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「なにを聞けばいい?」失敗しないヒアリングのコツ


こんにちは、ルートです。
デザイナーとして避けては通れない重要な工程「ヒアリング」。
今回は「ヒアリング」を成功に導き、クライアントの本質を引き出す方法をご紹介したいと思います。

「何を聞き出せばいいのかわからない・・」
「聞くこと、話すことで満足してしまい、必要な事を聞けなかった」

実際私も「ぶっつけ本番でなんとかなるやろ!」と安易に考えていて、上司と共に伺ったヒアリングで、ほとんど発言できずに足を引っ張りまくった記憶があります。
ヒアリングが苦手な方や抵抗のある方へ、効果的・効率的にヒアリングを行い、有意義な時間にするための参考となれば幸いです。

1.ヒアリングは事前準備が8割

まずはじめに、ヒアリングの目的は現状の課題や問題点を引き出すこと。
その為には、相手のことを深く知らなければなりません。

「どういう商品で、どういうお客様が購入されているのか」
「現状どれくらい売れているのか」
クライアントをしっかりと理解した上で臨むべきです。

実際は会話の流れや案件の種類によってある程度質問する項目は左右されるので、「完全なテンプレート」みたいな物は存在しませんが、ベースをある程度作成しておき、クライアントの業種やサービス、案件の種類に応じてマイナーチェンジしていくと、軸のブレないヒアリングが可能となります。

今回は実際に私がベースとして使用している質問内容を下記に掲載します。
このベースを基に、クライアントの課題や案件の種類によって聞く内容を都度変えていくイメージです。
参考程度に、よかったらご覧ください。

大きく分けて【現状】【ターゲット】【差別化】【トーン・マナー】【内容・素材の問題】の5つのカテゴリーに分けています。


1 現状
■どういったお客様が購入されている?
(コスパ重視? 味重視? 生産者重視?)
■現状どれぐらい売れている?
■ご依頼いただいた経緯
■利用した方のレビューや感想があれば

2 ターゲット
■どういったお客様に購入してほしいのか
■ターゲットの属性
(性別・年齢層・何が好きなのか)

3 差別化
■他の商品との違う部分は何か
(競合優位性)
■選んでもらえる理由
(お客様はどこに価値を感じているのか、ベネフィット)
■類似商品は存在するのか

4 トーンとマナー
■会社や商品の雰囲気
■トンマナについての留意点
(どのくらいまで振り切っていいのか)

5 内容素材の問題
■いただける写真や素材はどのぐらいあるのか
■撮影は可能なのかどうか


2.カッコつけずに、とにかくなんでも聞く

ヒアリングが進む中で、クライアントから商品についての説明や会社についての説明をされている時に、ふと聞き慣れない単語が出てきたとします。
当然、不明な点はすぐにでも質問するべきなのですが、さも当たり前かのように説明をするクライアントを見て、

「こんな簡単な事も知らないのかと思われたらどうしよう・・」
「知識不足だと思われないだろうか・・」

きっと、このような不安に苛まれる方もいらっしゃると思います。
プロとしてお伺いをしているので、なるべくかっこ悪い所を見せずに終わりたい、という気持ちがあるというのも普通のことです。

しかし、
知らないまま制作を進めて中途半端な物をお見せする方がよっぽど恥ずかしいです。

クライアントが日頃は使い慣れている言葉で常識だと思っていることでも、専門外のコチラからしたら活きの良い新鮮な情報であったりします。
以外な所から課題解決に結びつくヒントが得られるかもしれないので、常識の範囲内であれば何でも聞いてみるべきです。
ヒアリングが上手くいかないと、クライアントからの修正をもらって作り直していくうちに、お互いに何が正解か分からなくなって疲弊してしまうことがよくあります。

3.全員が同じ方向を向くこと

デザイナーに何かを依頼する、ということはクライアントからすれば何か課題があっての事だと思いますが、それが本当に課題なのかどうかが明確でない場合もあります。
つまり、「売上が落ちた」「商品の知名度が低い」「広告の効果が薄くなってきた」など、クライアントが自身が何らかの不満を持っているけど、それが漠然としている。本当は別に解決すべき重要な課題が存在しているのに、それが何なのか気づいていない状態。

私たちデザイナーの真の役割は、クライアントに提示された課題を解決する為のデザインをするだけでなく、本当の課題を見つけ出し、その課題に向かってクライアントを導くことにあると思います。
ヒアリングとは、その本当の課題を見つけ出す為の「診察」の場でもあり、
「診察結果を共有する場」。
クライアントを含めた関係者全員が真の課題を理解し納得することが重要です。
同じ船に乗っているメンバーが、進むべき道に対して間違った理解をしてしまい、間違った方向に舵を切ると結果乗客全員が不幸にしてしまいます。
ヒアリングを通じて、1本筋の通ったアウトプットが出来るように心がけましょう。

4.まとめ

今回はデザイナーが行うヒアリングについてお話しました。
デザイナーはパソコンに向かい作業をする職人気質なイメージが未だに持たれがちですが、実際はパソコンに向かう前の工程が重要だったりします。

「人と話すのが苦手な自分でも上手くできるのだろうか・・」
このように感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
事実、私も初対面の人と話すのは得意な方ではなく、ヒアリングに対して苦手意識があり、最初は殆ど発言できずヒアリングが終わってしまうこともありました。

ですが、今回まとめた内容を意識しヒアリングに臨むことで、大きく芯を外すことは無くなりました。

いきなり完璧にこなす必要なんかありません。
ちょっとした成功が自信に繋がり、徐々に結果として現れてきます。

今回の記事が、皆さんのヒアリングを成功に導く一助となれば幸いです。

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