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Oh,no! 人生最悪の一日! 「コーヒーをめぐる冒険」

2012年製作のドイツ映画。タイトルがユニークで、好奇心を刺激された。私的には大ヒット! 大都会ベルリンを白黒で撮っているのがシャープで、すっごくオシャレ。

大学を中退し、2年間も「何しようかな・・・」と、何となく、気ままに暮らしている若者ニコ・フィッシャー。
それは何とツイてない一日だったろう。免許証は戻ってこないし、学校をやめたことが父親にバレて仕送りを止められるし、カフェに行ったらコーヒーマシンが壊れている。本人にとっては不運続きの悲劇だが、はたから見ると喜劇。
やっと見つけたバーに、コーヒーはなかった。老人客が語りだした、子供時代(第二次世界大戦中)の苦い思い出。外に出たとたん倒れた老人を放っておけず、病院の廊下で朝を迎えるニコ。自販機のコーヒーは故障中。

ニコ(トム・シーリンク)


この24時間は彼をどう変えたのだろうか。ニコが優しい人柄であることは、面倒な隣人への対応や、友人とのやりとり、初対面の老婦人に対する態度でわかる。相手の言うことをじっと聞いてあげる優しさは貴重だ。今は何者でもないニコ。父親のような、金と地位を手に入れることで人間の価値が決まると思っているような人間にはなってほしくないし、ならないだろう。とりあえず、生活費を得るために働かなければならなくなったけれど、様々な経験を積んで、自己形成の旅を続けていってほしい。

主演のトム・シーリンクはドイツ映画界のホープの一人。「或る画家の数奇な運命」でも素晴らしかったし、今後が楽しみ!
この映画がデビュー作のヤン・オーレ・ゲルスター監督の巧みなセンス・オブ・ヒューモアに拍手! この作品で、ドイツ・アカデミー賞を監督・脚本など6部門受賞した。 新作「ラーラ」をぜひ観たい。

ニコと年上の友人マッツェ


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