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「アナと雪の女王」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート9】

映画「アナと雪の女王」で、エルサはアナから一緒にアレンデールへ帰ろうという要求を否定します。そして、エルサはアレンデールが彼女のせいで雪に埋もれていることをアナから聞かされます。

エルサ: Anna, please go back home. Your life awaits. Go enjoy the sun and open up the gates. (お願い、帰って。あなたのためよ。太陽の下で城門を開くのよ)

アナ: Yeah, but... (でも)

エルサ: I know! You mean well, but leave me be. Yes, I'm alone, but I'm alone and free. Just stay away and you'll be safe from me. (黙って。優しいのね。でも独りにして。たとえ孤独でも私は自由だわ。私から離れて。そうすれば安全よ)

アナ: Actually, we're not. (違うの)

エルサ: What do you mean you're not? (何が?)

アナ: I get the feeling you don't know? (知らないのね)

エルサ: What do I not know? (一体何を?)

アナ: Arendelle's in deep, deep, deep, deep... snow. (アンデールは深い雪に埋もれている)

エルサ: What?

アナ: You kind of set off an eternal winter...everywhere. (お姉さまが全土を永遠の雪で閉ざしたの)

エルサ: Everywhere? (全土を?)

アナ: Oh, it's okay. You can just unfreeze it. (冬を溶かして)

映画「アナと雪の女王」

You mean well,「優しいのね」

簡単な表現ですが、なかなか使えない英語ではないでしょうか。でも応用がいろいろ効くため覚えておく価値のある英語表現だと思います。

直訳は「あなたは上手く意味する」で何のことかわかりません。字幕の「優しいのね」も意訳すぎてわかりにくいですね。ある意味、英語らしすぎて意味がピンと来ない典型的な英語かもしれません。

これは、「あなたの言動が、良い (well) 意思から出たことを意味している」という意味になり、そこから「善かれと思ってする」「善意で行う」という意味が出てきます。

すなわち、結果ではなく、悪意がないことを表す表現です。こう考えると字幕の「優しいのね」は悪気のなさをよく表しているのではないでしょうか。

「悪気がない」というのは、You mean well. だけでなく、You mean no harm. も使われます。

harm は「危害、痛手」という意味で、「言動が危害や痛手 (harm) を加えるためではない」=「悪気がない」となります。

反対に「悪気がある」は You mean ill. や You mean badly. と言います。(You mean bad. とは言わないので注意が必要です)

考え方は You mean well. と同じで、「あなたの言動が、悪い(ill、badly) 意思から出たことを意味している」=「悪気がある」です。

I mean business.” という言い回しがあります。上の mean を使った表現と同じように考えると、「私の言動はビジネス(仕事)から出たことを意味している」となります。

仕事というのは遊びの反対と考えることができるので、「真面目な行為」ととらえます。そこから、「私は真剣なのです」という意味が出てきます。

「私は真剣だ」は、I’m serious. と訳すのが一般的だと思うのですが、I mean business. との違いは、I’m seious. は冗談を言っていないという一般的な表現なのに対して、I mean business. は、次の例のようにより権威を相手に示し、もし従わなければ悪い結果が伴うというニュアンスが含まれます。

If you keep breaking the rules, you’ll be in trouble. I mean business.
(もしルールを破り続けるなら、面倒なことになるぞ。マジだからな)

もちろん、ゆっくりと一語一語噛み締めるように “I AM SERIOUS.” と言っても相手への威厳が伝わりますが、この I mean business. もプラスαの表現として覚えておきたいですね。

I get the feeling you don't know?「知らないのね」

この I get the feeling (that) ... もよく使われる表現です。直訳は「あなたは知らないという感じを私は持っている」で、「…という感じがする」という意味になります。

相手の表現や言動などを観察して、相手がどう思っているかなどを推測する時に使います。ですから、客観的な事実に基づいていなくてもよく、「〇〇じゃないかな」と推測しているのです。

この「アナと雪の女王」のアナのセリフ “I get the feeling that you don’t know.” でも、アナは、エルサと会って対話する中で「もしかしたらエルサの魔法によってアンデールが雪で覆われているのを知らないんじゃないか・・・」と勘づいたので I get the feeling ... と言ったのです。

なんとなく今日は忙しい一日になるんじゃないかと感じたことがあると思いますが、そんな時に I get the feeling ... が使えます。

“I get the feeling we’re going to have a busy day today.”

③ You can just unfreeze it.「冬を溶かして」

unimportant (重要でない) など接頭語 un は否定を表すのはご存知の方も多いと思いますが、unfreeze は聞き慣れない言葉ではないでしょうか?

でも freezeは「凍らせる」なので、そこに un がついて「凍らせない」「解凍する」という意味になるのは辞書を引かなくてもわかるのではと思います。

こんな単語に出会った時、接頭語や接尾語の大切さを感じてしまいます。

この unfreeze は馴染みのない言葉だったのですが、その理由がわかりました。「解凍する」は defrost が一般的だからです。defrost は知っていましたので、unfreeze? と一瞬戸惑ってしまったのです。

defrost も de (否定) + frost (霜や氷で覆う)なので、そこから「解凍する」という意味になります。

両方とも「解凍する」ですが、unfreeze は “We decided to unfreeze that transaction.「我々はその取引を凍結解除することに決めた」と比喩的に使うこともできます。

I get the feeling good things will happen today...  I’m excited about that.

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