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ボタニカル・アート展を観てきました①🌿

先日、西宮市大谷記念美術館へと足を運んで
「おいしいボタニカル・アート」展を観てきました。



植物(野菜や果物など🌽🍎農作物が中心でした)の形態が
こと細かに描かれた植物画がお目当てだったのですが、

副題が「食を彩る植物のものがたり」ということで、
おいしい「食」にまつわる絵画や道具も展示されていて
幅広い視点から鑑賞のできる、見応えのある内容でした。

英国キュー王立植物園が特別協力をしており
そちらに収蔵されている植物画をはじめ、
英国にちなんだ食文化・歴史についても触れながら
全6章にわたって企画・構成がされていました。


そんな盛りだくさんな展示の内容を振り返りながら、
印象に残ったことであったり
感じること、想うことを
文字に起こしながら確かめていきたいと思います☺︎



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導入では18世紀〜20世紀のイギリスの農村の風景や、
農民の暮らしが伺えるような絵画や道具が展示されていました。
牛や馬と共にある農作業の様子や、農具の手入れをする農民、
収穫した農作物を市場へ売り出しに出ている人々などが描かれていましたが、

そうした風景、営みがあった現場を
時と場を超えて目の当たりにしているかのように
感じさせてくれる・伝えてくれる力がそこに宿っていて、
(美術館・額縁・キャンバスの中でつながって)

農業に対する評価や農民たちの誇りを高めるような
依頼人や画家の熱烈なまなざしが向けられていることも、
歴史的な背景から、画面から、伝わってきました。

幾重にも重ねられた、シュッシュッと力強く端的な線は
賛美の心や畏敬の念にも通じる息づかいを感じさせます。


人が見て、人が感受したままの(なまの)ものを
再現する・再体験していく過程では、
五感に通じる扉をいくつもくぐり抜けながら
そこに至っているのかもしれませんね🚪


ーーー

第1章では様々な作物の細密画が。
タマネギやビーツ、キャベツなどの野菜の
根、葉、花、実が同じ画面上に並んで描かれていて
一枚でその植物の一生が見渡せるようになっていました。

それぞれの形態は横一列に配置されて、
伸びやかな葉、どっしりとした果実、
複雑に枝分かれした根に
ちょこちょこと描き連ねられたおしべやめしべなど
色・形・大きさのコントラストがおもしろくて、
植物画ならではの構成を楽しみながら
画面を通してその植物の魅力を味わいました。


主に版を作り、刷ってから水彩で着色していたようで
印刷に使われる資材も、技法もさまざまでした。
銅版や石版を使用…などと詳しい解説がところどころに。

輪郭や陰影、繊維までもがこと細かに線で表されていて
その野菜そのもの・まるごとを掴んで留めようとする
真摯なまなざしが画面越しに伝わってきます。
余計な要素を削いで収められた絵からは、
凛としていてピンと張りのある均整が感じられます。

真に迫るような迫力がありつつも、
ほの温かく肌に馴染むような印象を受けるのは
生きているもののエネルギーによるものかもしれません。


ーーー

第2章はイギリスにゆかりのある?果物たち。
上流階級の人々の食事会でデザートとして振る舞われる果物を
ハウスで栽培していたとか、そうした背景があったようです。
(あまりはっきりとは憶えていないです…)

リンゴの絵がずらっと、10点ほど並んでいました。
同じ人物によって色々な品種が描かれていて、
技法やタッチは同じですが描かれ方にバリエーションが見られます。
ちなみに技法は、点描(版に彫る)の散密具合によって
陰影をつけているようなのですが、
細かすぎて肉眼では点を目視できません…汗

でもだからこそ、目では捉えきれない(知覚できていない?)
肉感・質量感が出ているのかなあと感じられて、
表面的な色のちがいだけでは出せない密度があるのかなあと
そんな風にも感じられています。

ぎっしりと凝縮された何かがあると思うと…
目を凝らして眺めていたくなります笑


リンゴは1つだったり、2つだったり、
枝に生っている様子が描かれていますが、
続けて見ることでその生り方の微妙な差異に
(リンゴが枝に生っている、以外の情報
枝・葉・実のそれぞれの位置関係の具合など)
自然と目が向けられるようになっていたと思います。
葉の枚数や向き、枝ぶりも個性を放ちながら
お互いの存在を示し合っているように見えます。

同時に、1つ見るだけでは気づかなかったかもしれないような
細かい特徴や共通点も浮かび上がって見えてきて、
リンゴのギザギザの葉っぱ、枝にぶら下がるリンゴの重み
など本質的な(法則的な?)部分に自ずとフォーカスしていました。



たくさんのリンゴを目にしたからか、
美術館からの帰り道でもリンゴに出会いました🍏

どこからきたの?


今思うと、町なかにリンゴ??なのですが…
ちょっとした、嬉しいサプライズでした*



ーーー

長くなりそうなので今回はここまでに、
続きはまた次回へと託すことにします☺︎

気づけば小レポート並みの容量に…

どうやら言葉にして話したいという
意欲が爆発したみたいです笑

いろいろ溜まりやすいのは
この時季の営みそのもののようなので、
いろいろな角度から発散できれば
心身の負担は和らぎそうです。
(受けとめてくださる場に…
皆さまに、感謝です。)

言葉では伝わらない
言葉にしないと伝わらない
その2つを対立させるのではなくて、
手段はなんでもよいことを思い出して

言葉の代謝も身体の代謝も上げながら、
いのちの代謝こそを高めていきたいと思います*


お読みくださりありがとうございます。




「ほっ」と心温まるサポートも嬉しいです♪お読みくださりありがとうございます☺︎