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ポップインサイト創業記

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会社創業の悪戦苦闘について、経験・学びの言語化もかねて創業記として振り返っていきます。起業を考えている人に参考になるよう、できる限り具体的な内容を伝えていきます。
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2020年6月の記事一覧

ポップインサイト創業記(25)〜企画倒れに終わった大手ASPとの代理販売契約

初月度から数件の売上を上げることができ、順調なスタートを切ったポップインサイトでしたが、実は上手く行ったことばかりではなく、当初の目論見が大きくハズレた部分もありました。今回はそんなエピソードをお伝えしていきます。 大手ASPを交えた代理店販売の期待取引先の1社がユーザーテストをとても気に入ってくれて、「是非、自社のクライアント全てを対象に広く導入したい」という申し出がありました。その企業はアフィリエイトを幅広く展開する大手ASP企業で、取引先を数十社と多く持っていました。

ポップインサイト創業記(24)〜圧倒的速度が信頼獲得のカギ

私は起業してわずか1ヶ月の内に、初期の最重要顧客である『データアーティスト社』(当時アイオイクス社)とのパートナーシップを築くことができました。今回はその秘訣をお伝えしていきます。 初期商談で夢を広げるいよいよ念願だった、アイオイクス社事業部長の作左部さんとお会いするアポイントメント当日を迎えました。 当時私が特に念頭に置いていたことがあります。それは、せっかくユーザーテストを導入してもらうのであれば、単発の発注に対応するだけでなく、クライアントに重要視して頂いて、その会

ポップインサイト創業記(23)〜DLPOとの出会い

起業初月には、ポップインサイト初期の最重要パートナーである、『データアーティスト』との繋がりを得ることが出来ました。今回は、その出会いのエピソードについてお伝えしていきます。 ABテストとはデータアーティスト社は、『アイオイクス』という会社から分社した企業でした。アイオイクス社はSEO対策の会社です。このアイオイクス社が『DLPO』というツールを提供していました。 DLPOとは『ABテスト』のツールです。 私はこのABテストはユーザーテストと凄く相性が良いと着目していまし

ポップインサイト創業記(22)~使いやすいサービスを目指して試行錯誤

起業当時の私は、実際の納品を行う中でクライアント目線に立ったサービスのブラッシュアップを、徹底的に行なっていきました。今回はそんな当時の取り組みをお伝えしていきます。 動画データは使いづらい当時のユーザーテストは、テストを実施している状況を収録した録画データを納品して、サービス提供が終了という形が一般的でした。私の前職のビービットも、モデルにしていた海外のUserTesting.comも同様。動画をクライアントに納めるというのがゴールです。 私も、起業前のポエガさんや、ト

ポップインサイト創業記(21)〜初月売上は47万

独立起業して『ポップインサイト』を立ち上げた私は、いよいよ本格的に事業を開始しました。会社設立は1月23日でしたが、前職を退職したのは、日付を会社に預けていたため2月1日でした。今回は、ポップインサイト初月度の営業活動を、どのような感じで展開していったのかをお伝えしていきます。 起業前の売上は約20万円以前の記事((6)〜サービス完成前にプロモーションLPをリリース)でもご紹介したように、私は起業前の段階で、既にLP(ランディングページ)を作って、反応を検証していました。

ポップインサイト創業記(20)~最初のオフィスは六畳一間

いよいよ新会社ポップインサイトとしてスタートするために、オフィスの物件探しをしました。今回はその時のエピソードをお伝えします。 ユニークなビジネスモデルの不動産屋さんに探してもらう新しいオフィス物件探しをするに当たって、知人から『クリアビジョン』という不動産屋さんを紹介してもらいました。 ▼クリアビジョンのホームページ https://clear-vision.co.jp このクリアビジョンという会社がなかなかユニークな会社で、ベンチャー企業向けのオフィスの仲介に特化し

ポップインサイト創業記(19)~会社設立は税理士事務所に依頼

今回は、新会社の設立手続きをどう進めたかをお伝えします。会社を設立するに当たって最初に私が重視したのは、税務に関しては始めからプロに依頼して注意深く行うということでした。 大切な税務は始めからプロに依頼することにする会社を設立するに当たって、私がまず最初に気に掛けたことは、税務をきちんと行うということでした。行政も税金に関してはとても厳しい事は分かっていましたし、納税はミスなくきちんとした形で行いたいと思っていました。 特に、知識が無いために、悪意なく間違った手続きをして

