あなたの推しの猫本、教えて! ブックトーク@ポプラ社オンライン猫会
■ポプラ社の猫好き社員が愛してやまない、猫本9選!
猫の日に向けて、ポプラ社では猫好き社員による「オンライン猫会」を開催! 一人一冊、猫にまつわる本を紹介するブックトークを行いました。本と猫が大好きな私たちが、その魅力を一気にみなさまにお届けします。
1.どこを読んでも共感!何度も読み返したくなる
『今日も一日きみを見てた』
『今日も一日きみを見てた』 角田光代/角川文庫
推薦者 こどもの学び研究所/広報CSR部・松田
超名猫エッセイで読んでいる方も多いかと思います。(読んでまーすの声!)西原理恵子さんのおうちから貰ってきた、トトちゃんという猫と、角田さんが出会ってから一年くらいのお話なのかな…。ところどころ手書きの文字や、ご自身で撮影されたお写真が入っていて、トトちゃんのいる情景が思い浮かびます。どの場面を読んでも、わかるわかる!と共感して、何度も読み返したくなるエッセイです。
2.最強の猫又力士。モデルは千代の富士!?
『どっせい!ねこまたずもう』
「どっせい!ねこまたずもう」 石黒 亜矢子/ポプラ社
推薦者 一般書事業局 企画編集部/一般書営業部・辻
児童書編集部にいたころに、最後に担当した一冊。石黒さんのTwitterで、相撲がお好きだということを知って、「相撲と猫とか、相撲と妖怪とか、めっちゃいいなあ!」と思い依頼したら、「いいですね、やりましょう!」とお返事をいただきました。
当時は「僕のセンスが石黒さんの琴線に触れた!」と、正直思ってたんですけど(笑)後々聞いたら、猫が相撲を取る絵本を、ずっと前から作りたいと思っていたそうで…。(一同くすくす笑い)たまたま僕がそれを依頼したという、超絶ラッキーな本ということが後々わかりました。迫力と、ユーモアと、石黒さんの良さのすべてが詰まった絵本だと思っています!
3.猫にとって、本当の幸せってなんだろう
『猫なんかよんでもこない。』
『猫なんかよんでもこない。』 杉作/実業之日本社
推薦者 児童書事業局 児童書営業企画部・神代
前の会社にいたときに、営業を担当したこともあり、思い入れのある本です。元プロボクサーの漫画家、杉作さんの体験がそのまま漫画になっていて、クロとチン子という二匹の猫を拾ってくるところから、物語がスタートします。杉作さんって、すごく昭和な猫の飼い方をするんですよ。普通に外ネコで、家の外に出しちゃったりとか、今見ると「おいおいこんな飼い方するのかよ」って突っ込みどころがいっぱいあります。でも、じっくり読んでいくと、「猫にとって、本当の幸せってなんだろう」ということが、よくわかる気がします…。涙なしでは読めない一冊です。
4.猫ってどんな生き物? 私の興味に応えてくれた
『ねこのネコカブリ小学校』
『ねこのネコカブリ小学校』 三田村 信行、佐々木 マキ/PHP研究所
推薦者 児童書事業局 児童編集第二部・小林
私が小学校の頃に夢中になって読んだ本です。猫が擬人化された登場人物たちによる、寓話的なお話がたくさん入っています。主人公はこの校長先生なんですが、ときどき猫っぽいしぐさをするんですよ。慌てたときに顔を洗ったりとか、「急いでいかなきゃ!」って校長室の窓から校庭に飛び降りたりとか…。当時、猫って、存在は知っているけど、どんな生き物なのかよく分かっていなくて。ああ、そうか、猫っていうのは、手で顔を洗うんだ、高いところから飛び降りても大丈夫なんだ、と知るきっかけになりました。
お互いを好いている猫の先生同士が、毛並みやしっぽを誉めあう場面もお気に入りです。動物同士なので、「目が大きい」「背が高い」というような人間の美形をしめすようなものになっていない…というのが三田村さんの狙いだったかどうかはともかく、動物を擬人化してお話にする、ということの良さを改めて感じます。
5.ちょっといいことが書いてある「猫の飼い方絵本」
『如何养好一只猫』
『如何养好一只猫』 海伦·皮尔斯、凯特·萨顿/新星出版社(中国)
推薦者 北京蒲蒲蘭・江崎
紹介したいのは『いかに猫を飼うか』って絵本です。この本いいなあって思うのは、限られたページの中で、本当に大事なことが書いてあるところ。しつけの仕方とか、遊びの仕方とか…。(本をめくりながら)あ、これとか好きです、寝床のページ。段ボールを切って、中にセーターが置いてあるだけとか。まあでも実際、こういうので十分っていうか、こういうののほうが寝たりするんですよね。(笑)
最近の猫の飼い方の本とかって、すごいしっかりしてるじゃないですか。200pくらいあってオールカラーで、やらなきゃいけないことが、うわーって書いてあって。大事だとは思うけど、なんかその通り飼っていてもあんまり楽しくないんですよね。こういう絵本を読んだりすると、気楽に楽しく、猫を飼えると思います。
6.どうしてこんなこと思いついたんすか!
