見出し画像

他人に気を遣う分だけ、自分にも気を遣えたら良いのに


「あなたが思っているほど、他人はあなたのことを気にしていないのよ」
「気を遣いすぎ。楽に生きなよ」

私が特段仲のいい人にだけ本音をぶちまけると、大体こんな言葉が返ってくる。
っていっても、私が本音をぶちまけた機会なんて数えるほどしかないし、ぶちまけた人なんて30年近く生きてきて片手で収まる程度の人数に過ぎない。その1人に母親が入るあたり、え、私生き辛い生き方しすぎてない?と思うのだけど。

最近よく言うHSP(ハイリーセンシティブパーソン)なんて言葉に自分が当てはまるんじゃないかなあ、なんて思いながらも、なんだか認めたくない気持ちがある。
でも私がハイリーセンシティブ(非常に感受性が強く敏感な気質)であることは否定できない。
飲み会や仕事中に発言した言葉をあとになって異常に後悔して、「まちがったな〜あのときあんなこと言わなきゃよかったなあ〜」なんてお家で脳内反省会をすることなんてしょっちゅうだし(大体そう言う時は独り言言ってる)。
無表情な人だとか、いつもと違う仕草を見せる人がやけに気になって、怒ってるのかもしれない、私が不機嫌にさせたのかもしれない、ともやもやしてしまう(そして仕事中よくわからんミスをするクソ野郎)。

今は気の知れた恋人ができて、その人が家にいてくれるから1人で思い悩んでバッドモード、までなることはなかなかない。
だけど実はと言うと最近、とんでもねえ疲れを感じている。
ここまで人に気遣って生きるのめんどくさ!!!!!
でもそれをしない自分でいたことがないから、どうしてもやめられない。
あーもうだったら人に会いたくない。ずっとおうちにいたい。
でもそんなこと無理だし、仕事はしなきゃいけないし。

ぐらぐらのメンタルで、少しでも落ち着くために冷め切った珈琲を飲みながらこの文章を書いている。
足りない脳みそ絞り尽くして自己分析してみると、多分私の中には明確な形をしたスイッチがあるのだと思った。

オンオフのスイッチ。誰にでもあるとは思うけれど、私のスイッチは他人よりもきっとはっきりとしていて振り幅が大きい。
大体普通に生きてたら、外に出て知り合いに会う瞬間だとか、以前毎朝常用してたエナジードリンクを飲む瞬間にオンに切り替わるそのスイッチ。
通勤の際私は大体YouTubeを見るかネットサーフィンをしているが、職場の最寄駅に着いた瞬間、その当時当時のお気に入りのテンションのあがる曲を聴く。駅から職場までの数分間の間で、スイッチを切り替える準備をする。
職場に入って「おはようございます!」なんて高らかに言って元気なキャラを演じた瞬間、スイッチがオンに切り替わる。

演じた、なんて言い方をしたけれど、嘘の自分を作ってるわけではなくて、「八方美人で場の雰囲気を壊さないためにピエロのようにおかしなこと言って笑う」自分も、きちんと本当の自分なのだ。

オンオフスイッチをはっきりと持っている私は、行き帰りの電車を人と共にするのがとてつとなく嫌いだ。たとえ一駅でも同僚や友達と一緒になるのが嫌で、わざと用事があるフリして回り道になってしまう帰り方を選択するくらい。飲み会の終盤になると誰がどの路線で帰るのか気になってしまったり。異常でしょう?
でも電車の中は私にとってもうオフの時間だったりするので、そこで余計な気を遣って話したり笑ったりするのはとてもとても苦だ。電車って音もうるさくて、相手の声も聞こえづらいし。変な沈黙が続いたりしたら逃げられないからもう最悪。

最近とんでもねえ疲れに襲われているのは、このオンオフスイッチがちょっとバグってしまったからに違いない。

2021年は、わりかしつい最近までオフの時間が多い余裕ある生活を送っていて、でも近頃仕事を詰め込み過ぎて忙しかったりして。エナジードリンクの常用を健康のために辞めていたせいで、スイッチを切り替えるタイミングを見失っていたりして。これはいかん、とまた飲み始めたら飲み始めたで、変にオンの時間が続いてしまったり、オフの時にどっと疲れがやってきたり(エナジードリンクは元気の前借りらしいですし)

オフの時間がもっと欲しい、というよりは、オンに切り替えてくれる絶対的緊張感をくれる何かが普段の日常に必要かも知れない、と思った。
いやオフの時間ばかりで生きていけたらそれほど幸せなことないんだけど。大人になってまでそんな甘えたこと言ってられないから。

ちゃんとスイッチをオンにしなきゃいけないくらいの刺激と緊張感。
今の私の生活に足りないのはきっとそれ。

こんな私の文句を聞いたら、うだうだ言わずにそんなスイッチなくしてしまえよ、なんて思う人もいるかもしれない。
でも、30年近く貫いてきたこの生き方をなくしてしまっては、それはきっと私じゃなくなってしまう。

過剰に気遣わないで生きていきたいと思う。
でも私は、全く気遣わないで生きている人を羨ましさよりも、本当に腹立たしく感じる瞬間の方が多い。
そうなってまで生きやすくなりたいとは思えない。

「あなたが思ってるほど、他人はあなたのことを気にしていないのよ」
他人が気にしなくても、私が誰よりも気になるんです。
「気を遣いすぎ。楽に生きなよ」
これが最大限の私の楽な生き方なんです。

私はこのめんどくせえ性格を貫いて、ハイリーセンシティブなパーソンらしく、生き辛え世の中で息していこうと思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?