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音楽の聴きかた

最近になって、ようやく、音楽の聴き方がわかってきたかもしれない、と感じている。

音楽とは、そこに何か優れたものが書かれていて、それが得られるもの、と、ずっと考えていた。

哲学書のように。

だから、演奏ではなく、作曲に、興味の焦点を当てていた。

もちろん、そういう性格も持っている。

しかし、最近になって、演奏に注目するようになった。

演奏の中に、多くの気づきがあったからだ。

音楽を奏でる時に、なにかひとつの音を鳴らす時に、そのひとつの音で、何かを表現できる。

たったひとつの音に、さまざまな、考えられる限りの工夫をして、美しい音を、感情を込めた音を、静寂を開く音を、あるいはまた、空気を和らげる音を、聴く者に届けようとし、聴く者は、それらを聴こうとし、あるいは感じようとする。

そうして鳴らされた何千何万の音によって、ひとつの楽曲が演奏される。

だから、ひとつの楽曲に込められたものは、膨大なものになる。

そのような音楽は、飽きることがない。

何百回聴いても、必ず、新しい音があり、新鮮な感動がある。

そういうものだ、ということに、最近になって気づいた。

クラシック音楽、というものは、そういうものだ。


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