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クラシックバーガー(マイアミ)|Viva Food Culture!〜世界食文化紀行

今や世界的なファーストフードの代名詞とも言えるハンバーガー。その発祥は諸説あるけれど、19世紀にアメリカで、屋台売りされたことが現在の形の始まりだと言われている。店ごとに色んなアレンジがあって、現在進行形で進化している食文化の最前線とも言える。起源の地、アメリカでクラシックなバーガーをいただいた。

 2024年10月。ハリケーン「ミルトン」到来直前のタイミングで、マイアミに行った。どうやら過去最大級の大きさのようで、入国審査官からも「このタイミングでマイアミかぁ…」と言われる始末。

 しかも、マイアミ空港に着いたらいきなり空港が封鎖!空港内で不審物が発見されたとのことで、空港職員も旅行客も、一様に避難させられる。物々しい雰囲気だ。

空港封鎖。空港職員と旅行客は、このように駐車場に一旦避難となった。

 なんとか空港を脱出したら、雨が降り出した。ハリケーン上陸は明後日らしい。せめて、今日のうちにアメリカらしいものを食べておきたいと、夜の街に繰り出した。

 しかし、どこも一様に早仕舞いのようだ。ギリギリ開いていたダイナーに入ると、ウェイトレスさんが済まなそうに「ハリケーン準備で後30分で閉店なんですが…。」という。「OK!ちょっとだけでも食事できる?」と聞いたら、「もちろんどうぞ」と言ってくれた。ありがたい。

 ようやく腰を落ち着けて、メニューを見る。日本からの長旅でお腹が空いていたので、バーガーとビールをいただくことにした。お腹がグゥっと鳴る。待ち遠しい。

サクッとトーストされておいしかった。

 ややあって、注文の品が届いた。飴色の炒めタマネギ、とろりとしたチーズ、薄めだがギュッと味の濃いパティが2枚。シンプルにして小ぶり、旨みがギュッと集中したバーガーだ!

 サクッとトーストされたバンズが、味のトータリティを引き上げる。噛むほどに、濃厚な味が広がっていく。

ポテトフライは熱々で超ボリューミー

 つけあわせにはポテトを頼んだ。サクッと揚げたて、ビールによく合う。バーガーの濃い味、やや薄めの味付けのポテト、交互に食べると、とても好相性だ。

 ハンバーガーは19世紀のアメリカの立ち売りが起源だとも、ドイツの船乗りが肉をパンに挟んだものが起源とも言われる。21世紀に生きる日本人の自分が、嵐の前の夜に、それをいただいてホッと一息ついている。

 ハンバーガーを作り出した先人が誰だかはわからないが、このひとときを頂けたことに、時空を超えて感謝だ! 

ガブリといただく!

 店内の人はすでにまばらで、徐々に片付けが始まっている。この辺りは、先週もハリケーン被害があったようなので、慎重になっているのだろう。なかなかこういうタイミングに出くわすこともなさそうだ。

 「明日は、閉店にする予定なんです。とにかく、様子見ですね」

土嚢がしっかり積まれている

 一足早く閉店した近隣店舗には、土嚢がしっかりと積まれていた。

 明日は、どんな日になるのだろうか。ここマイアミで食べたいものはたくさんあるが、それはまさしく、風まかせ。

 強くなってきた風の中、わたしは宿に戻った。


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