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テレワークでのコミュニケーションの4つの課題パターンと対応方法

テレワークで成果を出すためには、チーム内で円滑にコミュニケーションできる必要があります。しかし多くの企業経営者・マネージャーには、リモートでのコミュニケーションに関する経験がないことで、「うまくできる自信がない」という不安があったり、「コロナの影響でテレワークを試みたが、うまく導入できなかった」という苦い経験があったりする事でしょう。

一言で「コミュニケーション不足」と言っても、どのような目的のコミュニケーションが不足していたのかによっても、原因や対応策は異なります。そこで今回は、テレワークにおけるコミュニケーション課題を 4 つのパターンに整理し、パターンごとにその「課題」「要因」と、「対策(仕組み)」をまとめて紹介していきます。

課題パターン1 . チームの一体感を出しづらい

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経営者やチームリーダーにとって、テレワークを全面導入しづらい理由の 1 つは「チームの一体感が損なわれる」という不安です。

先日、あるベンチャー企業の社長と打ち合わせしている際に「コロナ収束後にリモートワークをどれぐらい導入するか非常に迷っている」という話題が出ました。どこに不安があるか質問すると「うちはチームの一体感を大事にしている。集まって一緒に仕事をする状況が減ることで、チームの一体感が損なわれる事に不安を感じている」という話がありました。この様な不安は他のベンチャー社長・経営者と話をしている時にもよく出てきます。

そこでここでは、テレワークに起因してチームの一体感を阻害する要因とその対策を考えていきたいと思います。

課題1-1 : 雑談がしづらい

オフィス内でのコミュニケーションとテレワークでのコミュニケーションで、最も大きく差がでるのが「雑談のしやすさ」です。オフィスであれば、出勤途中や、廊下でのすれ違いざまや、コーヒーを飲んでいるとき、ふと目があったとき、喫煙休憩中など、さまざまなシーンで雑談をする機会があります。一方、残念ながらテレワークにおいてはこのようなシーンはありません。

日本で全面的にテレワークを導入しているソニックガーデン代表 倉貫 義人さんも「リモートワークで課題となったのは、チーム内での雑談がなくなったこと」と言及しています。(※以下の記事より引用↓)

雑談の重要性
そもそもなぜ雑談が重要なのでしょうか。4 つの視点で考えてみます。

雑談がないと、相談がしづらくなります。
ソニックガーデン倉貫さんの著書『ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに代わる「雑談 + 相談」』では、雑談は「雑な相談」であり、ちょっとしたことでも相談しやすい空気をつくるためには雑談が重要であることを説いています。

「相談と雑談のあいだに明確な境界線を引くことは難しい」
「 雑談できる関係性があるからこそ、いつでも相談できるようになる」

ー倉貫 義人『ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに代わる「雑談 + 相談」』日本能率協会マネジメントセンター 2019 pp.9-10.

倉貫さんは上記の様に説き、雑談と相談を混ぜた「ザッソウ」というコンセプトを提唱されています。

雑談は、新しいアイデアを出すためにも重要です。 先日、私が顧問をしているメンバーズの社内研修で、東証一部上場企業の創業者の方に講演いただきました。講演の中でその方は「会社では雑談だけをしている」「雑談の中からアイデアを生むのが仕事」と言及していました。私自身も、雑談の中で新しいアイデアが浮かび、新たな打ち手や取り組みが生まれてくる経験は幾度となくあります。

さらにそれらの結果として、雑談はチームの業績にも寄与します。MIT工科大学のアレックス・アンディ・ペントランド教授の研究によれば、チームの業績は「正式な会議ではない場におけるチームの熱量の総量や、メンバー同士の関与が、生産性を予測するうえで、最適な指標になる」「生産性(金銭換算ベース)の三分の一が、チームの熱量と関与に関係する」そうです。(以下『ハーバード・ビジネス・レビュー チームワークの教科書』(ダイヤモンド社)より参照)

つまり平たく言うと、「雑談が盛り上がっているチームは業績が良い」ということです。 

この研究結果をもとに、あるコールセンターでは「休憩時間のスケジュールを見直して、チーム全員が同じ時間帯に休憩を取る」という施策を試したところ、チームの処理時間が 20% 以上短縮するなどの劇的な改善が見られたそうです。 

さらに、雑談があることは、「社員のメンタルヘルス」という視点でも重要です。産業医の夏目誠さんは著書の中で、職場でのメンタルヘルス増加の一因として、雑談をする余裕がなくなっていることを挙げています。(以下『中高年に効く!メンタル防衛術』(文春新書)より参照)

雑談は、息抜きの方法でもあり、また悩みや辛いことを相談する方法でもあるわけです。

要因と対策 1 : 雑談する機会がない→機会を作る
テレワークで雑談が難しいのは、「雑談の機会」が自然発生的には生まれにくいためです。報告や共有だけの会議や、人数が多い会議で雑談することは困難です。

