【2023年最新版】スーパーゼネコン各社の強み弱み【24卒】
はじめに
近年、建設業は海外進出を進めるのみならず、デベロッパーや電力、他にも宇宙事業といった興味深い分野にも取り組み始めています。
インターネット上に出回っているスーパーゼネコンの情報は数年前のものが多く、直近の情報は各自で得る必要があります。
そのため、変革の最中にある現在のスーパーゼネコン各社の特徴や今後の方針をまとめていきます。
少し長いですが主に24卒、25卒就活生の方に参考にしていただければと思います。
※この記事は2023年3月に作成したものです
そもそもゼネコンって何?
まず簡単にゼネコンとは何か。
ゼネコンは建設に関わることはナンデモ出来ます!といった業界です。
ちなみに建設業=建築業ではなく、建設業=建築+土木業を一般に指しています。建設業者にも様々な種類があり、約500万人の労働者が日々働いています。
ゼネコンの中でも売上高が一兆円を超えるゼネコンをスーパーゼネコンと言い、日本に5社存在します。建設業と聞くと、住宅をトントンと建てるイメージがありますが、スーパーゼネコンは主として国を代表するデカい規模のモノを請け負っています。
大成建設、大林組、清水建設、鹿島建設、竹中工務店の5社です。
今回は未上場の竹中工務店を除いた4社を紹介していきます。
スーパーゼネコンのデベロッパー化
スーパーゼネコン各社は近年、建築・土木・不動産開発事業の三本柱で行こうとするほどに開発事業に力を入れています。開発事業は売上高こそ大手デベロッパーにはまだ及びませんが、設計・施工からデベロッパー事業と全て自社でできる強みを活かせるためか、営業利益率が10%〜40%と非常に高く、旨味のある事業のよう。
(もっと早くから注力していれば、、、)
そのため開発事業はスーゼネ各社、現在頑張っております。
銘柄コードの早い順から紹介し、直近の3Q決算資料に注目します。
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大成建設
国交省のデータから、今期に関しては国内の建設需要は増加傾向にあるとのことなので、国内受注高アップ↑、海外受注高アップ↑となっていますね。一方、建材や人件費増加により販管費がアップし、営業利益は減少しています。これらの流れはスーパーゼネコン各社でも同様と言えそうです。
大成建設は、「全国の法定再開発案件の約20%に関与し、大手ゼネコンで実績No.1」とホームページで謳っているように、開発事業が特に強いとのこと。
今回は直近の3Qから引っ張ってきましたが、おそらく通期だと開発事業の売上高だけで1000億円を越え、森ビルの売上高の半分ほどまで迫っているほど勢いがあるようです。
他にも興味深い点として、スーパーゼネコンの中でも大成建設は、ハウスメーカーとして子会社に大成建設ハウジングを持っており、戸建ての注文住宅にも対応しています。高層ビルでも採用している技術を用い、他社ハウスメーカにはない対火・耐水・耐風・耐震を実現しているそう。参考↓
中期経営計画の【TAISEI VISION 2030】では売上高2兆5千億円を目標に掲げています。これを達成するには、今後の市場環境を踏まえると海外売上を伸ばすとともに、開発事業の売上を伸ばすしかありません。しかし開発事業の全体に占める売上高はまだまだ小さいため、海外工事で売上高を獲得するほか手はないです。
そのため、大成建設は海外事業の拡大がキーとなります。
海外工事のネックな部分として利益率の低さが挙げられるため、営業利益はしばらく低い水準で推移するでしょう。(他も同様)
今後の取り組み
今後の海外事業の一例です。今期は海外土木事業の受注が順調でした。
・ラオス 首都ビエンチャン上水道拡張事業 治山・治水 (CP-1)
・シンガポール地下鉄・クロスアイランド線-プンゴル分岐線P103工区
大成建設の考える、月の地下に未来都市を作る構想は見ててワクワクします。
すでに大成建設では「月面環境に適応するSLAM自動運転技術の開発」が進んでいるそうです。
大林組
大林組は建設事業の海外売上比率が約25%となっており、海外進出がかなり進んでいる印象です。受注高に関しては海外比率30%を越えており、スーパーゼネコンの中で現状最も大林組は海外比率が高いと言えます。北米で高い実績がありましたが、直近ではそれ以上にアジア圏(ベトナム、シンガポールなど)の受注高が急増しており、アジアでの活躍が増えそうです。
大林組は風力発電などのグリーンエネルギー事業にも力を入れています。日本の32ヶ所に発電所を設け、不動産事業と同様に4本柱のような規模感で事業を進めています。なお不動産事業のシェアは高くないものの、営業利益率の高さはピカイチです。
一方、海外建設事業の利益率の低さも相まって、建設事業の営業利益率は低く、今後も不透明な建材高や人件費、DXへの投資を謳っているためしばらくは低い営業利益率となることが予想されます。
今後の取り組み
今後の海外事業の一例です。
完成すれば世界で一番高い182mの木造構造物となります。
大林組はスカイツリーといい、高い建築物の技術に定評があります。
・オーストラリア アトラシアン・セントラル新築工事
大林組は2050年までに作ると謳っている「宇宙エレベーター」で有名です。今では高校の英語の教科書にも載ってるそうです。数々の紹介がYoutubeでもされているため、日本中が注目していることが伺えます。
清水建設
清水建設は非建設事業の分野がかなり幅広いです。イチゴ事業、ロケット事業、LCV(ライフサイクルバリュー)事業などなど。実際、売上高に占める「その他」事業の割合が22%とかなり大きいです。
上場しているスーパーゼネコンの中で、清水建設は現時点で売上高・時価総額ともに一番低い数字となっておりますが、中期経営計画の「SHIMZ VISION 2030」によると、売上総利益に占める非建設事業を35%まで増やし、海外比率も25%を目指すとのこと。少しずつですが、非建設事業も海外売上も伸びてきているため順調と言えそうです。
今後の取り組み
今後の海外事業の一例です。
・ジャカルタ MRT南北線2期工事で地下工区「CP202」
スーパーゼネコン各社、土木分野での海外進出が特に伸びています。
清水建設には宇宙の低軌道に大型ホテルを建設する構想があります。地球からロケットで来た旅行客に、地球の景色や無重力体験を楽しんでもらう宇宙ホテル。この進捗は未だ不明です。
鹿島建設
鹿島建設は現在、スーパーゼネコンの中で売上高No.1。直近で話題になった熊本TSMC工場も鹿島建設が施工することになり、今後数年、売上高No.1の傾向は続きそうです。なお鹿島建設の海外売上比率も大林組に肉薄しています。
また、鹿島建設はスーパーゼネコンの中でもいち早く開発事業に取り組み始めた背景もあり、開発事業の売上高は1600億円と、スーパーゼネコンの中で最も高いです。特に海外での開発事業に力を入れており、国内の開発事業は大成建設、海外の開発事業は鹿島建設の印象です。
今後の取り組み
こちらは開発・設計・施工・運営を鹿島建設が一括で担っている海外プロジェクトです。今後のライフサイクルマネジメントに注目です。
・インドネシア ジャカルタ 大規模複合施設「スナヤン・スクエア」
「次の現場は、宇宙です。」と魅力的なキャッチコピーを掲げています。宇宙居住が可能な人工重力施設の研究を京都大学と共同で進めています。
まとめ
中期経営計画などのIR資料を読み、この道に進む自分のためにも、今後の糧にできればと思い調べてみました。
就活の参考資料の一つとなれば幸いです。
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趣味の株式投資のツイートが多めですが笑
•投資するならスーパーゼネコンのどこに投資するか?
•最近の実際の労働時間は?
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