猫依頼
学校からの帰り道、塀に探偵社のチラシが貼り付けられているのを見つけた。
自分ならどんな依頼をするだろうか。野良猫の行方とかかな。あの子達は普段どこにいるんだろう。そして何より野良猫の跡をつける人間が生まれる事が嬉しい。バレないように、ひっそりと、こっそりと、跡をつける。
「野良猫達の件なのですが、普段彼らはこんな所にいるようですよ」
そう言って探偵さんの懐から大量の野良猫の盗撮写真が出てくる。
「わぁ…」
私は目の前に広がる毛玉写真集を眺めながら、自分の心に溜まっていく暖色の柔らかい気持ちを大事に大事に小瓶に詰めていく。
探偵さんが、ゆっくりと口を開いた。
「成功報酬は、キャットフード4年分で、お願いします。」