そこでまず推奨したいのは、「オンライン朝会」を毎日行い、その中で雑談の機会を作ることです。朝会の時間が短すぎると雑談ができないので、少し長めに時間をとりましょう。また雑談が生まれやすい仕掛けも用意しましょう。
(オンライン朝会についての詳細は以下を参照↓)

また「相互 1 on 1」を行い、メンバー同士が一対一で話す場を作ることが有効です。1 on 1 というと「上司と部下」で行うことが一般的ですが、テレワークでは「同僚同士」での 1 on 1 も設定することをお勧めします。
(相互 1 on 1 については以下を参照↓)

要因と対策 2 : 雑談する余裕がない → 会議時間の削除&圧縮
テレワークだと通勤時間がない分、オフィス勤務よりも時間がありそうに見えます。しかし実際には、精力的な人ほど、オンライン会議などで予定が隙間なく埋まってしまいます。私自身も、毎日 10 〜 15 回の会議をこなし、朝から晩まで会議しているような時期がありました。時間に余裕がないと、雑談をする余裕がありません。

そこで時間を作るために、まず不必要な会議を削除&圧縮しましょう。そしてその為に、「事前アジェンダ」を徹底しましょう。アジェンダを事前に決めれば、会議が格段にスムーズに進行できるようになるほか、そもそも会議をせずにチャットやメールで解決できることも多くなります。
(事前アジェンダについては以下を参照↓)

また、会議時間は「 30 分」を基準にしておくこともオススメです。 論点整理や事前準備を行っておけば、1 時間も時間を取る必要があることは少ないでしょう。
(会議時間は30分までがオススメの理由については以下を参照↓)

要因と対策 3 : 雑談のネタがない → 自己トリセツや自分チャンネル
雑談をするには、「雑談のネタ」が必要です。見ず知らずの人といきなり雑談するのは対面であっても抵抗感があります。テレワークでは、さらに難しくなります。

チーム内で「自己トリセツ(取扱説明書)」を作り、共通点がお互いにわかる状況を作ると雑談しやすくなります。 業務ではうかがい知れないプライベートな側面をチーム内で共有しておくことは、 業務でのスムーズなコミュニケーションにつながります。
(自己トリセツについては以下を参照↓)

また雑談を生むには、コミュニケーションツール上に「自分チャンネル」を作り、自分の思ったこと・感じたことを Twitter のように発信しておくことも非常に有効です。
(自分チャンネルについて詳細は以下を参照↓)

雑談は「そう言えば、昨日こんなことがありました」「そういえば、あの時こんなこと言ってました」など、何かから連想・関連する形で始まることが多いでしょう。自分チャンネルで雑談の種をまけばまくほど、雑談しやすくなります。

課題1-2 : ミッションやビジョンなど熱い話をしづらい(盛り上げづらい)

チームの一体感を出すためには、会社やチームが目指している方向性(ミッション・ビジョン)について話し合ったり、大事にしている価値観を浸透させたりする必要があります。

同じ空間で仕事をしていれば、物理的にポスターなどで示したり、業務が終わった後の飲みニケーションで話したり、「背中で見せる」「雰囲気で察してもらう」といった伝え方もできます。しかしテレワークでは、このような方法は使えません。それではテレワークにおいて、どの様にこの課題に対応すれば良いのでしょうか。

要因と対策 1 : しっかり議論する場がない → 非日常の場を作る
テレワークでも対面でも、業務時間内のコミュニケーションは「要件を手短に話す」ものになりがちです。目先の仕事の話をする場で「将来どうなりたいか」「この会社をどうしていきたいか」といった話ができる機会はほとんどないでしょう。対面であれば、飲みニケーションや業務後の雑談などもありますが、テレワークでは発生しません。「熱い話」をするためには、「そのための場」を意図的に作る必要があります。

このような場としてオススメなのが「オンライン合宿」です。日常業務を離れて議論する時間を作ることで、ミッション・ビジョンといった、普段は話しづらいテーマも議論しやすくなります。

また、会社やチームの価値観を浸透させるには「行動指針」を定めることも重要です。会社やチームの「共通の考え方」を作り、言語化することで、テレワーク環境であっても同じ方向性に向かって仕事をしやすくなります。

また、マネージャーは「オンラインイベント技法」を身に着けておきましょう。リモートでの議論であっても、一人ひとりの参画意識を高めたり、議論のしやすさを担保したりすることで、より議論時間を有効に活用できます。

要因と対策 2 : 日常的に伝える場がない → 日常的に伝える場を作る
オンライン合宿のように非日常的な場を作ることは重要ですが、もしこのような場だけでしかミッション・ビジョン・行動指針を意識する機会が無いとすると、絵に描いた餅になってしまいます。ミッション・ビジョン・行動指針を浸透させていくためには、日常的にこれらを伝える・考える機会を作ることも重要です。

このような機会として「オンライン朝会」は有効です。 できるだけ毎日オンライン朝会を行い、その中でミッション・ビジョン・行動指針にふれる機会を作ることで、より浸透しやすくなります。
(オンライン朝会については以下を参照↓)

