ポップインサイト創業記(14)〜CMOは前職先輩
初期からの最重要クライアントの1社に『ソウルドアウト』という企業があります。ソウルドアウトさんはリスティング広告の代理運用をする会社で、今では東証一部上場している企業です。
CMOは前職の先輩
ソウルドアウトさんが行っているサービスの『リスティング広告』とは何か。GoogleやYahooのような検索エンジンの検索結果の1番上や下に表示される広告のことです。
このリスティング広告にはものすごく大きな需要があります。検索連動型広告と言われるその市場は数千億円と言われ、2018年時点で6千億円という非常に巨大な市場です。
リスティング広告は入札制になっています。つまり同じワードに対して、より上位に表示させるには、競合よりも高い価格を設定する必要があります。人気のキーワードの1番上に表示させるためにはワンクリック数千円などの高額設定が必要になることもあります。
このリスティング広告の運用を企業が自社でやるのはかなり大変です。そこで、リスティング広告の代理運用をやる会社に依頼することになります。
特に地方の中小企業は、リスティング広告へのニーズがあるものの、あまり上手く使いこなせていないという傾向があります。そこで、ソウルドアウトさんは地方企業を中心に応援しようという強い想いを持って取り組んでいる企業でした。
その当時、ソウルドアウトさんに長谷川さんという役員(CMO)がいらっしゃいました。
長谷川さんはソウルドアウト入社する以前は、私が勤めていた『ビービット』に所属していました。中途でビービットに入社してすぐにマネージャーになったという大変優秀な方でした。
単なる広告運用から、ユーザ視点で改善し、成果を出せる会社への脱却
リスティング広告の運用会社は、どうしても検索結果の画面しか見ないという傾向になりがちです。つまり、上位に広告を表示させるには、どのような金額でどのように成約させるかという表面的なテクニック面だけを重視しがちなのです。
しかし、リスティング広告というのは、その先のページが良いものでなければ、どんなに頑張って検索結果だけ上位表示できても成果が出ません。逆にそちらをきちんと良いものにできれば、同じ検索表示であっても成果は上がります。
つまり、もっとサイト全体をユーザー視点に立って本質的な面から改善していかなければ、抜本的な課題の改善はできないのです。
つまり、どういったサービスにどのようなバリューがあり、どんなユーザーがどのようなニーズを持っているから、このようなキーワードをこの様な形式で設定する、というユーザー視点に立った深い考察をしないことには真の問題解決は出来ないのです。
長谷川さんは、リスティング広告会社の、検索結果を上位表示できればそれで良いという姿勢に異議を唱え、ユーザー視点に立ってホームページの改善まで含めた真にクライアントへの貢献をしていく、というマインドを会社に根付かせたいという思いを抱いていました。
長谷川さんは、ビービットで学んだユーザ分析の視点を導入するためにCMOに就任されて、『成果改善室』というチームを設立されていました。
ユーザテスト×リスティング広告という可能性
そこで当時、私は長谷川さんに、ユーザーテストをソウルドアウトさんのリスティング広告のサービスに掛け合わせることを提案しました。
「私がリモートでユーザーテストをしますので、それをOEMでクライアントさんに提供してはいかがですか。そうすることで安価で大きな価値をクライアントに提供できるのではないでしょうか」と提案したのです。
元々長谷川さんはビービットでユーザーテストのメリットを良くご存知でしたので、直ぐに大変好感触を得ることができました。
職場での繋がりは将来とても大事
実際に、私達が起業した後に、長谷川さんからは発注を度々頂きました。リスティング広告にユーザーテストを掛け合わせることで、長谷川さんのニーズである、顧客への真のコンバージョンアップの提供を実現出来たからでした。
長谷川さんとは、前職のビービット時代にお会いしていたのですが、そこで良い関係を持てていたことが、優秀な方と共に大きな成果を得ることに繋がったのでした。
ここからも、職場での同僚との繋がりは、将来に向けてとても大事な物であるということを実感しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?