ゲーム会社を辞めて2年経った感想/現状/反省/今後
そう、2年経ってしまいました…
いやあ早い…早すぎる…
ちょうど区切りですので、今年1年どうだったのか、振り返ってみます。
今年の成果
まず目に見える所での今年の成果です。
◇Million Depthを50%程度の所まで作った
本作は今年から0ベースで作り始めたものなので、1年でここまで作れたのは褒めてもいいでしょう!良いよね!?
◇Million Depthで賞を獲得
ゲームクリエイターズCAMPオリジナルゲームコンテスト GAME BBQ vol.2[デモ有り]
で、[優秀賞]を獲得しました!
これは分かりやすい成果だと思います。
きちんとゲーム性が分かる体験版まで作り上げて、それが評価され、大変嬉しいです。
◇ほぼ毎日欠かさず開発
目に見えにくい所ですが、基本的に一切開発をしなかった日は、たぶん10日未満。
ほぼ毎日なんらかの開発は行う事ができました。
単純に「欠かさず継続して開発を続けている」という所は成果として挙げても良いかなと。
Githubの草の画像貼れば良いと思ったけど、マスターブランチにマージするのがめんどうなので、想像して下さい…大草原を…
だいたい合ってます。
反省点振り返り
去年の反省点をベースに、今年を振り返ってみます。
去年の反省点として3つ挙げています。
・ダブルディレクションでの開発が上手くいかなかった
・自分の開発速度に合わせてチームの開発スケジュールを立ててはダメ
・SNSへの進捗投稿は自由にしたい
まず、これに対して今年はどうだったのかを考えてみます。
去年の反省点1について
プロジェクトにおいて、誰に最終決定権があるのかを明確にして開発を進める事が重要だと、昨年反省点として挙げています。
これに対して、今年はハッキリと私がディレクターとしてスタートし、今まで活動できました。
ただし、完全に自分の考えだけを詰め込みたいという思いだけでは、チームで開発する利点が少なくなってしまいますし、チームメンバーとしてもつまらないでしょう。
そこで、柔軟に、チーム内で出た良いアイディアは積極的に採用し、
さらに「この人にならここは丸投げしても問題ないな」と判断できた場合は思い切って丸投げすることを心がけました。
これに対する今年の評価は、90点といった所だと思います。
上手くいって、私の想像を超えるものが出来た(私一人では到達できなかった領域に達した)パートが出来上がる事もあれば、
「ここは丸投げせずに、もう少し詰めてからお願いすれば、余計な手戻りが発生しなかったな」という反省ポイントも少しはありました。
ただ、方針は間違ってないかなとは感じ、十分な手ごたえもあったので、この方法は継続して行こうと思います。
また、来年はメンバーを少し増やして活動するので、よりこの辺りの判断を間違えずに進めたいですね。
去年の反省点2について
私の超速開発速度ベースで、チームの開発スケジュールを立てると破綻する
という去年の反省点でした。
これに対して、今年は注意してスケジューリングして、試走してみて、数ヶ月後にリスケするという作戦で行きましたが、正直あまりうまくいきませんでした。
1回の試走でメンバーの開発速度を私が把握するのは困難で、それはメンバー各々の繁忙期や体調のアップダウンもあるので仕方ない事だと思います。
また、別の上手くいかなかった要因として、遅延したスケジュールを、その後挽回できることをあてにしてしまった事があります。
例を挙げると、
ある月のタスク量[100]に対して、[80]しか消化できなかった。
その次の月でタスク量[120]をこなす事で挽回できると期待するが、
実際は前の月の1.25倍頑張ったとしても、[100]にしかならず、大抵の場合それが限界なのです。(タスク量20分の遅延は挽回できず)
前の月の遅れを取り戻しつつ、その月のタスクを消化するには、1.5倍頑張らないと行けない。
これは、数字だけ見ると1.5くらい行けるのでは?と思いがちですが、
まず不可能と考えた方が良い。というのが私の結論です。
そこの考えが甘かったのが、今年の反省点。
やってみて私が考えるここでの正しい判断は、
「元々の月のタスク量を[80]に変更して、リスケする」
です。
甘いと思われるかもしれませんが、
「今月も未達だな~」とやきもきするよりもずっと私とメンバーの精神的には楽だし、その心の余裕から、別の+αの作業などにも手が回る様になります。
この辺りの塩梅を掴むのにかなり時間がかかりました。
一応フォローしておくと、そもそもタスク量を100としてスケジュールを立てた私の責任で、メンバーは皆とても良く頑張ってくれています!