マネージャーとメンバーでの「毎週 1 on 1 」の機会も大事です。1 on 1 の時間には、単に業務の相談だけでなく、メンバー個人の将来の希望や考え方を話したり、会社やチームの目指すべき方向性をすり合わせたりしましょう。
(毎週 1 on 1 については以下を参照↓)

また「ヒーロー称賛」という考え方も有効です。定期的に所属メンバーの「ミッション・ビジョン・行動指針を体現する行動・成果」を取り上げ、良き部分を褒め称えて周知することで、全メンバーの意識を高めていくことができます。

要因と対策 3 : メンバーの人生観・価値観を知らない → 知る機会を作る
チームの一体感を出す上では、各メンバーが何を大事にしており、どのような将来像を思い描いているかを知ることも重要です。ミッションやビジョンは会社単位・チーム単位で定めるものですが、それらがメンバー個人にとってどういう意味を持つものかを正しく伝えるためには、それぞれの人生観・価値観を知り、そこに合わせた意味づけが必要です。

メンバーの理解度を高めるには、まず「自己トリセツ(取扱説明書)」を作ることがお勧めです。各自の家族構成、バックグラウンド、趣味、好き嫌い、人生の方向性などを伝えることで、相互理解を深めることができます。
(自己トリセツについて詳細は以下参照↓)

チームの立ち上げ直後や新人加入時にも「オンライン合宿」を行いましょう。相互理解を深めるためには、日常業務を離れ、しっかりと話す機会を持つことが重要です。

課題1-3:アイデアを共有しづらい・発展させづらい

チームで仕事をする時には、議論を通じて新たなアイデアを思いつき、それを共有し、ブラッシュアップさせていくことが仕事の面白さであり、醍醐味です。テレワークだと、このような創発的な取り組みを行いづらいという不安があります。先に述べた通り、米ヤフー や 米IBM は、まさにこの懸念のために在宅勤務を全面禁止するという荒療治に出ています。

次はこの課題を解決・緩和するために有効な取り組みを紹介していきましょう。

要因と対策 1 : 思いつきを共有しづらい → 自分チャンネルで独り言
新しいアイデアは様々なタイミングで思いつきます。通勤中や、トイレの中、お風呂の中、ベッドの上。こういった時に思いついたアイデアをできるだけすぐにメンバーに共有し、ああでもないこうでもないと言い合うのはとても楽しい時間です。しかしテレワークで物理的に離れている相手に対して、思いつきレベルのアイデアをわざわざ伝えるのはハードルが高いですよね。そのため、テレワークではこのような盛り上がりを再現できないと感じる人も多いでしょう。

こんな時に、いつでも何でもつぶやける場として「自分チャンネル」を設けておくとこの様な思いつきを手軽に共有しやすくなります。自分チャンネルは、いつでも自分のペースで発信でき、また特定の誰かに送るわけではないので、アイデア共有のハードルが下がります。
(自分チャンネルについては以下を参照↓)

要因と対策 2 : 議論を深めづらい → オンラインイベントの技法を習得
議論を深めるには、会議参加者がお互いに考えを出し合い、双方向に会話ができる必要があります。その工夫として、ホワイトボードを使ったり、付箋でアイデアを貼りあったり、また少人数に分かれて議論をすることがあるでしょう。テレワーク環境では、オンライン会議に多人数で参加していても同時に 1 人しか発言できず、ホワイトボードもなく、みんなで付箋を貼りあうこともできません。

しかしここ数年で、オンラインでブレストのような場を作るためのツールやノウハウが急激に進化しています。

ワークショップを 15 年以上行っているPLAYWORKSのタキザワさんやWAKUTOKI の相内さんなどのワークショップデザイナーの方々も、リアルとオンラインの特性を理解しながら、オンラインの良さを生かした取り組みを行っていこうと提言しています。

この様な様々な「オンラインイベントの技法」を知っておくことで、オンラインであっても創発性を高める議論を行いやすくなります。

要因と対策 3 : 新しい取り組みを進めづらい → 文章リテラシー・事前アジェンダ で進める
新しいアイデアが共有でき、議論によってアイデアを進化させることができたとしても、それを実行するためには上長や他チームに協力を仰ぐ必要があります。テレワークだと、関係者とコミュニケーションをとりづらいため、新たな物事を進めづらいと感じる人も多いでしょう。

テレワーク環境で多くのステークホルダーと合意を形成するためには「文章リテラシー」が欠かせません。文章で要点をしっかり整理し、伝える方法は必須スキルになるので意識的にトレーニングしましょう。
(文章リテラシーを上げるコツについては以下を参照↓)

またオンライン会議の際には「事前アジェンダ」を必ず用意しましょう。 多忙な上司や別チームのメンバーを巻き込む必要があるため、短時間で伝えたいことを正しく伝える必要があります。
(事前アジェンダについては以下を参照↓)

課題パターン2 . 連絡 ・ 相談しづらい

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テレワークで多くの経営者やマネージャーが感じる課題パターンの 2 つ目は「オフィスに比べて連絡や相談がしづらい」という点です。

