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オランダ留学 植物飼育用のIoTキットのプロジェクト 第2章 メイカーズ スプリントとは?

 第1章からの続きです。2月からDSS(Digital Society School デジタルソサエティースクールについては第1章にて説明しています。)にて留学が始まりましたが、すぐにプロジェクトが始まるわけではありません。その前に、いくつかのグループワークに取り組みます。今回はそのなかで、特に盛り上がるグループワークの「メーカースプリント」の紹介です。

 これはコーチからの与えられる数種類のオランダ国内の課題に対して、アイデアを考え、実際に手を動かしながらそれを形にしていくグループワークです。グループワークを通して学生同士の親睦を深め、かつ制作で利用する道具や機器などの知識を身につけていきます。 

 取り組み方は4-5人でチームを組み3日間で課題に取り組みます。チーム分けでは特定の分野を専攻する人が集まらないように、チームの調整が行われます(グラフィックデザインが得意な人や工作機械の操作がわかる人、課題分析ができる人など)。

 私のチームメンバーの構成はオランダ、ドイツ、ナイジェリアと国際色が豊かでした。図は発表後の記念撮影です。

 3日間の流れは1日目にグループ分けを行い、アイデアを考えます。そして、2日目の朝から工作機械のある工房に移り朝から晩まで制作に取り組みます。

 図とヘッダーの写真は私のグループが制作した、地域ごとの自転車泥棒の頻度を可視化するインスタレーションです。アイデアの内容は、縦長のボックスの中にある黄色のプレートの数でその地域の盗難頻度を表すというアイデアです。黄色のプレートは盗難被害者のケアパックです。このケアパックの減り具合で、その場所でどれだけ自転車が盗まれたのかを一目でわかるように示します。黄色のケアパックが少ないとその地域では自転車の盗難が多いということになります。

 ケアパックの中には涙を拭くためのテッシュとチョコ、盗難防止のアドバイスがはいっています。私はこのボックスやケースの筐体デザインを担当しました。

図は社会的な人々の関わりをパズルで表すインスタレーションです。パズル一つ一つに社会に貢献するためのアドバイスが書かれています。

図は省エネのためにエレベーター利用を控えて階段を使おうという啓発のためのポスターになります。

この図では1日の中で人がどれだけの光(携帯電話の明かりなど)に晒され、それが私たちの体に与える影響を可視化したインスタレーションになっています。

 私がこの演習で良かったことはグループワークが終わった後に、メンバー同士でフィードバックを与える360度レビューの時間を設けられていたことです。このグループワークを4人で取り組んだときに、何がうまくいって、何がうまくいかなかったのかを振り返る時間です。意外とみんなズバズバ言う訳ではなく言葉を選んで言うことに驚きました。メンバーから得られた私のフィードバックは以下になります。

1.インスタレーション制作におけるアイデア出し・制作面での貢献
2.良いアイデアを持っているのだから自信を持って発表
3.もっと大きな声で、はっきりお腹から声を出すこと

 1は大学で学んだデザインの経験を活かせたこと、英語が苦手でもモノを用いて自分のアイデアを伝えることができることが分かりました。しかし、2や3が示すように議論の途中に聞き取ってもらえずに" I'm sorry "と言われて心が折れてしまい、寡黙に制作だけをしていたことに反省しています(しくじりですね)。
 チームメンバーは積極的に私の話を聞いてくれていたのに、うまく伝わらなくて不安になり消極的になるのはお互いにとって不幸です。相手に自分の考えを伝える努力をすることは大切だということに気づかせてもらったプロジェクトでした。

「メイカーズスプリント」のあとは打ち上げでオランダの名物(?)カプサロン"‎kapsalon"を食べに行きましたよ!

3章へ続く


 

 

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