今流行しているP2Cとは何?D2Cとの違いとメリット
近年、インターネットやSNSなどの普及によって個人で仕事を行ったり情報発信をしたりすることが一般的になりつつあります。フリーランスの人口も増え、これからは個人が活躍する時代だとも言われています。そんな時代に注目されているのが「P2C」です。
1つの会社で定年まで勤めることが当たり前だった時代が終わりを告げ、来たる個人の時代に知っておきたい「P2C」について具体的に見ていきましょう。
P2Cって何?
P2Cとは、個人が自分で商品やサービスを作って個人の消費者に対して販売するモデルを指す「Person to Consumer」の略称です。
情報を発信できるさまざまなプラットフォームを利用して、誰もが知名度を高めることが可能な「個人の時代」において、P2Cはこれからさらに利用者が増えていくことが予想される販売モデルです。
個人が個人に対して販売するというのがP2Cの定義なので、P2Cを行うために必ずしもインターネットを利用する必要はありませんが、今回はインターネットでSNSなどのファンを増やし、認知度を上げてP2Cを行うケースについて解説します。
D2Cとの違い
「P2C」と同じような言葉に「D2C」がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?
D2Cは「Direct to Consumer」の略で、直接消費者に向けて販売を行うモデルのことです。消費者に直接販売する「2C(to Consumer)」の部分はP2Cと同じですが、異なるのは主体が「企業」なのか、「個人」なのかというところです。
メーカーから卸し、小売店で販売するというこれまで主流となっていた流通経路ではなく、自社のECサイトを活用して直接商品を消費者に向けて販売するのがD2Cです。
P2Cが注目されている背景
では今、P2Cが注目を集めている理由とは何なのでしょうか。
インターネットでの購入が当たり前になってきたから
近年、インターネットの普及や物流システムの進化により、直接店舗に足を運ばなくても商品を手に入れることができるようになりました。
インターネット上で商品やサービスを買うことが当たり前となった現代において、P2Cも違和感なく受け入れられる時代が来たと言えます。
個人が力を持ったから
ここ最近はSNSなどで個人がさまざまな発信をし、影響力を持つことも一般的になりました。
さまざまな発信を行う個人が増え、個人が利用できる販売チャネルも増えています。
最近ではインフルエンサーが商品の企画やブランドの立ち上げを行い、SNSなどで自らが広告塔となるケースも。有名YouTuberのブランドが大手通販サイトとコラボするなど、今や企業も個人の力を借りる時代。P2Cに注目が集まるのは当然のことですね。
P2Cのメリット
P2Cを採用するメリットはどこにあるのでしょうか?具体的な魅力を解説します。
広告費がかからない
P2Cのビジネスモデルは、行う個人が一定のインフルエンス力を持っていることが前提となっていることが多く、本人が広告塔なのでわざわざ広告を打つ必要がありません。
どんな商品やサービスもまずは消費者に知ってもらわないと売れないため、多くの企業が広告宣伝費に多くの資金を投入しています。個人のインフルエンス力によるところが大きいとは言え、P2Cのビジネスモデルは広告費をかけずにより大きな利益を得ることができます。
販売前に見込み客を獲得できる
ファンが多ければ多いほど、インフルエンサーの影響力は強くなります。
インフルエンサー個人に魅力を感じてついてきてくれるファンは、商品自体に価値を感じるというよりは「インフルエンサーが販売しているから」購入することも多く、そのようなファンを多く持つインフルエンサーは販売前から多くの見込み客を獲得している状況です。これは商品を企画する上でも非常に心強い状況と言えます。
販売数が推測しやすい
今や、ブログやSNSなど情報発信の場を持っていない人の方が珍しくなりつつある時代、情報発信の場も一つではなくさまざまなものがあります。InstagramやYouTube、オンラインサロンなど……。
SNSはフォロワー数が明確にわかるだけでなく、簡易的なアナリティクス機能もついています。また、単純に「いいね」の数などからアクティブなファンの数を推察することもできます。これらがどれくらいの販売数が期待できるかを推測する手助けになるでしょう。
製造数や仕入れ数は利益率に大きく関わるもので、しっかり見極めたいところ。ファン数が可視化されている中で行うP2Cは安定した収益を作りやすいと言われています。
P2Cを行う上での注意点
魅力的な手法であるP2Cですが、誰もが簡単に利益を出せるというわけではありません。P2Cを行う上で、どのような点に注意すべきでしょうか?
