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これからは「個人の時代」?必要なスキルや働き方について学ぼう

貿易の自由化やインターネットの普及などグローバル化が進んだ現代においては、さまざまな国の商品だけでなく、価値観にも触れる機会が増えました。そのためか、従来の価値観や考え方だけを正しいとするのではなく、新しいものも受け入れ認めていこうという動きが広がっているようです。

近年、「多様性」という言葉を耳にしたり、暮らしの中でも目にすることが多くなっていますね。

多様性を良しとする考え方は、人生観や生き方だけではなく働き方にもその傾向が見られるようです。例えば大手企業が地方創生のため都心部から拠点を移したり、厚生労働省が複業に関するガイドラインを改定するなど、一昔前には当たり前だった枠組みが大きく変わりつつあります。

常に変化する時代の流れにうまく乗るために、私たちはどうしたらよいのでしょうか?「個人の時代」と言われている新しいこれからの生き方について、その背景やこれから必要とされるスキルなどを学んでいきましょう。

生き方や働き方が変わる?

目に見えたルールがあるわけではないのに、「個人の時代」に移行したと言われてもどのように振舞えばよいのでしょうか?そもそも「個人の時代」とは何なのでしょうか。

まずは、その背景とこれからについて解説します。

「風の時代」への移行

「個人の時代」と言われる理由についてはいくつかあります。1つ目は占星術でいう「風の時代」との関連です。2020年12月を境に、200年続いていた「地の時代」が「風の時代」に変わったと言われています。と言われてもわかりにくいですよね。

具体的には「地」が意味する「物質・お金」に価値があるとする時代から、「風」が意味する「情報・コミュニケーション・自由・個性」といったものに価値を見出す時代へと変化することを指しているようです。人々が価値を感じるものが、所有できるものから所有できないものへと移行するということであり、最近一気に普及したサブスクは風の時代にフィットしたビジネスモデルだと言われています。

占星術の話やスピリチュアルなことにはピンとこないと言う方もいらっしゃるでしょう。もう少し、具体的な世の中の変化に沿った理由についても解説します。

労働人口の減少

2つ目の理由は、かねてより日本で問題になっている少子高齢化です。働き手が減少しているため、社会は新たなマンパワーとして女性・外国人・高齢者といった多様な担い手を求めています。人と同じことができるだけではなく、多様なスキルを持っている人材を受け入れることで、企業自体の幅も広がってくると考えられているようです。

「組織」の力が絶対であった時代から、「個人」のスキルを求められる時代に変わりつつあります。

冒頭でも触れましたが、大手企業が地方創生のため都心部から拠点を移すといったケースは時代の変化のひとつです。何らかの理由があり都市部で就職しなかった人もいることでしょう。しかし企業側が地方進出することで、今までは出会うことのなかった人材に出会う可能性が高まります。

在宅勤務などの就労形態とも組み合わせれば、全国規模で優秀な人材を募集することも不可能ではなくなりました。働く側からしても様々な理由で諦めていた働き方を、場所や条件といったハードルなく受けられるようになる利点があります。

世代の特徴

「個人の時代」と言われるようになった3つ目の理由は「インターネットの発展」です。特に、ミレニアム世代以降の人たちは子どものころからネットに溢れる情報を目にし、多様な生き方を知る機会が多かったため、従来の枠にとらわれない生き方を見つけようとする思いが強い傾向にあります。

SNSの利便性や危険性を前世代よりもよく理解しており、なおかつSNS上で社会的な情報を共有したり、自分に本当に価値があると感じられるものに尽力したいという思いが強い世代であり、経験や出来事などに価値を感じ、「自分」の基準をしっかり持っている人が多いとも言われています。

「組織」か「個人」か

直接雇用以外にも、クラウドソーシングやアウトソーシングといった間接的に業務を提供する形態を選択する企業が増えています。また、フリーランス人口が増加し、国も副業を後押しするなど、働き方の幅が広がったことも近年起こった変化のひとつだと考えられています。

強みを持つ「個人」は必ずしも企業に所属する必要はなくなりました。企業に雇用されることがなくても、必要な時に必要なだけ協力できる体制があれば仕事が成り立つような時代となっています。

さまざまな専門性を生かし、仕事としてアウトプットできる方法が増えたことで、自由で柔軟な枠組みを求める人たちは、自分自身にあった働き方を見つけることに価値を見出しているようです。

これからの時代に必要なこと

新型コロナウイルス感染症の流行は、私たちの生活習慣に大きな変化をもたらしました。これまで当たり前だった価値や概念が大きく変わりつつあります。

マスク生活や外出の自粛が当たり前となり、在宅勤務が珍しいものではなくなり、テレワークやリモートワークという言葉も一般的になりました。

大きく生活が変わることでストレスが増えた方もいることでしょう。その一方で、生き方や働き方などを根底から考え直す機会があった方もいらっしゃると思います。前向きにこれからを生き抜くために、「個人の時代」とどう向き合えば良いのでしょうか。