チーム全員が近くにいれば、ちょっとした話や共有は口頭で行うことができます。また、ホワイトボードを使うこともできます。一方テレワークでは、これらをすべてオンライン上で行う必要があります。つまり、チャットやメールなど、口頭よりも表現のハードルが高い方法を選択する必要があります。

上記から、「テレワークは連絡・相談がしづらく、生産性が下がる」という印象を持つ方もいるようです。それでは次に具体的にどの様な課題があり、どのような対応が考えられるかを整理していきます。

課題2-1 : 文章では伝えづらい

オフィスワークからテレワークに変わると、メインのコミュニケーション方法を「口頭」から「文章」に切り替える必要があります。しかし一般的に大半の人は、文章でのコミュニケーションに慣れていません。

要因と対策 1 : 文章コミュニケーションリテラシーが低い → 実践で鍛える
テレワーク時代を生きる我々ビジネスマンにとって、文章能力は極めて重要です。文字ベースでのコミュニケーションリテラシーを高めることは、IT・英語・財務などと並ぶ重要なスキルセットといえます。

文章リテラシー」を高めるためには、英語と同様、習うより慣れろです。伝達事項は口頭コミュニケーションに頼らず、できるだけ文章化しましょう。
(文章リテラシーを高めるコツについて詳細は以下参照↓)

また多くのテレワーク導入企業においては、メールでなくチャットが文章コミュニ ケーションの場になっています。 そのため文章リテラシーに加えて「チャットリテラシー」も同時に身につけましょう。
(チャットリテラシーを高めるコツについて詳細は以下参照↓)

要因と対策 2 : 文章では表現しづらい → 画像・動画も活用
文章コミュニケーションは重要ですが、当然ながら文字だけでも容易に表現できることと、文字では表現しづらいことがあります。映像を見れば即座に伝わる内容でも、言葉で伝えることは困難になります。言葉の捉え方は人それぞれなので、異なる理解をされる懸念もあります。

その時は、必ずしも「文章」にこだわらず、画面キャプチャスクリーン録画も活用しましょう。画面キャプチャやスクリーン録画は、ひと目で多くの情報を正確に伝える事ができます。百文(百聞)は一見に如かずです。
(画面キャプチャ&スクリーン録画については以下を参照↓)

課題2-2 : メールやチャットで連絡が遅れがち

オフィスであれば、働いている様子が目で見えるので、誰がどんなことをしているかはなんとなく把握できます。ちょっとした相談や報告は、即座に口頭でできます。ところがテレワークになると、メインの連絡方法はメールかチャットとなります。

ここでよくある課題は「メールやチャットを送っても、なかなかレスが返ってこない」ということです。 

私は社外でもさまざまなプロジェクトに関わっているのですが、時間的にも実際に 会うことは難しく、Slack などでのオンラインコミュニケーションが主になります。そんな場面で、オンラインに不慣れなメンバーがチームにいると、連絡してもなかなか返信が返ってこず、動きが止まってしまうことがよくあります。

このような状態では、オフィス出社状態と比べてチームワークが落ちると感じてしまっても仕方ありません。何が要因で、どのように対策していくのかを考えていきましょう。

要因と対策 1 : 期待値が揃っていない → 共通認識を作る
オフィス出社が当たり前だと「急ぎの用事は口頭や電話で」「メールやチャットは空いてる時間に返せばよい」という感覚の人も多いでしょう。また「チャットを見たら返事をする(返事をしないと見ているかどうかもわからない)」という意識がないケースもあります。

このようなケースでは、まずチーム全体・会社全体の「行動指針」で、コミュニケーションルールを作り、期待値を合わせることが重要です。

お互いのスピード感に関する期待値がずれていると、お互いに不要なフラストレーションを抱えてしまいます。チームにより「即レスをしていこう」なのか「レスは遅くてもOK」なのかは異なると思いますが、その前提をあわせることが最も重要です。

要因と対策 2 : 状況が不透明 → スケジュールを可視化する
相手の状況がわからないと「連絡が遅れてしまっても仕方ない状態」なのか「連絡すべき状況なのにしていないのか」がわからず、不必要なストレスが生まれます。「上司の視点で、部下の状況がわからない」という課題だけでなく、「部下の視点で、上司の状況がわからない」「同僚の視点で、他の同僚の状況がわからない」というケースも多くあります。

まずはお互いの予定を可視化し、共有しておくことが解決の第一歩です。「カレンダーでの業務状況の可視化」により、自分自身の予定も明確になりますし、チームメンバー相互での状況共有も可能となります。
(カレンダーでの業務状況の可視化については以下参照↓)

分報・日報」などで状況を発信することも大事です。テレワークでは、意識的に発信しないとお互いの状況がわからないことを理解して、自分の状況を発信していきましょう。
(分報・日報の活用の仕方については以下参照↓)

要因と対策 3 : PCを見るタイミングがない → スマホ化する
外回りや会食で移動が多いときなど、パソコンを開く余裕がないことはよくあります。また在宅勤務でパソコン自体は開いていても、資料作成や自分の作業に集中しているため、チャットやメールを見る余裕がない時もあります。

