らいりな

ただのカタルシス効果

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ただのカタルシス効果

マガジン

  • タイ人たる者

    タイでくたびれながら旅をしてその心情を言語化したもの。宗教とかではない。

  • 湯船の縁

    湯船のフチでのエン。

  • 互いに素

    生徒会新聞に掲載させてもらっているコラムを、 一部修正、カサ増し、偏見増しをして放ったやつ。

  • 幼抄記

    幼少期にかいた本を1文字も変えず漢字もそのまんまでただただデジタル化したやつ。

最近の記事

ちゃとらむーよろしく

チャトラムーの悪魔的美味しさを知ったのは去年の夏のこと。格安航空に足を向けて寝ることができない私は、毎度勃発する荷物制限の乱の末、チャトラムーのインスタントパック二袋と帰国した。一つは自宅用、一つは布教用。布教先に選ばれたのは、手のひらを返すことでお馴染みの人物であった。彼はどうやらゴンチャにハマっていたらしく、自身のミルクティーに対するハードルが上がっていると息巻いていた。 ここまで、チャトラムーがいかに中毒性を持っていて、衝撃的な風味を持っているかは語っているが、味につ

    • 脳が吸うのをやめれなかった

      脳が吸うのをやめられなかった 初めてチャトラムーを飲んだ友人が第一声で発した言葉である。カオサンで合流した筆者たちは、まだタイの位置関係を知らず、友人に逸材ドリンクを布教したいがために、1時間半かけて店舗を探した。季節は絶賛雨季。スコールに降られ、びしょびしょになりながらなんとか辿り着いた。 ここまで友人に無茶をさせたのに美味しい茶は無いなんていう冗談は避けなければならない。到着までの苦労のせいで、否が応でも期待値はあがる。布教師としてのプレッシャーにお腹が痛む。あぁこれ

      • その場でもう一つ買っちゃった

        その場でもう一つ買っちゃった そんなメッセージが筆者のもとに届いたのは、共にフルムーンパーティーに乗り込んだ戦友がバンコクに戻った初日であった。 「バンコク着いたらすぐ飲んで。 後から美味しさに気づいて飲む機会失ったら遅いから。」 これは筆者の布教文句である。絶対にこの言葉を言う。推しは推せるときに推せという言葉がある。非在タイチャトラムー信者が作った言葉なのでは?と疑うほどには言い得て妙な言い回しである。一度飲んでしまったなら、美味しさに気がついてしまったなら、滞在期

        • はじめに

          タイ王国。東南アジアを牽引する経済都市であり、穏やかで優しいその国民性から、微笑みの国とも呼ばれる。 タイ語が可愛いという理由でタイに興味を持った筆者であるが、一度訪れてしまえば抜けることのできない魅力に感化され、その没頭ぶりは今こうして布教誌を綴っていることに証明されている。 もちろん筆者の拙い言葉で完璧に伝わる魅力とは思わないし、タイ愛好者の想いを背負って語るには経験不足である。それらを重々に理解した上で、それでも何もせずにはいられずにペンを走らせたこの奇行をどうか許

        ちゃとらむーよろしく

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        • タイ人たる者
          4本
        • 湯船の縁
          9本
        • 互いに素
          4本
        • 幼抄記
          1本

        記事

          ベストオブ薄着〜竹瓦温泉〜

          温泉まつり期間中に42.195湯回る競技、フロマラソンの1湯目に、別府で1番歴史のある竹瓦温泉を選んだ。作戦としては、別府温泉エリアの中心であるここから近場を手分けして入っていこうというものだ。湯部の活動として、特別に湯部員みんなで42.195湯回るというルールを設けてもらっていたので、4人のメンバーで挑んだ。 暖簾を潜ると、地元のおばちゃんと、”見るからにフロマラソンランナー”が入り混じっていた。参加する際に、88と書かれた風呂桶が配布される。どこに行くにもそれを持っ

          ベストオブ薄着〜竹瓦温泉〜

          Quick JAPON〜柴石温泉〜

          ここでは、Quick JAPONに掲載されたらいすぼーるりなインタビュー記事「手が届きそうな未来」の中から温泉愛が止まらないシーンを永久保存版として抜粋して紹介しています。 ー大分ライブをした際には温泉に行ったとききました。その様子がインスタにアップされるとファンの間で一緒の湯に漬かろうと特定が始まりましたよね。今はもう時効だと思うので訊きたいのですが、結局どこだったんですか? らい)はは、隠すつもりもなかったですよ、柴石温泉です!割と山の奥にあります!別府八湯の

          Quick JAPON〜柴石温泉〜

          バスタブのタブー〜野上本館〜

          最高気温は7度の日だった。暖冬にも程があり、我が校恒例のスキー研修も、雪が積もらないからという理由で異例の取り消しが発表された中での、突然の寒威だった。 今風に綺麗で、かつ、荘厳な重々しさも持つ入り口から、受付に入る。 女子風呂準備できてるか確認してきて フロントからスタッフへの伝言で、1番風呂かつ貸切なことを悟る。脱衣所を開けると、もちろん1人である。浴室に足を踏み入れると石の床がとても冷たい。1番風呂にはこんな欠点もある。急いでケロリンを手に取り、掛け湯を1.

