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心の中のギャルを解放ひとり旅 in シンガポール(プロローグ)


私の心にもギャルが居る。

とうとうその事実に気が付いてしまった。その存在に気付いてしまったからには、これ以上安易に無視し続けることはできない。

地元でギャルと呼ばれていた同級生は、学生時代にはパラパラを踊り、社会人になれば大人数の飲み会でお酒を飲んで楽しんでいた。その後のカラオケで流れる歌にはラップパートがあったり愛する人のことをお前と呼ぶ歌詞が多かった。

それに引き換え私はパラパラを踊ったことはないし、同級生に誘われた飲み会ではひたすらウーロン茶を飲み、お前より君もしくはあなた派だった。彼女たちと趣味嗜好が異なることから、自分はギャルという属性ではないんだと認識していた。


ところが、である。

半年程前にNY在住kemioくんのショート動画が何故か目に留まり、何となく再生してみた。そこに映っていたのはkemioくんと愉快な仲間たち。

私は衝撃を受けた、なんだこの人たちは。なんだこの自分の人生を周りの人と共に全力で楽しんで生きている人たちは。

私が簡単に見つけて逃げてしまうありとあらゆる「出来ない理由」をすべて跳ね除け、乗り越え、それは「出来ること」だと証明しているような。私が普段意識的にも無意識的にも抑えてるものを、全て解き放っているように思える。勿論彼らには彼らの葛藤があるとは思うけれど。

kemioくんは自分たちのことを「ギャルズ」と称していた。これが、これが、ギャルなのか!!

なんだろう、このウズウズ感は。なりたい!私もギャルになりたい!というより、これこそ私が本来在りたい姿なのでは?目を覚ましなさいよって、私の心の中のギャルが叫んでいるような気がした。

初めましてなのかお久しぶりなのかも分からないけれど、私は私の中に住んでいるギャルと両手で握手をした。そうだね、共に生きようじゃないか。



この三年間、海外に行きたいと言いながらも実はパンデミック最中の海外暮らしに相当なダメージを受けていた私は、HPを回復させるのに結構な時間を要した。

あえて外国人と書くけれど、外国人としてあの不安定な時代を生きるのは相当しんどいものがあった。翌日にはルールが変わって職を失う可能性がある時期は、心配性の私の心に大きな負担がのしかかっていた。

だから国境が開いた今でも、あの時のように何の保証もないまま海外で生活をするという選択は取れないなと思っている。

しかし、やはり海外には行きたい。

実はkemioくんの動画を見始めた頃から仕事が忙しくなってきて、残業続きの日々だった。上司にも先輩にも同僚にも恵まれているけれど、自分の思うように時間を使えない忙しさに嫌気が差しているのも事実だった。

いまの私に必要なのは一区切りだ。そして刺激的な気分転換を欲している。つまり、非日常感。だからひとまず、旅行で海外に行ってみようと決めた。


行き先は、シンガポール。

どうやらkemioくんの動画に出逢う前から私のギャルスイッチは密やかに押されていたようで、昨年末から何故だかシンガポールに心惹かれていた。

普段旅行で求めるものは自然と関連するものなのに、今回私が求めているものは「派手さ」だった。漠然と、圧倒的に元気な国に行きたいという気持ちがみなぎっていた。

挑戦したい気持ちがある反面とんでもなく心配性な私にとっては、よく耳にする治安の良さという面においてもシンガポールは海外ひとり旅にぴったりだと思った。


ということで、スローペースで3泊4日のシンガポール旅行の模様をお届けしていきます。

どうぞ、私のギャルを見届けてください。

じっくり読んでいただけて、何か感じるものがあったのなら嬉しいです^^