スマホでメールやチャットを確認できるようにしておくと、反応速度が格段に上がります。社員全員に社用スマホを用意できない場合、BYOD(Bring Your Own Device)による個人スマホの利用体制を作ることもありえます。

私自身の体験としても、社外に移動しているときはもちろんのこと、在宅で仕事をしているときであっても、スマホで返信することは多いです。スマホなら、パソコンの前に張り付いていなくても、息抜きのタイミングでチェックできるため便利です。

課題2-3 : 情報共有が遅い

オフィスにいれば、チームメンバーの席は近くに固まっていることが多いため、全員が揃っているタイミングで議論することもできます。一方、テレワークでは、チームメンバーが互いにどんな状況にあるのかが把握しづらくなります。そして全員が揃うタイミングが少なく、情報共有がしづらい状況があります。

また経営者やマネージャーとしては、情報共有した後の相手の反応が見えづらくなります。この状況への対策方法を紹介していきます。

要因と対策 1 : 情報共有の場がない → 定例会を作る
情報共有の場を作ろうにも、全員の予定調整は困難です。
この場面で最もシンプルな打ち手は「朝会」など毎日の定例の場を設定することです。設定頻度は情報共有頻度によって変えて良いでしょうが、雑談や質問の場も兼ねることを考えると、できるだけ毎日行うことが望ましいでしょう。
(オンライン朝会の詳細は以下を参照↓)

要因と対策 2 : 業務中の情報共有の場がない → 自分チャンネルで分報
朝会などの定例会議の場だけでは、確認頻度が低い場合があります。
この様な場合は、各自の状況を細かく共有しやすい「自分チャンネル」を作っておくことも有効です。「Twitter」のように気軽に状況をつぶやく習慣をつけると、自身の状況整理にもなりますし、周りにも現在の状況を伝えやすくなります。
(自分チャンネルについては以下を参照↓)

課題2-4 : 細かなニュアンスを伝えづらい

文章ベースのコミュニケーションだと、どうしても細かなニュアンスが伝えづらくなります。口頭であれば、表情・ジェスチャー・声量・声色など、ニュアンスを伝える方法が多数ありますが、文章でこれらを表現することはなかなか容易ではありません。

この課題に対する実践的な対応策を紹介します。「課題 1 : 文章では伝え づらい」とも重複しますので、こちらも併せてご確認ください。

要因と対策 1 : 適切な語彙・表現がない → 絵文字・スタンプを活用
「ちょっと嬉しい」「すごく面白い」「照れてる」などの感情を表現したくても、文章の流れに沿ってうまく言い表せない場合はよくあります。また、わざわざ文章を使う必要はないが、ちょっとしたレスポンスを行いたいこともあります。

このようなときは絵文字・スタンプが大活躍です。
これらを使いこなせると文章コミュニケーションが俄然楽しくなるので、慣れていきましょう。
(絵文字・スタンプについての活用法は以下参照↓)

要因と対策 2 : 文章だと厳しくなりがち → 電話やオンライン会議を使う
細かなニュアンスが重要になるケースとは、叱る・説得するなど、感情が伴うケースが多いでしょう。このような場合、絵文字・スタンプは「ふざけた」雰囲気になりがちで適しません。一方で、句読点だけで終わると、厳しい印象を与えてしまいます。

そんな時は、無理に文章で表すのではなく、即座に電話やオンライン会議を行いましょう。特にネガティブな指摘は文章に残さないのが鉄則です。

私もテレワーク初期には、チャットやメールでメンバーに厳しい指摘をしていましたが、ある時にメンバーから「チャットで厳しい指摘をされるとものすごくきつい気分になるし、見返すのが辛い」という指摘されてしまい、それ以降は厳しい内容はできるだけ電話・オンライン会議などで伝えることにしました。

課題パターン3 . オンライン会議を進行しづらい

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テレワークでの課題パターンの 3 つ目は「オンライン会議」に関するものです。一般的にオンライン会議を行うことは当たり前になりつつあり、Zoom や Microsoft Teams などのツールは日々進化していますが、これまでの会議室に集まるやり方と比べ、会議進行が難しいという意見を聞きます。

オンライン会議の機能的な3つの制約

オンライン会議が難しい理由とその対策を考える上で、まずはオンライン会議の機能的な制約を整理しておきましょう。

制約 1 .  同時に 1 人しか話せない
対面会議であれば、プレゼンターが話しているときに、横にいる人同士でちょっと した相談ができます。また、相づちや質問なども周りの雰囲気を見ながら行うこと ができます。
ところがオンライン会議では、音声ラインが 1 つしかないため、同時に 1 人しか話 せません。あるタイミングで喋ることができるのは 1 人だけです。複数の人が同時 に喋ると音声が混線してしまい、会話が成立しません。若干のタイムラグがあるこ ともあり「話がかぶる」ことも多々あります。

