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両手からこぼれるほどの

人間いつか死ぬ。
私は今は、人が死んだら無になると考えている。

人間いつか死ぬ。
いつか死ぬし、その事実からは逃れられないのに、どうしようもなく死ぬことしか考えられない瞬間がやってくるタイミングがある。
これは、俗にいう「病んでいる」とかいう大事なことではなく、幼稚園年長さんの頃から、私のところから離れないものだ。

人間いつか死ぬ。
その日は必ずくるのに、今そのことしか考えられなくなって何も手につかなくなって苦しくなる自分を嘲笑してしまって、その傲慢さに自分が呆れてしまって、もう十数年の付き合いなのに仲良くなることができない。

人間いつか死ぬ。
21歳の私の考えでは死は無だ。
それにもかかわらず目の前の素敵なことに心があたたまってしまう現実と、それに寂しさを感じてしまう幼さ。


私の両手ではかかえきれないほどの、素敵を毎日一生懸命こぼさないように、だいじに、お裾分けしながら、死ぬまで這っていこう。

そんなおねつな思考をビール片手に、目の前の素敵な同期や先輩家族と乾杯をしている傍ら、心に持っている。

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