朗読者 (ベルンハルト・シュリンク)

よお、本を読んでも映画を見ても教養が身につかないので困っています。アウトプットした何とかなるわけでもないらしい。
※この記事はタイトルの作品のネタバレを含みますので、ご注意ください。


あらすじ

病弱な15歳の少年はある日、母親ほどの年齢の女性に恋に落ち、情事を重ねる。しかし女性は突然失踪してしまう。そこには戦争中の過去が原因していた…


総括

ドイツ文学の翻訳ということで、全体的に取っ付き難い印象を受けた。叙情的な表現が多く抽象的な感覚や答えのない命題が問われ感受性が死んでる馬にはなんのことやら。しかしテーマとしての過去の罪との対面、ヘイトの方向づけ等戦争の歴史的な扱いを再考させられるお話でしたね。


推しの登場人物

主人公のパパが最も自身の立場を客観視できていると思いますね。最近哲学的な思想が好きなんですよね。法律という形式的倫理から脱却して俯瞰するというか、どうしても理論は人間が合理的、一般的であることを前提とし過ぎていると感じないか?


内容について

自由と尊厳を守ることが必ずしも幸福に繋がらないという部分を語りたい。本書の肝要は過去もとい歴史に基づく教育の道徳観の形成なんだろうけど無視だ。昔から自分がされて嫌なことはしちゃいけないよ等を言われて育てられてきた人が多いと思うけど、一方で自分がされて嬉しいことは他人に施すべきという観念の危うさについて語られることはほとんどなかったと思う。あんまり具体的な事例が思いつかないんだけども、例えば"お節介"、"余計なお世話"という言葉があることから本来善意の具現化であるはずのものが、善く捉えられていないという感覚が存在するということは間違いないそう。例えば安楽死など世の中には一定数社会的に望まれるべきではない行為(犯罪等他人の権利を侵害するものを除く)を望む人がいる中でも、それが認可されていない現実がある。そこには歴史的教育の中で善悪を刷り込み、疑念を抱かせない力があり、自由と尊厳について考える機会が剥奪されていると考える。そうした感覚形成が人からの善意を反故にする罪悪感を生み出してるんじゃないか?最近のVtuberの荒れてる問題も他人を目的物とし、主観の善意を押し付けて過敏に反応しすぎなんじゃないかと批判的に思っちゃうね。他人に施す行為は事実ベースで考えるべきそう思いました。





それでは、現実に戻ります。では、

(なお、上記の文章は以前ツイッターにて投稿したものを泥棒してきたものである。誤字脱字等の推敲は施すが、当時の感性の味を存分に味わえるよう加工はほどほどにしてある。)


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