見出し画像

コロナ後の人材派遣マーケット予想と対策

コロナウイルスの影響で人材派遣ビジネスにも様々な影響が出ているかと思います。
直接的なところでは、販売・サービス業に特化している派遣会社や工場の停止が始まっている製造業派遣の会社は既に何らかの影響が出ていると伺っています。
(上記に加えて、派遣先の在宅への切り替えや、派遣会社自身の在宅対応などでバタバタしている感じもありますが。もはやDD問題はどこにいったのでしょうか...)

既に影響が出ている派遣会社にはぜひ頑張っていただきたいと思いますが、それ以外の派遣会社も含めた関心は
おそらく、
「今後このマーケットはどうなるのか?悪くなる場合どれぐらい悪くなるのか?」ではないでしょうか?
今も色々なお客さんとシステムの商談でやりとりしていますが、
「コロナウイルスの影響で新規の投資が様子見になっています・・」などの声をいただくことも増えています。
もちろん、こんなときだから積極的に投資をしてコロナ後のマーケットで成長するという派遣会社もあります。
(個人的にはこういった会社様は大歓迎です)

私なりに今後のマーケットの変化と対策を整理しました。

【ニーズの変化】


<クライアント側>

 クライアント側は3つのパターンに分類されます。
 1.採用活動を止める
 2.採用活動を縮小する
    (採用はするが、厳選する)
 

 3.採用活動は維持、または拡大

これまでのマーケットだと 3の企業が多かったと思いますが、1や2の企業が増えてきています。
1の企業は人材会社にはどうしようもないので、3の企業を増やしつつ、2の企業にどのように対応するというスタンスになると思います。

普段から新規の求人開拓を習慣化している人材会社は問題ないと思いますが、今まで積極的に新規の求人開拓をやってこなかった人材会社はいきなり組織的な営業活動を行うのは、起動にのるまでの時間が結構かかるのではないかと思います。

新規の求人開拓は不可欠だと思いますが、2の求人に対してしっかりとしたマッチングをスピーディーに対応できれば採用企業の信頼度も上がると思います。 

<求職者側>
 求職者側は4つのパターンに分類されます。
 1.今仕事を変える予定はない
 2.いい案件があれば仕事を変えたい
 3.積極的に仕事を変えたい
 4.すぐに仕事を探す必要がある

リーマンショック時を振り返ると、4の求職者が増え1~3の求職者は減る可能性が高いです。なぜなら景況感が悪いと慣れない仕事にチャレンジするよりは、不満はあっても今の仕事があるだけありがたいという心理が発生するためです。
また、求職者の応募は増えても採用基準に満たない応募者の割合が増えるという問題にも直面します。

4の求職者を派遣できる求人があれば望ましいのですが、実際はそうもいきません。増えるエントリー求職者の対応をしつつ、採用基準を満たす求職者を獲得するというある意味矛盾した求職者獲得活動を行う必要がでてきます。(むしろ今までのように、とにかく求職者を集めるというマーケットが異常だったかもしれませんが)


【ニーズの変化に対応するには】
クライアント側、求職者側の動きを整理したところで対応策を3つにまとめました。

1.求人を増やす
2.質の高い求職者を増やす
3.質の高いマッチングを実現する

1の「求人を増やす」については、今まで組織的な営業体制がなかった派遣会社については、私の職務上 SFA/CRMを活用した営業活動のマネジメントの仕組み構築をご提案しています。
ただ、先ほども書いた通り今まであまり新規開拓営業をやってこなかった派遣会社は立ち上げに時間がかかるのではない可と思います。
派遣会社の現場側もリーマンショック時の求人不足を経験した営業担当も入れ替わっている印象があり、逆風下の営業にどれほど耐えられるかは未知数だと思います。

2の「質の高い求職者を増やす」については、集客施策をどうするかだと思いますが、人材派遣は人材紹介のような「スカウト」という手法がとれないためなかなか難しいと想定されます。
集客メッセージや求人原稿の書き方である程度改善はできると思いますが、基本的には多くのエントリーからうまくスクリーニングしていく手法を如何に効率よく行うかにかかってくると思います。

3の「質の高いマッチングを実現する」

ここは派遣会社が一番差別化できるところだと思っています。

 <質の高いマッチングに必要な要素(組織的な)>
 ・熟練したコーディネーターのマッチングスキル、センス
 ・コーディネーターのマッチングスキルの底上げ
 ・適切なマッチングに必要な情報の管理
 ・マッチング対象の可視化(情報の共有)
 ・求職者への求人へ伝え方(応募率を上げる)

ポイントは個人としてマッチングスキルが高いコーディネーターはたくさんいらっしゃいますが、組織的にとなると?がつく派遣会社は多いと思います。

まずは、
・どのような情報でマッチングをすべきなのか
・その情報はどのように残すべきなのか(メモだけではなく選択肢型とか)
・その情報は各担当が可視化できる状態をどうやってつくるのか

 という状態を定義し、実行できる環境を作る必要があります
 上記を作ることができれば、質の高いマッチングが実現できると思いますが、ここを掘り下げると さらに長くなりそうなため別の機会に書きたいと思います。

状況は国内・海外を含めて刻一刻と変化しているため上記の予想ははずれるかもしれませんが、
派遣会社のみなさまにはぜひこの苦境を乗り越えてほしいと願っています。
もし、お困りの点がありましたら、軽い相談でも構いませんのでお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?