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私が彼の目を見れないとき

サプライズをしたと、嬉々として語っていた。彼女だった人に、花を贈ったと。○年前、と言うものだから、必然的にあの子の事だとわかった。目を上手く見れず、上手くは笑えなかった。

ホテルで、車のトランクで、手紙、動画、風船、花。

数々のサプライズ話は、彼とあの子との愛と時間を物語っていた。私なんかが太刀打ち出来る訳ではないことは分かっていたけれど。少しでも彼の大切な人になれたと思い上がっていた。

私は、彼の紳士的なエピソードを聞きたかった訳では無い。ただ、英国紳士みたいな人と交際したら幸せそうだね、と言ってみただけ。自信満々にあの子との思い出話を語られたところで、それはあの子とだったからでしょ?と思わざるを得なかった。

私はあなたが好き。それを知っていてそんな話をするということは、やっぱり私はあなたにとってそういう対象ではないのだろう。恋とはこんなに残酷なものだったか。


もし、万が一、億が一、何かの天変地異が起きてお付き合いすることができたとして、私は何度あなたの行動に、言葉にあの子の影を感じるのだろう。どっちに転んでもバッドエンド?はい。

最近私は、あなたと話をする時に苦しくなることが増えました。もはや、あなたのなんでもない話でもあの子のことが浮かんでしまうから。勝手に苦しくなって彼に気を遣わせる権利などないけど。

彼女ではないから。

まだ対等でもないから。


彼女になる予定も、資格も、全部ないから。


離れたいのに、諦めたいのに、あなたが何度も私を引き止めるから。周りは都合のいい女に成り下がった私、として見ているけれど。私はあなたを信じたかったから。

それでもやっぱり上手く目を見て話すことが出来ないし、そういう時はあなたの発言に、態度にあの子を感じているから。

私はもっと価値のある、そういう人間だと思っていた。まだ信じている。のか?

私がこれ以上成り下がらないように、早めに手を打ちます。夏が終わる前に。

最後はあなたの目を見て。

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