シュトレン1年生、シュトレンとともにクリスマスへ向かう
いまのところ、神戸市内で3回以上リピートしているお気に入りのパン屋さんは2店舗です。(本当はもっとたくさんのパン屋さんを巡りたいけれどそちらの2店舗が好き過ぎて他に行けない、、、)
今年は初めてアドベントカレンダーを購入して、クリスマスまでの期間を楽しんでみようかなーと考えていた私ですが。
もっと、心がときめくあの子に、そのお気に入りのパン屋さんで出逢ってしまったのです。
ふと私の目を捉えたのは、クリスマスカラーの素朴な質感の紙で包まれた何か。ショーケースの中で、静かに存在感を放っていました。
それがおとぎ話の登場人物だったなら、あなたはだあれ?と聞かれるのをずっとひそかに待っていたような。そんなオーラを纏っているように感じられました。
その子こそが、シュトレンでした。
昨年から興味のあったシュトレン。クリスマスに向けて少しずつ切り分けて食べて、当日を迎えるまでの日々すら楽しむその習慣が素敵だなあって。
けれど昨年は迷った挙句の果てに試さないままクリスマスを迎え、そしてクリスマスは過ぎました。ドライフルーツがそんなに好きではなくて、レーズンパンとかも食べないので。だからきっと、あんまり好きじゃないかも、そう思っていて。
だけど、もう、目が合ってしまったから。目が合って、そのまま目が離せなくなるくらい、心を掴まれてしまったから。お買い上げしてしまいました。
クリスマスカラーの包み紙、その中にいるシュトレンが一体どんなスガタカタチをしているのか、この時の私はまだ知りません。
帰宅して、いざ。
そのクリスマスカラーのヴェールを剥がします。
何だ、コレは。
え、なに?これはなに??断面のイメージしか持っていなかった私は驚きを隠せません。
初対面で私が抱いた感情は、感動や感嘆ではなく、未知なるものに出逢ったことに対する興奮でした。
これが。シュトレン、なのか。
ひとまずラップを剥がして、まな板の上に乗せてみます。こんなにもまな板が似合わない食べものは初めてです。いや、まな板が似合えないのか。私が木製のカッティングボードを用意してあげるべきだったのね、きっと。
まな板からしても、こんなにも真っ白でずっしりで雪のかまくらのような物体が乗っかるのは初めてのことなので、心なしかうろたえているように見えます。本当に違和感がすごいなあ、、、
しかし、せっかくまな板の上に乗っかったので、スライスしてみます。
あれ、思ったよりサックリしてる!これはクッキーに近い!断面を見て更に驚いたけれど、これが雪だったなら雪かきしなきゃいけないくらいの分厚い粉砂糖で覆われています。
端っこのひとかけらをその場で食べてみると、やはりサクッとしていて、クッキーみたい。シナモンの風味がふわんっと広がって。
なるほど。これはおいしい!!!
普段レーズンは好んで食べない私ですが、これは好んで食べちゃうなあ。
さて。常温で3週間程度の賞味期間と言われたから、ちょうどクリスマスを目指して食べていけばいいんだな〜どうやって保存すればおいしさが長持ちするかな〜。
「シュトレン 保存方法」で、検索してみます。
すると、そこには衝撃の事実があったのです。
シュトレンは、まず真ん中で半分に切って、そこからその日食べる分だけをスライスしていく。
機械音痴なのに取扱説明書を読まず勘だけでどうにかしようとする。方向音痴なのに自分の感覚のままに進んでみようとする。そういう人間なのでね、やってしまいました。初めてのシュトレンに対して下調べをせず興奮のままに端っこからスライスした自分を悔やみました。
でもね、まだなんとかなる気がします。
気を取り直して。
こうですね!こうですよね!!
真ん中から半分にぱっかーんの図です。大きなパンを真ん中からはんぶんこなんていうのは、最高の儀式ですよ。
そして既にシュトレンのおいしさを知ってしまった私なので、ひとたびこの断面を見れば心がほくほくしてしまいます。
では。真ん中から、ひときれ。
2日目になると、サックリではなくなっていて。しっとりになっていました。昨日のシュトレンがクッキーなら、今日はパウンドケーキ。どちらにせよ、相変わらずおいしいよ。
そしてお互いの断面を合わせて、保存ですね。
あー。これは、いいですね。
クリスマスに向かって、シュトレンを食べ進めていく文化。
旅行だって、当日を指折り数えるあの日々がたまらなく楽しいけれど。クリスマスが待ち遠しいなと指折り数えるだけではなく、味わいが深くなっていくシュトレンを家族で分け合い、その変化を楽しみながら、1日1日を刻んでいく。
うーん。好きだな。そういうの大好きだ。
なんだか楽しくなってシュトレンについて調べていくと。
なんと、2018年には「HYOGOシュトレンの会」なるものが発足されたとか。日本で初めてシュトレンの指針を決めたとのことで非常に興味深い。さすがはパンのまち。(けれどSNSの更新は止まっているみたいです。)
私は今年、シュトレン一年生。初めてだから、切り方も間違えちゃったけれど。
たっぷりの粉砂糖を纏ったシュトレンの、そのおいしい変化を味わいながら。作ってくれたパン屋さんに感謝しつつ、毎日を噛みしめて。クリスマスまで、カウントダウンしていきます。
この記事が参加している募集
じっくり読んでいただけて、何か感じるものがあったのなら嬉しいです^^