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「これまでの人生は修行の日々だったなあ」PORTOスタッフ:さおちゃんのこれまで(後編)

PORTOのことをもっと知っていただきたい!という思いからスタートしたスタッフインタビュー「PORTOなひとたち」。記念すべき1人目はPORTOの保育士・さおちゃん(山本紗織さん)です。

岡山の短大を卒業し、児童養護施設で働いていたさおちゃん。前編では、たくさん奮闘して、癒しと更なる自己実現のために島根で生活していたところまでをインタビューしました。

島根での生活から、神戸にあるPORTOにどのように辿り着いたのでしょうか?後半のインタビューをまとめました。

一時預かり中のひととき。絵本を読んでちょっと休憩

ー島根からどのような流れで兵庫に帰ってきたのですか。
山陰での暮らしは楽しいことも多かったですが、雪国であることなど、大変なことも経験したので、一旦戻ってこようかと。もっと演劇について学びたかったので兵庫県立ピッコロシアターの演劇学校を受験し、合格出来たので帰ってきました。

島根時代に幼稚園教諭免許更新講座を岡山大学で受けたときに、世界の幼児教育を学ぶ講座で、イタリアのレッジョ・エミリア市で実践されている教育実践法と出会いました。自主性と協調性を育むプロジェクト活動や、アトリエもあり充実した表現活動を行っていることに魅力を感じ、学んでみたいなと思いました。
そこで子どもARTプラットフォーム(旧:子ども教育立国)というところを知り、レッジョ・エミリア・アプローチを学ぶ講座を受けました。そこの事務局さんのはからいで(現在PORTOで働く)祐子さんを紹介していただいたんですよね。

ーへぇーすごく不思議な縁というか、流れを感じますね。 
島根に行ったから、岡山大学で免許更新授業を受けられたし、子どもARTプラットフォームにもつながって、、、不思議(笑)その頃、祐子さんは自身で立ち上げにも携わった保育園で園長をされていたので、そこで一緒に働かせてもらうことになりました。昼は保育士として働いて、夜は演劇学校に通う生活を送っていました。

ー島根時代に引き続いて、職場以外に自分を表現できる居場所があるという2足のわらじ生活。それによってさおちゃんのどんな部分が広がったんでしょうか。
2足のわらじ(笑)…というか、保育の仕事をしている私、演劇をしている私その両方があるから楽しく生きていられるなと思っています。人物を演じる上で悩んだとき、子ども達の動きや発言がヒントになることも多くて。子どもってやっぱすごいなあと感じることが増えました。それは、演劇をやっているからこそ気づけたことなのかなと思います。

ベイビーシアターに稽古にて。生き物(オブジェクト)の動かし方を研究中。
PORTOでも人形や玩具を巧みに動かして子ども達の視線を惹きつけています。

ー保育士の自分と舞台上のわたしがいるから楽しく生きられる。というのは素敵なことですね。演劇活動と仕事が相互補完関係になることはなかなかないと思うし、それを大事にしていることが、今のさおちゃんに繋がってると感じます。

―それから、コロナ禍をきっかけに保育園を離職という流れになるわけですが、次の職場についてはどのように考えていましたか。
児童養護の方からのお誘いとかもあったんです。でも、自分の中で保育の仕事と演劇の勉強を両立させたい気持ちがあったので、拘束時間が長い職場だと演劇活動が難しいかなと悩んでいました。そんな時に祐子さんからPORTOへのお誘いがあって、ここなら両立できそう!と。また、祐子さんと一緒に働きたかったことも後押しされた感じですね。自分をわかってくれる人がいてくれるのは安心できるなと。

ーそうかぁー。保育士として働けるところは色々あるけれど、やりたい活動も大事にしたいので、自分に合う職場としてPORTOを選んだんですね。
そのPORTOで働いて気付いたこととか、感じたことはどんなことがあったのかもまた聞かせてください

・・・・・・・

さおちゃんのお仕事ヒストリー、全然知らなかったことも、もっと聞きたいこともたくさん出てきたので、それはまた個人的に聞いてみたいと思います。

たおやかな雰囲気を纏っているさおちゃん。PORTOに至るまでのたくさんの出会いや経験、自己表現としての演劇という場所。そのすべてが、さおちゃんのフラットな視点や物事を柔らかく考える力につながっているのだなぁと感じました。

今年2月には赤ちゃん向けの演劇作品を創作しているBEBERICA theatre companyのベイビーシアター公演に出演、3月には在学していた演劇学校の卒業公演で女性兵士役を演じるなど、まとっている雰囲気は緩やかだけど、アグレッシブに行動するさおちゃんへのインタビューは、新たな発見の多い時間となりました。

PORTOに働き始めてからの変化や今後してみたいことはまた別の記事で、祐子さんと3人のクロストークを通じてご紹介したいと思います。                   

(聞き手:みほ)

ベイビーシアターBEBERICA theatre company『What’s Heaven Like?』より