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見習いなしの漁師

こんばんは、POPAIです。

最近目標のためにやるべきことが多すぎて、一つ一つ楽しいんですが、完全に回ってない状態です。
焦っても逆効果だし、それぞれが疎かにならないように日々調整して楽しみながらやっていきたいと思ってます。

ではお話し入ります。

祖父祖母が漁師で、以前祖父の元で2年くらい漁師を手伝っていました。
漁師を手伝い始めて1年が経った頃、祖父が病気で亡くなり、その頃一緒に漁をしていた親戚が舵をとる(指揮をとる)ようになりました。
僕自身祖父が亡くなる寸前に船舶免許をとりました。
補足なんですが船舶免許って、実技が2日しかなくて実技の船も釣りをする人が4人乗れるくらいの小さな船で、漁船はその何倍も大きいんですね。

分かりやすく自動車で説明すると、普通自動車免許を取りに行ったのに、いざ運転する車は大型トラックっていうイメージです笑
なので船舶免許を取ったからといって、すぐ操縦して仕事ができるってわけではないんですね。

祖父祖母ともに僕が漁師を継ぐことを望んで、僕も免許を取らせてもらいこれから頑張るぞっていう意気込みだったのですが、祖父が亡くなってから一緒に漁をしていた親戚の当たりというか態度が明らかに変化して、理不尽に怒られたり、怒鳴られたりすることが多くなりました。
船の操縦の方も親戚がしていましたが、僕もせっかく免許を取らせてもらい、操縦にも慣れなきゃ行けないと思い舵を取りましたが、そう簡単に操縦できるものでもなく、もたついてるうちに波や風で船が流されてしまったりして操縦が上手くできませんでした。
親戚は僕が失敗してから
「全然ダメだ」
「船が壊される」
など、言われどうすれば上手くいくのか尋ねても
「自分で考えろ」の一点張りで僕自身船を運転するのが次第に嫌になり、仕事に行くのですら憂鬱になりました。

それでも、辞めるわけには行かないと思ってやっていましたが、ある時その日の業務が終了して僕のプライベート時間にトレーニングをしに街に出ました。
トレーニング中に親戚から電話がきて、
「今すぐ作業場に来い」
ということで僕はトレーニングを中断し、作業場に向かいました。
着くと、
「どこに行ってた?」
「また筋トレか?」
「漁師やる気あるのか?」
と言われ、僕もプライベート中にまで呼ばれて説教されてることに流石に腹が立ち
「仕事終わった後に何をしようが勝手だろ」
と話すと親戚から
「漁師はそんな甘くないんだよ」
「筋トレするか漁師やるかどっちか選べ」
この一言で僕は漁師から身を引くことにしました。

祖母に辞めるとだけ言い残し、村からも出て違う場所で暮らし始めました。
それから祖母と連絡も顔も合わせずに2年が経った頃、祖母から着信がきており何気なく僕もどうしているかなと気になり、折り返し電話をしました。
元気にしてるかと言う内容で結婚して子供も産まれ元気に暮らしていることを伝えると、子供も見たいから連れてきてくれと言われ、後日会いに行きました。
それから頻繁に会うようになり、漁師の話もするようになりました。
僕はてっきり、親戚が漁師を引き継いでやっているんだろうなーと思っていましたが、権限はまだ祖母にあるらしく、親戚を雇う形で漁師を続けていました。
祖母は身体もきつくなってきたし、来年の出荷で漁師を辞めると話していて、親戚との関係も上手くいっていない様子でした。
祖母から「漁師に戻ってこないか?」と言われ、そこから数日間めちゃくちゃ悩みました。

戻ったらまた親戚と一緒に仕事しなきゃ行けない
船を運転できる自身もない
機械類の操作もわからない
教えてくれる人がいない

この中でも教えてくれる人がいないことが1番僕の中で大きい悩みで、祖母は一連の業務内容は長年やってるから分かりますが、船を操作したことはないし、機械類にも触れたことはありません。
僕自身も一連の業務は祖父の元でやっていたのでなんとなくわかっていましたが、船や機械類の操縦はほとんどやったことがありませんでした。

漁師に戻ってもそこでつまずくことは目に見えていましたが、YouTubeなどいろんな動画見ればできるんじゃないかと思い、漁師に戻ることを決断しました。

漁師に戻ってからは案の定、親戚は教えてくれる訳はなく、僕が漁師に戻って数日たって別な漁師の方に雇われてそれから来ることはなくなりました。

僕が戻ったのはホタテの出荷作業で1年で1番忙しい時でした。
夜中の1時に出港し、沖合にでて真っ暗闇の中船のライト一つで海を見ながら自分たちのホタテを養殖している部位を探すのですが、暗闇でなかなか見つけることが出来なかったり、ホタテの養殖施設には「玉」という浮きが数え切れないくらい海に浮かんでいて、その上を船で通ってしまうとプロペラに縄が絡んでしまい、プロペラが回らなくなり船が動けなくなってしまいます。
他の漁師の養殖施設も混じり合っているので、他の漁師の玉をプロペラに絡めたりすると大迷惑です。
他の漁師の玉に絡めてしまって身動きが取れなくなったりして助けてもらったり、教えてくれる人もいないでできる訳ないだろと言われたり、厄介者扱いされたりしてきました。

漁師に戻ってまだ1年経っていませんが、1日1日必死にやると意外にできるものです。
正直、海に出るのがめちゃくちゃ怖かったし、いろんな人からバッシング受けるのも辛いし、まだまだわからないことがたくさんあります。
初めは孤独でも必死にやってれば教えてくれる人も現れるし、コツコツ身体に染み込んでいきます。
見習いながらの方がどう考えても習得は早いです。
でも、見習いなしだからこそわかることもあるし、何より出来るようになると自分に自信が持てます。

これから先漁師をずっと続けるかは分かりませんが、漁師に戻ったことで見習いなしでも出来るという自信が持てたことはこれからの人生において価値あるものです。

これから沢山のことに挑戦していきますがこの学び、自信を生かしていきたいと思います。

漁師に限らず他のことでも、必死に努力すればできるようになります。
できない自分ではなく、できる自分を想像して取り組んでいきましょう。

今日は長くなり、話がまとまっていないですが朗読いただきありがとうございました。

これからnoteでは僕の体験談のお話もしていきたいと思います。

今日はこの辺で。

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