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中国の車窓から【 本棚の二列目*蒲蒲兰 江崎】

他人の「本棚」を見るのって、すごく楽しくないですか?

その人を形作った小説やマンガやビジネス書――様々な「本」が詰まっている本棚を見るだけで「この人はこういう人だったのか~」と再発見できる気がします。
そして、あんまり見せたくない「偏愛本」を、本棚から発掘するのも大好きです。

本棚にどーんと飾る「よそいき」の本じゃないんだけど、大好き。いや、人に見せるのは恥ずかしいんだけど、見せたい思いもちょっとある……。

そんな相反した思いを抱えて、ひっそりしまい込まれた本たち。
いわば「性癖」みたいなものが隠されがちな「本棚の二列目」
それをドドンと公開しちゃおうという、嫌らしいコーナーです。
公開してくれる人たちは、ポプラ社で働く色んな部署の人たち。

出版社で働く人たちの本棚って、どんな本がつまってるんだろう?
そんな人たちの「二列目」には、どんな本が並んでるんだろう?


友達の家の本棚をのぞき見する感覚で、ぜひお楽しみいただければ嬉しいです。
第四回は、北京蒲蒲兰文化发展有限公司(以下、蒲蒲兰)の江崎さんです。
※webastaに2019年7月掲載した記事と同じ内容になります。

北京発上海行き、今現在山東省の山奥を走っている中国高速鉄道の車内から、おはよう、こんにちは、こんばんわ、はじめまして。
北京蒲蒲兰文化发展有限公司(以下、蒲蒲兰)の江崎です。
コーナー四回目から本社所属でなくて大変恐縮です。少しだけ説明しますと、蒲蒲兰はポプラ社の中国子会社で、中国大陸で絵本の出版を行っています(詳しくはこちらのリンクをご覧ください)。


2011年の入社から気づけば早8年、営業→編集→新規事業と、根無し草のように異動してきましたが、ついに中国にまで来るとは......「ズッコケ三人組」を読んでいた小学生のときも、中島義道の「哲学入門」を読んで哲学するために学校をやめるしかない!と思って本当に高校を中退した時(若気の至り)も、村上春樹を読んで二言目にはやれやれと言っていた大学生の時も(そういえば今手元に彼が寄稿した文藝春秋があります)、もちろん第一回の執筆者、入社二年目の水野君ぐらいのころにも、思ってもいなかったです。遠くまで来ました。。

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さて、今回のお題が本棚ということで、まずは「表」の本棚から。北京ですんでいるマンションのリビングルームの本棚です。
中国に赴任するとき、持ってこれる本の数が限られていたので、日本語の本は結構少ないです。新しい本はアマゾンで購入して海外事業部鈴木部長のところに大量に送り付けています。鈴木さんいつもありがとうございます。。。あとはこちらで買った中国語と英語の本が少々です。

まず右上にサイード、フランツ・ファノン、サスキア・サッセンがありますが、はっきり言って読んでいません(笑)。しかも『オリエンタリズム』は上巻しかないという体たらく。。背伸びは辞めようと思いつつ、書店に行くと買ってしまう、かなりあるあるなのでは。。。

他には妻が現地の建築設計事務所に勤めていることもあって、建築とかアート、ファッションの本もちょっと多めです。もちろん『映え』を狙って本棚の一列目です。でも「チープ・シック」とか「ノンデザイナーズ・デザイン」とかは私もほんとに好きです。なんかたたずまいがいいので、たまーに読み返します。

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後は旅行が好きなので、ガイドブックが結構あります。地球の歩き方は歴史とか経済状況が書いてある二色刷りの情報ページが好きで、たまに予定もないのに読んでいます。
ロンリー・プラネットは少し格好をつけて英語と中国語ですが、外国語だと大体現地に行って読むのがめんどくさくなるので、いつも日本語で買っておけばよかったと後悔します。

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中国語の本だと、最近中国の同僚から借りた「東京本屋」という本が面白かったです。タイトル通り東京にある書店を中国人の読者に紹介する本で、幅允孝さんや内沼晋太郎さんと言った、フロントランナーのインタビュー集ですが、視点の違いがとても面白いです。こういった本で、B&BやSPBSと並んで新宿の「模索社」が取り上げられることってなかなか無いんじゃないかなと思います。中国にいて、かえって日本の書店文化の豊かさを感じます。
ちなみに後ろに写りこんだのは我が家のダリ君(ブリティッシュ・ショートヘア 2歳)です。

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他にも中国の雑誌は面白そうなテーマがあると買って読んでいます。
一番受けたのは知日という日本を紹介するお洒落な雑誌の『山口組』特集。ブルータスに乗ってそうなテイストで書かれた歴代組長のイラストがとてもいかしてます。


と、ここまでが本棚の一列目。人に見せられる本棚です。

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よろしいでしょうか。ここから二列目です。

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のっけから汚くってすいません。物置部屋の本達です。
愛書家の皆さんからの非難の声が聞こえますが許してください。

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隣の棚はこんな感じ。
私、あんまり理解されにくいのですが、趣味の一つが勉強でして、その割にその程度かよと言われそうなのですが、資格本であったりとか語学本であったりとか統計学であったりとかITであったりとか法律であったりとか、広く浅く手を付けています。最近は簿記にハマっていて、全経簿記の試験を受けに上海まで行きました。複式簿記ってあのゲーテが人類最大の発明って言っていたことご存知でしょうか。イタリアルネサンスの発展もイギリスの産業革命も21世紀の金融危機も全部後ろには簿記がありました。そう思ったらすごくないですか?興味わきませんか?
ちなみに試験は落ちました。

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後は中国関係とか、、、

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ノンフィクションとか、、、

写真を撮り忘れましたが、語学の本も結構あります。英語中国語広東語上海語スペイン語ラテン語、、、、韓国語に至ってはテキストを買ったきり何もやってませんし、一つとして満足に話せる言葉はないのですが、でも参考書を買うこと自体がたぶん楽しんでいるですよね。そういえば中学校の頃も書店で新しい参考書が出るのが楽しみで新刊チェックをしている気持ち悪い子供でした。。。ちなみに文英堂のシグマベストシリーズが好きでした。

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というところで長江(車窓から一枚)を過ぎました。本について書くのは楽しくて、いつまでも書いていられそうなのですが、目的地の蘇州がそろそろですので今回はいったんここまでということで。
ぜひ次の人の面白本棚を期待しています!

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