簡単に言うと、私の見積りと、リスケが下手だったという事ですね。
反省!
去年の反省点3について
SNS投稿でモチベーションを上げて行きたい!宣伝、ストア対応などは自分で自分が思うやりやすく、そして効率的な方法でやりたい!
という話でした。
私は2作同時開発しています。
ミリオンデプスについては、この方法を取って、私が考える最適なタイミング!でストアページを作ったり、プレス送ったり、SNS投稿したりしました。
これは、100点だったと私は思います。
あらかじめ、
「この盛り上がる場面を先に実装して、このシーンとこのシーンでPVを作ってからストアページ作ろう」
など、戦略性を考えて情報公開ができました。
おかげて、想定を超える反響を頂きました。
取り上げて下さったメディアの皆さま、ありがとうございました。
また、SNS投稿や、イベント出展に関しても、必ずなんらかしらの目的/目標を持って実施し、それぞれ成果を得られました。
講談社パブリッシングのBirth of Magicについては、
引き続き講談社側のコントロールに任せています。
当初は、テキストベースの進捗報告だけでも行おうと続けていたのですが、色々あって、ほぼ情報を出さない方針に変えました。
また、そこに関連したポストをした所、勝手な憶測をした第三者から好き勝手言われまくるという事があり、精神的につらくなったのも方針を変えた原因の一つです。
<以下ネガティブ注意>
話が少しそれますが、Xには、ポスト内容をしっかりと理解せずに、勝手な憶測で文意を捻じ曲げて、(本人は攻撃だと思っていない)攻撃をしてくる人が、めちゃくちゃ多いです。
このnoteをここまで読んでくださっている人はもちろん大丈夫だと思いますが、長い文章だと(X程度の文章量でも)読まず(読めず)に、
「この人はこういう性格なはず」みたいな勝手な人物像を作り上げて押し付け、こちらが書いていない事に対して攻撃してくるビックリ人間がいます。
それでブロックすると「なんでブロックするの?」とか怒る。
逆になぜブロックされないと思ったのかかなり疑問です…
正直あまりうかつなことをポストできないなという思いが強くなり、最近はポスト数もガクっと少なくなりました。
<ネガティブエンド>
その他反省点
◆運動不足
昨年は遠めのカフェに通ってたりしたんですが、今年はめっきり行かなくなってしまって、これはいかん。
今後の話とか
金がない
先に質問が来そうな所に答えておくと、
真島先生、講談社から頂いた賞金(そもそも開発費じゃないです、[賞金]です)は、Birth of Magicの開発資金として使用していて、それには主に外注費(外注人件費含む)や私のBirth of Magicの開発費として消費しています。Birth of Magicの私の開発工数は約170h/月です。
外注費は、私ではできないデザインやアニメーション、またプログラムの手伝いを依頼したり、多岐に渡ります。
無駄遣いした部分は一切無く、全てこのゲームを作るのに必要だったお金だと思っています。
また、後半は自分でなんとか対応可能なアニメーションは、勉強しつつ自分で作るなど、節約もしています。
「最初から自分一人で全部やれば〜」みたいな事をいう人がいるんですが、自分で3人分の作業をするなら、作業時間は3倍かかります。3人で1年予定なら、一人だと3年以上かかりますし、その間の自分の人件費がかかるので、むしろ割高です。
(※ゲーム会社経験がある様な人だとこの辺りの感覚、1000万くらいすぐ無くなる事はわかると思うのですが、毎回SNSとかで言われ放題な事があるので↑書きました。)
そもそもミリオンデプスを作ろうと思った経緯として、Birth of Magic 一本では、開発長期化した場合に生活ができなくなるため、資金獲得のための意味をいくらか含んでいました。
(作りたいゲームを作るという思いも、もちろん有り)
そのため、1年間で作れる規模の物をと考えていたのですが、見積もりが甘かったのに加え、どんどんこの作品を面白くするアイディアが湧き出てしまったが故に、とても今年中にリリースするのは不可能な規模に膨れ上がってしまいました。
それ自体は正直失敗したとは思っていなくて、むしろリリース時の売れ行きを考えると、しっかりと面白い物を作り込んでからリリースしたいという思いは将来的により利益を得られることと確信しています。
