りしてもどうしようもない。お前は根っから腐っている。と言う意味ですね。
ガンギレ具合が伝わってきます。
その弟子が口がうまかったらしく「口のうまいやつは行動を見るまで信用しない」とも言っています。
めっちゃかっこいい言葉
五千人の兵力を持つ将軍の首を取ることはできるが、一人の男の中にある信念は誰にも奪うことはできない。
理想の炎をずっとたやさず抱えてきた孔子の一言として最もふさわしいと思いませんか?
ワンピースのルフィとあらゆる武器を持つ男ドン・クリークの戦いを思い出しましたね。ルフィの信念の槍が敵を打ち砕くのです。
まとめ
論語を読むと「人間、正しく生きるべきだよなぁ」と心を改めて生きようと決意するきっかけになります。
また、孔子の信念や生き様を感じられる、意外と熱い本なのでそう言った目線でも是非呼んでみてほしいと思います。
ただ、老子と荘子の本は論語をめっちゃ批判してます。
老荘の思想面白いなぁ、と最近思っているので論語が全てじゃないよね、の目線もあるのですが今回の紹介は論語推しでまとめてみました。
次回は老子と荘子の論語批判について書いてみたいと思います。ではまた!