          バスタブのタブー〜野上本館〜

          カミハルマエ・ロマエ〜上原温泉〜

          男湯と女湯の入り口はもちろん別である。でも番台の場所が同じである。もうわけがわからない。入り口を分ける意味があるのだろうか。脱衣所が繋がっている、というと正しくはないが、脱衣所が男女別、というのも正しくはない。女性ロッカーの1番出口側を使うと余裕で男側に見えてしまうということに気が付いたのは、入浴を終えて着替えている時だった。 あんたな、あんたな、 そこな、こっちきよえ。見えるで。 驚く前に笑ってしまったのが実際である。脱衣所分ける意味ある?と。これが東京03だっ

          カミハルマエ・ロマエ〜上原温泉〜

          趣すたぢを〜割烹旅館関屋〜

          14:00からの営業のところを14:03に訪問した。めちゃくちゃ張り切って来たように見えたのだろう、チャキチャキした女将さんから、どちらから来られたんですか?と訊かれた。 別府です。学校帰りに来ました。 そう伝えると、私へのイメージは、〔温泉を訪れるイニシアチブな旅行客〕から〔温泉道を歩む高校生〕にチェンジしたようで、 スタンプそこにありますから、押してくださいね と温泉道に導かれた。 ここはナトリウム系のとろみのある温泉ですからね、綺麗になりますし、今日

          趣すたぢを〜割烹旅館関屋〜

          心臓漬けるな令〜海門寺温泉〜

          別府の温泉には多い形態であるのだが、ここはぬる湯とあつ湯の2つに分かれている。一旦ぬる湯を経由したあとあつ湯に入ったら、ぬる湯につかっているおばちゃん3人からびっくりするような雰囲気を感じ取り、というのも、風呂の中は真っ白と言っていいほど湯気が立ち込めているのに加え、奇跡の裸眼(裸眼で生きていけることが奇跡)、と言われるほど視力の悪い私からは顔や表情は受け取れなかったという状況だったからである。が、とりあえず数秒間はびっくりされた。 あーー、あちくないーーん?! 経験論だ

          心臓漬けるな令〜海門寺温泉〜

          YOUは何しに温泉へ〜春日温泉〜

          自転車を漕ぐ分には肌寒いかもしれない。だけど帰りには上着が邪魔になるかもしれない。そんな日差しの強いAM11:00だった。 共同温泉を回る時は、ココって、ソトモンのワタシが行ってもダイジョウブなとこやっけ、と不安になる。組合員しか入湯できない温泉だったら、チャリを温泉の前に駐めてその事実を確認しにいくことすら躊躇われる。誰かの家のように佇んでいる春日温泉の番台に、温泉道のスタンプが置いてあることを、チャリからは降りずに必死に目を細めて確認した。荷物カゴの中の洗面器とシャ

          YOUは何しに温泉へ〜春日温泉〜

          The very ocean view 〜ホテルニューツルタ〜

          めっちゃええやん。 裸でドアを開けるやいなや、ふと、背伸びしたような関西弁(お笑いをする非関西人にとって関西弁は大人なイメージがあるのだ)が溢れた。脱衣所のロッカーが2つ使われていることを確認していたので、中に人がいることはわかっていたが、声を漏らしてしまった。幸運にも、1人は露天風呂へ、1人はサウナへ入っていたので、勝手に成人式を挙げた私の言葉遣いは独り言で終わった。 オーシャンビューだとは知っていた。だけれども、まさか、こんなに、まさに、オーシャンビューだとは思わ

          The very ocean view 〜ホテルニューツルタ〜

          妙大声〜松原温泉〜

          正月は無料開放していると聞いて初日の出を拝んだあとそのまま松原へ向かった。高校1年生が、1人で、1月1日に、温泉へ行くなんていとをかしではないか。そんな自惚れたことを考えていたので置かれている状況下が1ゾロ目とは気付く由もなかった。 少しだけ開いているドアの隙間に手を入れると、指の先だけが湿気に包まれる。無料開放、といえどなんか申し訳なく、とりあえずカバンから財布を出してみる。無性に不安になっていた時に、後ろのドアが開いて、おじちゃんが入ってきた。おじちゃんが私にお辞儀を

          妙大声〜松原温泉〜

          キモinく酢はおさわがせ!(小4)

          りなとひろきが生み出した、キモinく酢。見た目はちょっとキモいが、キモinく酢のよさをしると、かわいく見えてしまう、不思ぎなヤツだ!そんなキモinく酢が、町でおさわがせ!なじけんを起こした。キモinく酢は、まだ、少ししか、日本語(地球語)を話せない。ゆういつわかるのは、りなとひろきと、りなの妹のなっちゃんだけなのだ。 キモinく酢は、ご近所では知られているが、町中にいったことがなく、あまり知られていない。キモinく酢は、お金を知らない。キモinく酢は町中の大通りの商店がい

          キモinく酢はおさわがせ!(小4)

          マッシュららら

          とある普通コースの男子に絡まれた。色々あって、ちょっと仲良くなった。色々。その瞬間その瞬間はかけがえなくて1つ1つ説明したいのに、ここで説明しようと思うと結局「色々」という2文字で済んでしまうのは、なんだかなあと思う。バイキングに行った時、どのおかずも美味しくて感動していても、後から「何食べた?」と聞かれたら「色々」と言ってしまうのが嫌だから、バイキングは嫌いだ。 だいぶスパンがあいて久しぶりに奴を見た。めっちゃマッシュだった。マッシュルームもマッシュヘアも私には良さが

          マッシュららら

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          まずお詫びをする。初回の互いに素の説明において、数学者に怒られた。1以外の、という4文字がなかっただけであんなに怒られるとは。調べたのにな、と思いながら下書きを見てみると1以外の、ときちんと書いてあった。いつもこうだ。テストは、解いているところに-4と出ているのに、4と解答欄に書いてしまう。答えは出ているのに㎝をつけ忘れてしまう。高校入試で3点問題だったπを付け忘れて、自分より3点上の人が合格したことだってある。気を付けないと。先月のタピオカと同様、高校落ちても思い直さなかっ

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