【特別企画】5月病を吹き飛ばせ!元気が出て笑える編集者おすすめの1冊
連休の疲れが出やすいこの時期。なんだか元気ややる気が出ないな〜という状態を、「5月病」なんて呼びますよね。今日はそんな5月病を吹き飛ばすような、元気が出る本・笑える本をご紹介します! あなたにぴったりの1冊が見つかりますように。
***上野萌のオススメする1冊***
スカッと爽快!で 5月病を吹き飛ばせ!
『ねずみくんといたずらビムくん』
(なかえよしを/作 上野紀子/絵)
ロングセラー「ねずみくんの絵本」シリーズに、突如現れた新キャラクター、ビムくん。「作者に頼まれたから、しょうがなく出てやったんだ」とうそぶくビムくんのいたずらは、とにかくはちゃめちゃ!
画面の中を自由に動き回って、ライオンさんの髪の毛をむすんだり、パンダさんの顔にらくがきしたり、なんとうさぎさんの耳も結んじゃったり!
とにかく、目が離せないいたずらっこです。
でもそこで黙っていないのが、ねずみくんのガールフレンド・ねみちゃん。
ビムくんにいたずらされた細長いリボンをつかって、考えたことは?!
オチはぜひ絵本にて…… ねみちゃんの賢いいたずら返しで「スカッと」を体験してください!
ラストシーンでのぼやきも、さすがなビムくんです。
***富山なつきのオススメする1冊***
こんなにめちゃくちゃなケーキ作りも、たのしいね!
『アナ!アナ! チョコケーキをつくる』
(ドミニク・ローク/作 アレクシ・ドルマル/絵
石津 ちひろ/訳)
表紙からお分かりいただけるかもしれませんが、チョコケーキを作ろうとしてしっちゃかめっちゃかになってしまうお話です!
登場するのは元気な女の子・アナと、そのお友達のぬいぐるみ。どの子もキュートな見た目と強烈なパーソナリティーを兼ね備えています。
アナのぬいぐるみ達。どの子も話すことが出来ます。
おなかが空いてしまったペギーのために、みんなでチョコケーキを作ることになったアナ達。最初は順調に進んでいたのですが、おっちょこちょいなもじゃもじゃがボウルをひっくり返してしまったことで、部屋中が大変なことになってしまいます。
アナが怒ったり、ぬいぐるみ達がケンカを始めたりと、どんどん事態が悪化していくのですが、そこに美しいチョコケーキを持ったたころろんが登場。自分一人でチョコケーキをつくったと言うのです。どうやってつくったのか気になるアナ達は、こっそりころろんの後をつけますが……。
「チョコケーキをつくる」というタイトルでありながら、全然上手に作れないアナ達がおかしくもあり、可愛らしくもあり、すっかりこの話の世界に引き込まれてしまいます。また、会話形式でストーリーが展開していくのもこの本の特色のひとつ。キャラクターのセリフから個性がはっきりと出ているので、この本をお芝居でつかっているという小学校もあるそうです。
元気なアナ達の姿から、自分も元気をもらえる1冊です。
***小堺加奈子のオススメする1冊***
どんな相手も どすこーい! 痛快な「はりて絵本」
『はっけよーい』
(ケロポンズ/作 いぬんこ/絵)
気分はどんより曇り空。そんな時は”はりて絵本”で”最強力士”になっちゃいましょう! 絵本『はっけよーい』は、どんな相手も「えーーーい!」と投げ飛ばしてスカッとする参加型絵本です。
取り組み相手は、ねずみちゃん、にわとりくん、くまちゃんとだんだん大きくなっていくけれど……。
絵本にむかって、ダンダンダンと「最強はりて」を連打すれば……
いとも簡単に負ける相手。あ~きもちいい! それだけではありませんよ。
最後はみんなそろって向かってきます。それでもこちらはなんてったって最強力士。全員まとめて、えーーーーーーい!
どっしーーーーーん! と打ち負かしたあとのきもちよさったら! 相手も思わず、「まいりました……」。
それにしても、いぬんこさんの描く、むくむくの動物たちがたまりません。体も声もフルにつかって楽しめる、体の奥から力が湧く一冊です!
***小櫻浩子のオススメする1冊***
「つかれちゃった」をふきとばす笑いの必殺技炸裂!!
『ぞうきんレスラー』
(ナカオマサトシ/さく イヌイマサノリ/え)
風はそよそよ、空はこんなに青いのに、なんだか気分がのらないなあ……
そんな気分でいる方にわたしがおすすめしたいのが、この絵本。
主人公はカラフルでおしゃれなタオルの女の子・カラ。
カラは人気爆発中のアイドルなんです。でもあるとき、きたないことが大好きなほこりたちに、泥を投げつけられてしまいます。おふろで洗ってもとれないよごれ。よごれてしまったカラはあっというまにアイドルとして人気が落ちてしまいました。
元気をなくしてしまったカラですが、第2の人生がはじまります。それは、「ぞうきんレスラー」としての人生です! カラの必殺技は、からぶき!
「復活だー! アイドルからぞうきんなんてむりだ! 誰もがそう思いました。しかし、カラはみんなの前に戻ってきました!」
リングに立つカラを実況アナウンスの石鹸たちも応援します。
「カラのからぶきは、まるでダンスを見ているようだ! ほこりたちもうっとり、力がでません」
作者のナカオマサトシさんは、「すごく疲れたとき、『ぼろぞうきんみたいになる』っていいますよね。それで、ぞうきんってなんだか人間みたいだなあと思ったんです」と、この絵本のアイデアを思いついたときのことを語っています。
タオルもぞうきんも毎日生きてりゃいろいろあるさ。
人間も調子が出ないときも、心がしずんじゃうときも、ほんとに毎日いろいろあるけれど、絵本をそばに、みなさん笑って気楽に元気に。すてきな初夏をお迎えくださいね!
***宮尾るりのオススメする1冊***
かわいい&おいしいがたっぷり!「アニマルバスの絵本」
『アニマルバスとパンやさん』
(あさのますみ/文 こてらしほ/絵)
今日はお天気もいいのに、何かする元気が全くでない……。そんなときにおすすめしたい、こちらのかわいい絵本。
バスが主役のちょっと不思議な絵本。みならいバスのファンファンが、道を走る練習をしている途中にパン屋さんを見つけます。ところが、お店の中にはお客さんが誰もいません。どれも本当に美味しそうなパンなのに、お客さんが来てくれないので、パン屋のきつねさんはとっても困っています。ファンファンは、どうにかしようと考えますが……。
かわいいファンファンたちの絵はもちろん、登場しているパンが本当にどれも美味しそう!おにぎりの形のパンまであって、じっくり絵を見ながら、あのパンはどんな味がするのかな……なんて考えるだけでも気分がウキウキしてきます。
動きたくない、なんだか気分があがらなかった心も、食欲なんてなかったお腹も、とっても美味しそうなパンの絵を見ていたら、口の中がパンを食べたい気持ちに……(笑)。ファンファンたちの元気で健気な様子にも元気がもらえます。
ついつい、色々な状況もあって毎日の気持ちもしぼんでしまう日々ですが、かわいくって美味しそうなパンの絵がやる気をちょっとだけ分けてくれる、そんな絵本。美味しいものって、やっぱり元気を分けてくれるなぁと食いしん坊担当の編集者は、ちょっとだけ不純な動機で絵本を選びました。