フォロワー数は多いに越したことはない
フォロワー数が少ないと商品の認知度が上がらず、思うように販売数が伸びないということが起こりやすくなります。1つのコンテンツで大きく注目を浴びて人気になる方もいますが、そのようなことはなかなか難しいため、日々コツコツと需要のあるコンテンツを発信し続けることでファンを増やしていきましょう。
フォロワーの質も重要
一昔前、Twitterにおける、いわゆるアルファツイッタラー(フォロワー数が多い人気アカウント)が相次いで書籍を出版したことがありましたが、数万人以上のフォロワーを持つ人気アカウントでも全く本が売れない、というケースも多かったそうです。P2Cにも同じことが言えるでしょう。多くの登録者やフォロワーを獲得すれば、誰でもP2Cがうまくいくわけではありません。
特にSNSは無料で利用できるため、コンテンツを無料で見ることに慣れているユーザーに対して、いきなり有料の商品やサービスを販売するのはハードルが高いことも。
登録者やフォロワーの中には、個人を熱狂的に好きなユーザーもいれば、コンテンツが面白いからフォローしているユーザー、何となくフォローしたけどあまり熱心には見ていないユーザーなど、さまざまな属性があります。
P2Cを行うためには、個人のファンになってくれる方を増やすのが販売数を伸ばす近道の一つです。
顧客のニーズを満たす商品でなければいけない
SNSなどであなたのフォローをしてくれているユーザーは、何をあなたのアカウントに求めているのでしょうか?フォロワー達がどのようなことに興味を持っており、どんな商品を欲しがっているのかを分析して商品開発を行うことで、売上を伸ばすことができます。
例えば、メイク動画やファッション等の動画で人気のインフルエンサーが美容に全く関係のない商品を販売しても、販売数を伸ばすことはなかなか難しいのが一般的です。
自分のフォロワーが何を求めているのか、ニーズを探ることは重要です。
P2Cを成功させるためのポイント
P2Cを成功させるためにはどのようなことを行えばいいのでしょうか?
アクティブなフォロワーを増やす
アクティブなフォロワーが多数いれば、よりP2Cは成功しやすくなります。コアなファンを抱えていれば一定の売上を見込めるでしょう。さらにファンが商品を他の人に宣伝してくれれば、フォローしていない層にもアプローチすることができます。
アクティブなフォロワーを増やすには、まずアクティブなアカウントとしてフォロワーが求める情報をコンスタントに発信していきましょう。
需要のある商品づくりを行う
ファンが求めていない商品を作っても販売につながる見込みは低いです。販売する商品やサービスのジャンルや価格帯など、しっかり見定めて企画することが重要です。
活動を長く続けられるかどうか
一時的な発信だと売上を保つことはできません。活動を今後も続けられるのかをしっかりと考えてからP2Cを始めましょう。
フォロワーを増やすために継続的な情報発信が必要であるように、P2Cのためにインフルエンス力を維持し、ファンを増やし売上を保つためにも、情報発信や活動を継続しなければいけません。
まとめ
最近は個人が多くのプラットフォームでさまざまな情報発信をできるようになり、一億総メディア時代とも言われ、個人の情報発信力がかつてない程高まっています。SNSなどで大きな影響力を得る人々も増えており、個人として個人向けの商品を販売するP2Cを始める方も増えています。
P2Cはこれからも伸びていくと予測されるビジネスモデルです。副業としても本業としても行うことができるので、興味がある方はぜひP2Cにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?