制約 2 .  相手の様子がわかりづらい
対面会議であれば、表情は当然のこと、その人の仕草や雰囲気を見ることができます。理解していない様子や、退屈そうにしている状況もよくわかります。
オンライン会議だと、見える範囲がWebカメラの情報だけです。表情から読み取 れる情報はあるものの、それ以外の雰囲気はわかりません。また資料を共有していると、カメラ映像すら見られないことがあります。通信環境によっては、映像が使えないことも珍しくなく、相手の情報は音声のみになってしまうこともあります。

制約 3 .  画面の中しか使えない(デジタルデータしか使えない)
対面会議であれば、資料を広げたり、ホワイトボードを使ったり、話すこと以外に もさまざまな伝え方があります。スペースも広く使うことができます。実際の製品 の持参や、資料の配布もできます。
しかしオンライン会議だと、自分の画面を共有することしかできません。画面範囲も限られており、多くの情報を同時に出すことは困難です。スマホからオンライン会議に参加することもあり、その場合にはなおさら制限があります。当然のことですが、 デジタルデータしか表示できません。

● 良好な通信環境はもはやビジネスマナー

オンライン会議でよくあるトラブルは、通信環境に起因する遅延や接続切れです。 せっかく大事な話をしているのに途中で会話が途切れたり、遅延して話が一部聞き取れなかったりすると、途端に会話への集中力が途切れてしまいます。オンライン会議の延長線上で「オンラインセミナー」を開催する企業が増えてきましたが、登壇者によっては通信環境が悪くて話が聞き取りづらいと、それだけでクレームや満足度の大きな低下要因になります。

テレワークで良好なコミュニケーションを交わすためには、一定レベル以上の通信環境の整備はもはやビジネスマナーです。対面会議において、服装や髪型などの身だしなみを整えることと同様に、オンライン会議においては通信環境を少しでも整えることを全員が強く意識する必要があります
例えば、私はノートパソコンを使っていますが、インターネットには無線ではなく有線で接続しています。回線速度を検証した結果、有線の方が無線に比べて 5 倍 程度のパフォーマンスが出ていたため、多少不便ですが有線に変えました。

回線環境については、光通信への切り替えやルーターの買い替えなどに対し、会社からも積極的な補助を期待したいところです。会社の制度がない場合でも、個々人が自分のできる範囲で取り組みましょう。
テレワークにおける仕事やコミュニケーションを改善する上で、通信環境の整備は コストパフォーマンスの高い投資の 1 つです。テレワークをするなら「良いスーツを買う」よりも、まず 「良い通信環境にする」ことです。

課題3-1 : 双方向の議論がしづらい

オンライン会議のよくある課題の 1 つは「議論がしづらい」ということです。機能的な制約でも触れたように、同時に発話できるのが 1 人だけであり、通信ラグでの 「かぶり」などもあるせいで、対面と比べて話がしづらいと感じている人はたくさんいます。
これに対応する要因と対応策を紹介していきます。

要因と対策 1 : 論点が明確でない → 事前アジェンダ
オンライン会議は、対面と比べてコミュニケーション制約があるので、オフラインより事前の準備が必要です。事前準備を行うには、会議の目的・論点を明確にしておく必要があります。

そこでオンライン会議前には「事前アジェンダ」を徹底しましょう。会議の目的・論点が明確で、事前に知っておくべき情報や資料を用意することで、会議を格段にスムーズに進められます。
(事前アジェンダについての詳細は以下を参照↓)

要因と対策 2 : 人数が多すぎる → 少人数に分ける、チャット活用
オンライン会議では同時に話ができる人は 1 人だけです。そのため、人数が多いと議論がしづらくなるのは当然です。会議の目的や論点にあわせて、妥当な参加者、参加人数を考える必要があります。

必要な人数が多く、かつ議論や会話も行いたい場合には、「オンラインイベントの技法」を活用しましょう。議論のときだけ少人数に分ける、チャット、共同作業ツールを使うことで、オンライン会議の制約の中でも効果的な議論が行えます。

課題3-2 : 参加者の状況がわかりづらい

オンライン会議では「参加者の状況がわかりづらい」という課題もよく耳にします。見える範囲が限られているため、これも機能的に仕方ない面があります。しかし、要因を明確にすることで、対応できることがあります。

要因と対策 1 : 誰が参加しているかわからない → 冒頭の挨拶、自分アピール
参加者の状況がわからない要因の 1 つは、そもそも誰が参加しているのかわからないことです。

ここでも「オンラインイベントの技法」が役に立ちます。 冒頭のアイスブレークで自己紹介をしたり、背景画像を名刺にしたりすることでア ピールするなど、さまざまな工夫の余地があります。

要因と対策 2 : 表情が読めない → 映像オンにし、表情を活用
オンライン会議で様子を知るために重要な情報は「表情」です。発言しなくても、表情だけで「理解している」「興味を持って聞いている」といったことが伝えられます。

そのため、会議ではできるだけ映像をオンにし、「表情を意識」しましょう。物理的な距離感を少しでも埋めるために、普段以上にカメラ映りを意識し、反応を伝えられるように参加者全員が気を配りましょう。
(表情を意識することに関しては以下を参照↓)

