現在の景気循環の進捗と予想

※真ん中の白色の太い実線がTOPIX、破線がシクリカル(景気敏感株)、実線がディフェンシブ(内需株)、電機-黄色の太い実線、情報通信-青の太い実線

第17循環? 2021/1~現在(ポストコロナ相場)

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現在です。2021年になって本格的に回復期待を背景に長期金利が上昇しシクリカル優位相場となりました。ベストパフォーマは海運・鉄鋼・空運・自動車のようなシクリカルと銀行セクター。一方でワーストパフォーマは医薬・食品・電気ガスといったディフェンシブセクターです。
 ここからは予想になります。過去のパターンから学べたことは、相場の終わりは継続的な利上げによって需要サイドが衰退するまで続くということです(コロナや戦争などの極端なことがない限り)。またインフレ圧力は景気回復局面で起きやすく、需要サイドが強い間は少なくともデフレは起きないということです。
 今回は2023年に初めて利上げするだろうとコンセンサスが形成されています。テーパリングは早くて今年始まるとコンセンサスが形成されてますが、テーパリングをするほど景気が良いということになりますからテーパリングをしたくらいでは株価が下落することはないでしょう(需要衰退しないから)。
 しかし、今回の景気循環の長さは歴史的な低金利と緩和策の最中ですから少し慎重に考える必要があります。利上げのスピードで全てが決まると思いますが、需要が強いまま供給側の歪みが解消されず、インフレが加速するとスピード感ある利上げを実施するでしょう。インフレが落ち着くなら年1〜2回程度でゆっくりと引き上げられると思われますので、そうすれば好況期は伸びると予想されます。しかし前回の景気循環からわかったように、好況期が伸びればピーク懸念の意識が強まり、ディフェンシブ優位の相場になりやすくなります。
 今回、海運や鉄鋼セクターが急ピッチで上昇していますが、これは供給サイドの歪みによるオーバーシュートの可能性もあると考えます。しかし、景気回復による需要の強さは暫く続くでしょうから上昇トレンド自体は間違いと見ています。その他、リオープン絡みの空運、陸運、一部小売、サービスセクターにも注目しています。景気循環という大きな資金の流れの中、合理的な資金のアロケーションをしていきたいと考えます。

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