ポップインサイト創業記(18)〜人生のメンター嶺井さん

私には、嶺井政人さんという人生のメンターと呼べる存在の方がいます。今回はそんな私のメンターに纏るエピソードをお伝えしていきます。 人生のメンター嶺井さん嶺井さんは、元々早稲田大学の時の1年上の先輩でした。実は、早稲田大学に在籍していた時に、彼は既に自分で会社を作っていたのです。『もっとnext』という会社を学生起業家として自分で作っていました。 卒業後、嶺井さんは『モルガンスタンレー』に入社。その後、ベンチャーの『マイネット』というマザーズ一部上場の企業に副社長として入社

ポップインサイト創業記(17)〜創業資金の捻出と株割合

起業していく上で言いにくいことを言わなくてならない場面がたくさん出てきます。会社経営をしていく上でそういった『言いにくいことを言う覚悟』はとても大切です。 創業前の資金集め私は当時から、創業時も役員報酬はきちんと取るべきだと考えていました。一般的に創業時は利益が上がりにくいので、役員報酬をカットしがちです。しかし、自分達の役員報酬を極端に下げて生活ができないレベルにしては、健全な会社経営とは言えません。 そこで、ある程度お金をきちんと集めてから会社を作るべきだと考えました

ポップインサイト創業記(16)〜撤退基準は1年以内の単月黒字の達成有無

話は少し前に遡って、退社する事を決断した時のエピソードになります。当時の私はOEM戦略に今後のサービス展開の可能性を見い出せたものの、私はまだ起業に踏み切るか止めるのか最終的な結論を出せずにいました。 退社するかしないか大いに逡巡するその頃、私には1歳位になる子供がいました。流石に子供が小さいし、いきなり起業へと踏み出す勇気が持てませんでした。その為、私はまだこの時点では、副業を続けながら小さい形で展開していく方が良いのではないかと思っていました。 一方、パートナーの喜多

ポップインサイト創業記(15)〜円満退職にむけた4つの工夫

OEM戦略の見通しを立てることができた私は、退職して独立起業をする決意を固めました。退職する際には何よりも「立つ鳥跡を濁さず」ということを心掛けました。 最後の印象はとても大事当時私は、先輩が嫌な感じで会社を辞める様子を結構沢山見ていました。例えば退職期限をゴリ押しして、自分の主張を通す形で揉めながら辞めていった人も少なからずいました。 私はそういう様子を見て「こういう辞め方は良くないな」と思っていました。これまでお世話になった会社ですので、それはとても不義理に見えました

ポップインサイト創業記(14)〜CMOは前職先輩

初期からの最重要クライアントの1社に『ソウルドアウト』という企業があります。ソウルドアウトさんはリスティング広告の代理運用をする会社で、今では東証一部上場している企業です。 CMOは前職の先輩ソウルドアウトさんが行っているサービスの『リスティング広告』とは何か。GoogleやYahooのような検索エンジンの検索結果の1番上や下に表示される広告のことです。 このリスティング広告にはものすごく大きな需要があります。検索連動型広告と言われるその市場は数千億円と言われ、2018年

ポップインサイト創業記(13)〜展示会で逆営業し、パートナーを獲得

直販をスパッと止めてOEM戦略を採る事にしましたが、起業するに当たり事前に数社の有力販路を持つことが必要だと考えました。 クロスコミュニケーションさんと展示会で出会う私達の初期の有力顧客の1社に、今でも取引が続いている『クロスコミュニケーション』という会社があります。 クロスコミュニケーション社はクライアント向けのシステム開発会社です。クロスマーケティングというリサーチ会社の子会社で、旅行会社などの大手企業のシステムを制作する会社でした。 この『システム開発』というビジ

ポップインサイト創業記(12)〜アルコ黒須さんとの出会い

有力販路を拡大するために努力していた結果、比較的初期の段階から中心的なクライアントになってくれたビジネスパートナーが数社できました。それは『クロスコミュニケーション』『アルコ』『ソウルドアウト』『データアーティスト』の4社でした。 アルコ黒須さんとの出会いは勉強会初期の重要な顧客の1社にアルコさんという企業がありました。当時の窓口だった黒須さんは、今ではアルコを退社されていますが、今も大変懇意にして頂いています。 黒須さんと出会ったのは、私が起業前に開催していた勉強会でし