しかしながら、来年序盤頃には開発資金が尽きる計算で、Million DepthもBirth of Magicも、まだリリースするには時間がかかりそうだという状況は事実としてあります。
スケジュールを建てた時点でこの事はわかっていた事なので、いくつか開発資金の調達に向けて動いてはいるのですが、それらがうまく行く保証はなく、全てダメだった場合は、
1. 資金提供いただけるパブリッシャーを本気で探す
2. Million Depthのクラファンをする
3 .2作の開発を一時中断(延期)し、受託の仕事を受け開発資金を稼ぐ
などの方法を考えています。
3は、リリースが延期になるので、なるべく避けたい…
Million Depthに詰め込んだ思い
Million Depthについて、インディーゲームの作り方として、良くない作り方をしていると思っています。
あくまで私の考えですが、どうしてもリソースが限られているわけですから、インディーゲームとして成功するには、特徴的な要素を1つに絞って、作り上げ、そこそこ安く(1000円〜2000円)値段設定する方法がベストなんじゃないかと思います。
例えば、特徴的なかなり尖った良いゲームシステムを売りにするなら、そこに注力して開発し、それ以外のシステムやシナリオ部分などはおまけ程度にする。
逆にシナリオを売りにするなら、それ以外のシステム部分に変に力を入れすぎない。
といったどちらかに絞る。というのが、インディーとしては大事なんじゃないかと私は思います。
(1000円〜2000円で販売していて成功しているゲームを眺めているとこの辺りは見えてくると思う)
しかし、Million Depthでは、特徴的なシステムを2,3個、さらにシナリオにも注力しようとしています。
これは、これまでずっと開発をしてきて、特徴的なシステムのゲームは十分作り上げ、さらに要素要素でこれまでの知見を活かせるゲームシステムにしたこと、そして今回はチーム開発であること
これらの事から、このやりたい事をたくさん詰め込みすぎちゃったゲームの開発も可能なのではないか?という思いからです。
企画書を書いている時も
「本当なら、このゲームの特徴欄には、1つ2つで書かなきゃいけないのにな」
とか、
「展示会のデモでは5分以内に収めないといけないのにな…」
とか、
常に、成功コースとは違う事をやっている認識がありつつ動いています…
正直かなりのチャレンジ作品だと思っています。
が、今は絶対に実現して神ゲー作ってやる!という思いが強いです。応援よろしくお願いします。
Birth of Magicどうなってんの?
情報出しコントロールは講談社にお願いしているので、開発進行状況だけ軽く書きます。
開発自体は順調に進んでいて、開発当初は色んな技術懸念がありましたが、それらも概ね実験実装をして問題ない事が確認できたかなという所です。
講談社とは隔週で打ち合わせをしていて、その都度テストプレイを行なっていますが、「この魔法は役に立たない様に見えて実はこう使うと強い」みたいな、やりこみの先にあるプレイも見えてきて、面白さを確認できつつある様な状況です。
開発期間が伸びてしまっている理由としては、
ネット対戦中心のゲームだと、極端な話、私がサーバー代を払えなくなってしまうと、ゲームとして成り立たなくなってしまい、それでは開発者の私としても悲しいです。
(ネット必須のゲームの悲しい運命ではありますが…)
そういった思いがあり、一人でもやり込める要素があるゲームにしよう(元から一人プレイ仕様はあったが、それを強めていこうという話)という思いが強まり、その部分の実装強化を行なっているからというのが理由の一つです。(他にも色んな理由があります)
来年はなんらかの形でリリース前に皆さんにも触ってもらえる機会を用意したいな。
来年の目標
色々書いてきましたが、基本的な方針としては一つ。
面白いゲームを作る事です!
「Million Depth」、「FAIRY TAIL : Birth of Magic」 両方しっかりと面白いゲームにしていくのが目標です!
来年も開発がんばるぞぃ!
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