ポプラ社通信
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【後編】石巻市子どもセンター「らいつ」館長・NPO法人ベビースマイル石巻代表理事 荒木裕美さん~尊い命をともに育む「あったかい地域」のつながり~
前編ではらいつの施設運営のあり方を中心にお話をうかがいましたが、後編は館長である荒木さんご自身のことにも話題を広げていきました。 荒木さんはらいつを指定管理するコンソーシアムの構成団体のひとつ、NPO法人「ベビースマイル石巻」の代表理事として、妊娠期から未就学児までの親子の支援に尽力されています。 大切にしているのはコミュニティの力。ご自身も、仙台市から結婚を機に移り住んだ石巻での妊娠・子育てに孤独感を感じていた時に、親同士のつながりによって救われた経験があるそう。そして、た
【前編】石巻市子どもセンター「らいつ」館長・NPO法人ベビースマイル石巻代表理事 荒木裕美さん~子どもの可能性を信じれば地域が手を取り合う~
今回は私のふるさとである宮城県石巻市の児童館、石巻市子どもセンター「らいつ」を訪れました。 ご存じの通り、石巻市は2011年3月11日の東日本大震災における最大被災地となった地域。らいつは、国際子ども支援団体のセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)による被災地支援の一環で整備された市内唯一の児童館です。 一般的な児童館と大きく異なるのは、小学校から中高校生世代の利用者たち自身が地域と連携しながら主体的な施設運営を行っているところ。「子どもの権利(right)」と「未来の光
【後編】株式会社オガール・岡崎正信さん、紫波町図書館・藤尾智子さん、手塚美希さん~「好き」で輝く大人の姿が最良の教科書~
岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」と、その一環で設立された図書館について、前編では現在に至るまでの経緯を中心におうかがいしました。 そこには公共の文化施設を維持し得る経済システムの構築と、行政が民間視点を活かすことについての重大な示唆が含まれていましたが、私が「学び」の場としての紫波町に関心を惹かれるのには、実はもう一つ大きな理由があるのです。 それはつまるところ「出会い」や「ふれあい」といった言葉に集約されるコミュニケーションの場所として活発に機能していること。後編では
【前編】株式会社オガール・岡崎正信さん、紫波町図書館・藤尾智子さん、手塚美希さん~民間主導の循環型経済で実現する学びの持続可能化~
岩手県のほぼ中央に位置する紫波町。このまちは、「オガールプロジェクト」と名付けられた公民連携事業による町有地開発を行い、定住・交流人口の増加や地域内の経済循環を実現したことで、まちづくりの成功例として広く知られています。 開発エリア内は統一感ある景観が広がり、芝生広場を挟むようにして文化・産業・スポーツなどの各種公共施設やテナント店舗、分譲住宅地などが整備されています。そんな中でも、独自の取り組みでコミュニティを育むと同時に「稼ぐ公共施設」の役割も果たしている紫波町図書館は、