見出し画像

【エッセイ】平田先生にかかれば、親知らず抜いてもご飯たべれる


私が大学生の頃の話だ。何だかものを噛む時に妙に歯茎が痛いなぁ、とおもって口をアーンと開けてみると親知らずが知らぬ間に生えていた。

親知らずを抜くのは痛いし顔が腫れると聞いていたので、夏休みを使って抜くことにした。札幌の実家に帰省した時に母に相談すると、
近所の口腔外科に行くことになった。私は歯医者と口腔外科の違いが当時よくわかっていなかったのだが、平田先生に診てもらってからは、口腔外科に対する勝手なリスペクトが芽生えた。

ちなみに、病院の正式名称は、『平田口腔顔面外科腫瘍内科 がんヴィレッジ札幌』である。いまこの記事を書くために調べたのだが、まさかこんなに仰々しい名前だったとは、、、。わたしは平田口腔外科とだけ呼んでいた。

建物は綺麗な三角屋根の一軒家で、入り口を入ると、ログハウス調で吹き抜けになっていて、空気を循環させる装置がプルプルと天井で回っている。まるで別荘に来たかのような落ちついた雰囲気がよい。これなら、これから痛い思いをしなくてはならないと怯えきった患者の心も癒されるだろう。

さて、先生は私の歯のレントゲンを撮った。親知らずは4本生えており、しかも全ての歯が歯茎に対して垂直になっていると説明された。親知らずが隣の歯にぶつかりそこから歯に痛みが出たり、虫歯になったりしますよと教えてくれた。

それを聞いて、私は親知らずを抜く必要性をしっかりと頭で理解した。まずは右側の2本を2日間で抜く計画になった。私の親知らずは抜くというより砕かなくてはいけないようで、歯茎を切開して横向きに生えた歯を砕き、ぽっかりと大きな穴が空くので、そこに自分の歯茎を培養したジェル状の液体を垂れ流すことになった。

(こんな説明だと医療従事者の方々からお叱りを受けそうだが許してほしい。かくゆう私自身も一応、医療従事者であるが。)

いよいよ治療が始まったが、なんと麻酔の注射が痛い痛い痛い!!!!これが1番辛かった。
麻酔がきいてしまえば、あとはガガガガガッ!
ゴキゴギゴキ!バリバリバリッ!!!
ともの凄い音ではあったが、
ものの10分程度で済んでしまった。

無事に2本は治療した訳だが、麻酔の注射が嫌すぎて、左側は断固抜かないと決心して帰宅した。

翌年、私は韓国に行く機会がありそこで友達になった韓国人の学生に親知らずの治療の辛かった話をした。すると彼は、「自分の治療のときは30分以上もかかったし、一日はご飯をたべれなかったよ。その医者は名医だよ。」と予想外の反応で、非常に羨ましがられた。

たしかに、治療したあとはハンバーグをモリモリ食べれたし、こないだ歯石をとりに都内の歯医者に行ったらそこの先生にも「え?ここ親知らずが2本、本当に生えてたんですか?」と意味深にとても驚かれたことがあった。

もしかして、平田先生は名医なんじゃないかと
私は考えだした。それならさっさと左側半分も治療すべきだ。

韓国から帰国して、また長期休みのときに意を決して平田口腔外科に寄った。すると先生は私を覚えてたようで、ニコニコ笑って「あれ、左側もしますよって行ったのに1年もあけちゃったの。今日と明日で2本とっちゃいますからね。」と嬉しそうに恐ろしいことを言った。

歯医者の嫌なところは、口をあんぐり開けられると、そのまま無抵抗になってしまい痛くても大きなリアクションも取れないところだ。ちなみに、私は痛かったら手を挙げてくださいと言われてもあげたことはない。

やっぱり麻酔の注射は涙が出るほど痛かったが、ものの10分足らずで治療は終わった。平田先生は名医だ。
その日も美味しく夜ご飯を頂いた。

もし、これを平田先生が読んでいたら、若干記憶違いで間違えていることがあるかも知れないが、宣伝にもなってると思うので大目に見てほしいと願う。

親知らずを抜きたいけど、痛いのが怖くて歯医者に行けてない人のために、ホームページを紹介しておく。
私の親知らずを綺麗に治療してくださった、
平田先生に感謝、感謝である。

この記事が参加している募集

ありがとうございます! サポートはクリエイターとしての活動費に 使わせていただきます🍀