『ごろごろにゃーん』
『ごろごろにゃーん』 長 新太/福音館書店
推薦者 児童書事業局 児童編集第二部・勝屋
ぼくはこれですね、みんな大好き!「ごろごろにゃーん」です。(一同笑)一応内容をご説明しますと、魚型の飛行機に猫が乗り込んでいく…。次の見開きで、飛行機が飛び立ちます。あとはもう10見開きくらい、「ごろごろ にゃーん ごろごろにゃーん と、 ひこうきは とんでいきます」の繰り返し。最後は「ただいまー」と終わるだけのお話です。
飛行機が色々な所へ飛んで行って、様々な冒険をするというストーリーが、テキストで語られないにもかかわらず、絵の変化でとてもよく伝わります。なおかつ、リズムがものすごい良い! 長新太さんが作と絵を手掛けたからこそ、出来た作品なんじゃないかなあと思います。「どうしてこんなこと思いついたんすか!」「どうしちゃったんですか!」みたいな…そんな気持ちになります。(笑)絵本は、わけわからないくらいがちょうどいいかな、と思い選ばせていただきました。
7.クールそうに見えて、実は…
『ぼくはいしころ』
『ぼくはいしころ』 坂本千明/岩崎書店
推薦者 一般書事業局 一般書営業部・宮澤
あんまり猫の絵本に明るくないものですから、本屋さんで、猫の絵本を読み漁ってきました。「ぼくはいしころ」を選んだ理由は…単純にモデルになっている猫が好みだったから。(笑)大きい画面で見る紙版画の絵が、迫力があって、いいなあと思いました。ぼくは周りからも注目されない、いしころみたいなものだ、と思っている主人公の野良猫が、拾われて、自分の感情を徐々に出していく過程が描かれています。
野良猫って「あたし好きに生きてるのよ」みたいな、斜に構えていたり、知的なイメージが強いと思います。でも、実は飼い猫みたいに感情を表に出してみたいな、と思っているんじゃないのかな…。クールそうに見えて、内心思うところがあるっていうのが、愛らしいなあと思いました。
8.「ニャゴ ニャゴ ニャゴ ニャゴ」がたまらない!
『11ぴきのねこ』
『11ぴきのねこ』 馬場のぼる/こぐま社
推薦者 児童書事業局 児童編集第二部・宮尾
私のおすすめは、これもみんな大好き!の「11ぴきのねこ」です。(一同笑)とにかく、11ぴきのねこたちが、「ニャゴ ニャゴ ニャゴ ニャゴ」いうところが大好きです。猫を飼っていなかった、子どものころから鳴き声がすごく可愛いと思っていて…。
今飼っているロシアンブルーの女の子は、近寄ってくるのに、だっこするとめちゃくちゃ怒るとか、わがままで手に負えないんです。でも、そこが可愛い…! そんな、猫のつかみどころのない魅力が、この絵本の中では素敵に描かれています。
9.かわいいが、ぎゅっと詰まっている本
『こねこのビスケット』
『こねこのビスケット』 網中 いづる、 野中 柊 /ポプラ社
推薦者 児童書事業局 児童編集第一部・小櫻
手前味噌ですが、私の編集した絵本「こねこのビスケット」を紹介させてください。心に刺さる、野中さんの詩的な文章。そして、網中さんの絵がとっても素敵! 猫が可愛いのはもちろん、この中に出てくる女の子にわたしはなりたい、この家に住みたい、ここに暮らしてみたい…! そんな思いが止まらなくなる、かわいいが、ぎゅっと詰まっている本です。
・・・