変わらず必要なスキル

「個人」の多様性が尊重される時代になったとはいえ、手元に積み上げてきたものの価値がなくなるわけではありません。「個人の時代」にもこれまでと変わらず必要なスキルについて解説します。

・キャリア形成

経験やスキルのように強みとなる武器は多いに越したことはありません。語学力を高める、資格を取るといったことは積極的に取り入れていきましょう。また、学歴が全てではありませんが、学歴や経歴は一種のステータスであり「信用」を手に入れられる一つの方法です。

今後求められるスキル

「個人の時代」へと移行することで必要なスキルも変わってきます。今後求められるスキルについてしっかり確認しておきましょう。

・自分の市場価値を知る

「価値」というと強い言葉のように聞こえますが、これは「個人の時代」において自分を売り出していくための長所や強みといった意味です。自分ならではの思考・知識・技術を客観的に知ることで、自分に合った場所ややり方で働くことができます。

・発信力を高める

インフルエンサーのような立場ではなくても、インターネットまたはSNSが身近になった今、気軽に自分のスキルや価値を発信していくことができるようになりました。これを使わない手はありませんよね。

自分では当たり前のことでも、人によっては非常に価値のあるものかもしれません。または関心の高いことを共有したり、面白いことを紹介するといったやり方も魅力的かもしれませんね。

やりたいことで生きていく

「風の時代」では自分が楽しい・幸せだと思うことに重きを置いていこう、という傾向にあるようです。

今まで、「周囲と同じであること」や「苦労や我慢をすること」が良いことだと言われた経験はありませんか?生き方や働き方の幅が広がっている今、「やりたいことで生きていく」というのは当たり前と思われるかもしれません。やりたいことが自分のモチベーションになれば、責任感を持ちながらもポジティブな気持ちをもって生活することができるようになるでしょう。

「個人の時代」に新しいビジネスモデル

この項では、すでに始まっている「個人の時代」におすすめの新しいビジネスモデル「P2C」について解説します。

P2Cとは

「P2C」もしくは「P to C」とはビジネスモデルのひとつです。「Person to Consumer」の略で、個人が商品を企画・販売するスタイルを指しています。言葉としては新しいのですが、最近ではSNSで活動するインフルエンサーが多く取り入れているビジネスモデルのため、ビジネスモデルとしてはご存じの方もいらっしゃるかと思います。詳しくは、以前のnoteも参考にしてくださいね。

D2Cとは

対になるビジネスモデルとして「D2C」もしくは「D to C」というものもあります。こちらは「Direct to Consumer」の略で、メーカーなどの企業が小消費者へ直接販売する取引形態のことを指します。

 P2Cをおすすめする理由とは

「個人の時代」にP2Cをおすすめするのには2つの理由があります。「スキルや技術を生かしたビジネスができる」こと、「自分のお店を気軽に持つことができる」ことです。それぞれについて解説していきますね。

スキルや技術を生かしたビジネスができる

これまで自分が得てきたスキルや技術を提供するため、得意分野でチャレンジすることができます。またSNSなどでその情報を発信すれば、共感してくれる人の反応を事前に知ることができるため、市場からどのくらいの評価を得られるかが目に見えてわかります。実際にそれをどのような形でビジネスにつなげればいいか戦略を立てることができるので、ある程度の見通しをもってビジネスを始めることができるでしょう。

自分のお店を気軽に持つことができる

現在では個人がネット上で商品やスキルを販売できるツールが増えたため、比較的簡単にネットショップを開設できるようになりました。難しい技術をあらかじめ学ぶ必要はなく、ツールを使うことでオンラインショップの開設や商品の販売まで可能になったため、P2Cへの敷居は低くなっているようです。

変化する時代に乗り遅れないように

2020年を境に「風の時代」「個人の時代」という新しい流れへの変化が起こったと言われています。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行や世界情勢の不安定さなどによって未来に対する見通しを持てなくなっていることやそれに伴う「当たり前の変化」が、これからの生き方を考えさせられるきっかけになった方も多いようです。

個人レベルではなく、地方進出する大手企業や完全リモートワークで仕事を完結できる働き方など、社会全体の枠組みも日々変わっています。

時代の変化は流動的ですので、「いずれ『チームの時代』に戻るだろう」と考えている人もいるようです。しかし、「多様で魅力的な個人」を求める流れは今後も続くと考えられています。企業に属するかどうかは別にしても、これまでの経験や高いスキルを提供することはその人個人の強みになります。従来よりもっと柔軟な枠組みでの働くことが当たり前になる日も近いのかもしれません。

副業や複業、フリーランスといった働き方は以前からありますが、今回ご紹介したP2Cというビジネスモデルなどを生かし、多方面に渡って専門的なサービスを提供できる人が今後も増えることが予想されます。私たちがそのサービスの恩恵を受けられる機会も増えることでしょう。また、お互いに必要な時に協力し合える関係性を構築することができれば、個人でも企業でも「自分のやりたいこと」で成果を出すことができるかもしれませんね。

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