課題3-3 : 内容が理解しづらい

対面会議と比べて、オンライン会議では「話の内容が分かりづらい」と感じられてしまう場合もあります。

要因と対策 1 : そもそも音が聞き取りづらい → ミュート徹底、環境・ツールでの雑音対策
オンライン会議は対面会議以上に「声」による情報ウェイトが大きくなります。そのため、音声の聞き取りやすさはとても重要です。

音声状況」に注意することで、オンライン会議のストレスを大きく軽減できます。環境を整えるのは当然のこと、ミュート機能やノイズキャンセリングツールの活用など、さまざまな工夫があります。
(音声状況を注意することに関しては以下を参照↓)

要因と対策 2 : 議論対象がずれている → 画面共有・議事録などで認識合わせ
話の内容がずれている(本題と違うことを喋っている)のに、そのことに気づかずに話が進んでしまうこともよくあります。対面でも同じことは起こりますが、オンライン会議だとそれを指摘・修正しづらいので、対面よりも頻度が増えてしまいます。

その為にまずは「事前アジェンダ」で話す内容を明確にしておくことが重要です。箇条書きであっても話すべき内容が伝わっていれば、大きなズレを防止することができます。
(事前アジェンダについては以下を参照↓)

その上で、議論中の認識ズレを防止するには「画面共有」を積極的に使いましょう。画面共有し、伝えたい資料・画像などを表示することで、相手と認識を合わせやすくなります。
(画面共有についての詳細は以下参照↓)

また、できるだけ「議事メモ」を取り、すぐに共有しましょう。宿題、決定事項、議論内容を文字にしておくことで、参加者全員の認識を揃えることができ、認識の食い違いに気づきやすくなります。

課題パターン4 . メンバーの管理・サポートがしづらい

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テレワークにおけるコミュニケーションの課題パターンの 4 つ目は、マネージャー視点で「メンバーの管理・サポートがしづらい」という点です。テレワークを導入すると、当然メンバー側の働き方も大きく変わりますが、それ以上に複数のメンバーのマネジメントを行う必要があるマネージャーにとって、さらに大きな影響があります。

課題4-1 : 指示が出しづらい

オフィスであれば、近くの席で座っている部下に対して口頭で指示できましたが、テレワークになるとやり方を大きく変える必要があります。朝会などで口頭の指示を出す場をつくることもできますが、チャットやメールを使った指示が増えます。

この課題に対しては、「課題 : 文章では伝えづらい」と同じ要因・対策が重要となります。そちらも参照いただきつつ、それ以外の要因と対策を考えていきます。

要因と対策 1 : 目的・方針が伝わっていない → 背景から伝える
テレワークでは、仕事の細かな状況を把握することは難しいため、メンバーがなるべく自力で仕事を進めやすい状況をつくる必要があります。メンバーが仕事を自力で進めていくには、自分で「どの業務の優先度が高いか」「もし想定通りのやり方がうまくいかない場合、次にどんなやり方を試すべきか」などを判断する必要があります。

文章リテラシー」の要素でもありますが、自分で判断するためには、作業内容だ けでなく、仕事の目的や、仕事で目指す方針を伝えることが重要です。 目的や方針を理解していれば、どの方向に進めばよいかを自身で判断しやすくなります。
(文章リテラシーを上げるコツは以下を参照↓)

要因と対策 2 : アウトプットをすり合わせづらい → 画面キャプチャ・スクリーン録画も活用
テレワークに限らず、仕事を指示するときには、アウトプットイメージをすり合わせておくことが重要です。アウトプットイメージが伝わっていないと、全く期待と異なるものになってしまい、手戻りが発生するリスクが高まります。

アウトプットイメージを明確にするには、言葉だけでなく、画面キャプチャやスクリーン録画も活用しましょう。 具体的なイメージを伝えることで、誤解・誤認識を予防できます。
(画面キャプチャ&スクリーン録画の詳細は以下を参照↓)

要因と対策 3 : 仕事が止まってしまう → 予備ワークを用意
仕事に不慣れなメンバーだと、仕事が途中で止まり、何も進まなくなってしまう場合があります。
私の前職のコンサル会社では、仕事の進め方がわからず動けない状態を「スタックしている」と言っていました。スタックとは、車が雪やぬかるみに足を取られて動けない状態を指す言葉で、転じてこのような使い方をしていました。

ある仕事が進められなくなった場合に、仕事がそれしかないと、他にすることがなくなってしまいます。上司や同僚に助けを求めたくても、すぐに返信がこない場合も当然あります。

そんなときには、迷ったときにできる予備ワークも同時に用意しておくと良いでしょう。仕事がうまく進まないことを事前に想定し、「この仕事が進められない場合、とりあえず別の仕事を進めてね」と指示しておくと、生産性を下げずに済みます。

課題4-2 : 進捗が把握しづらい

メンバーの仕事が順調に進んでいるかどうかは、マネージャーとしてはとても気になります。オフィスにいれば、話かけることや、作業の様子を見ることで何となく状況を把握できます。しかしテレワークでは、状況を共有する仕組みがないと、進捗がわかりません。
ここでは進捗を把握しづらい要因とその対策を紹介します。

要因と対策 1 : 作業様子が見えない → メンバーの予定を可視化、分報などで逐一共有
テレワークだと作業している様子が見えません。そのため、各メンバーに自ら状況を発信してもらう必要があります。

各自の大まかな状況把握には「カレンダーでの業務状況の可視化」がオススメです。アポや会議だけでなく、作業予定や実績をカレンダーに残しておくことで、同じ場所にいなくても作業状況を把握できます。
(カレンダーの活用の仕方については以下参照↓)

また、よりリアルタイムな状況把握の仕組みとして「分報」も有効です。仕事中に困っていること・大変なことを逐次共有することで、状況が理解でき、必要なサポートを即座に行えます。
(分報についての詳細は以下参照↓)

要因と対策 2 : 全体状況がわからない → 達成状況を可視化
個々人の目先の作業状況だけでなく、全体の達成状況も把握する必要があります。目標に対して実績は問題ないのか、納期に対してスケジュールどおりに進んでいるのかということもマネージャーにとっては大きな関心事です。

すでに業務管理ツールがあればそれらを活用すればよいと思いますが、独自に用意する必要がある場合には「進捗状況を可視化」する工夫を行いましょう。スプレッドシートなどの無料ツールでも、しっかり使うことで十分に全体状況を把握できます。

課題4-3 : 評価が難しい

「テレワークだと評価がしづらい」というマネージャーもいます。先日実施したテレワークに関するセミナーでも、参加者から「テレワークになったら、どのように評価すればいいのか?」という質問がありました。

このブログは本来「評価」に関してお伝えするものではありませんが、チーム内でのコミュニケーション要素として評価はとても重要であるため、ここではその観点で要因と対策を紹介します。

要因と対策 1 : 評価基準が曖昧 → 基準を明確にしつつ、1 on 1 で定期的に確認
本来的には評価は「仕事の成果」「役割の重要さ」「能力」などに対して行うものです。「テレワークかどうか」は、多くの場合、評価基準には関係しないでしょう。「テレワークだと評価しづらい」という懸念が出てしまうのは、成果・役割・能力などの評価観点がそもそも不明確であり、雰囲気評価になっているからではないでしょうか。

そこでまず行うべきは「評価基準をすり合わせる」ことでしょう。マネージャー自身が評価制度の理解を深め、メンバーに対して評価基準を自分の言葉で説明できることは重要です。

また、評価基準の達成度を知るためには「毎週の 1 on 1 」は欠かせません。 オフィスに比べて各自の動きが見えづらい分、コミュニケーションの機会をつくり、その中で各自の取り組みや姿勢、プロセス、成果を把握するように努めましょう。
(毎週の 1 on 1 についての詳細は以下参照↓)

要因と対策 2 : 評価の納得感がない → 評価前の説明、評価時の説明
評価は、メンバーのモチベーションを大きく左右します。評価に納得感がないと、仕事の意欲に大きく影響し、場合によっては退職要因にもなります。テレワークにおいては、飲みニケーションなどでフォローがしづらいため、評価が重要なものとなります。

納得感を出すためにも、やはり「評価基準をすり合わせる」ことは重要です。どうすれば評価されるのか(されないのか)を説明しておくことで、仮に結果が不本意なものであったとしても納得感を高められます。

課題4-4 : 不満を把握しづらい

仕事をしていれば、誰でも嫌なことや辛いことがあります。愚痴を聞いたり適切にフォローすることでモチベーションを維持することもマネージャーの役割の 1 つです。しかしテレワークでは、これらを発見する機会が少なく、不満がたまって爆発し、退職やトラブルにつながるという懸念があります。

この課題の要因・対策は「課題 : 雑談がしづらい」に近いため、ぜひこれらもご覧ください。その上で、さらにマネージャー視点で取り組める内容は以下の通りです。

要因と対策 1 : 不満を直接把握する仕組みがない → ギャップアンケートで把握する
雑談や会話をする仕組みがあっても、「不満を伝える場」ではないので、人によっては遠慮し、不満を言い出せないことがあります。特に上司と部下という関係性があると、尚さら言いづらいでしょう。直接的に不満を把握する仕組みとして「ギャップアンケート」は行う価値があります。自分のチームだけでなく会社全体で実施することで、チームとしても会社としても大きなトラブルの予防になります。
(ギャップアンケートの活用の仕方は以下参照↓)

今回のまとめ

業務で成果を出すためには、チーム内で円滑にコミュニケーションできる必要があります。しかし多くの企業経営者・マネージャーには、リモートでのコミュニケーションに関する不安を抱えている様です。

今回紹介したパターン別の分析と解説により、課題ポイントが明快になったのではないでしょうか。ぜひパターン別に紹介した対策を実践することによって、必ずやテレワーク環境でのチームビルディングに成功して頂けることを願っています。


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