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月見バーガーと散文。




又吉さんの10年ぶりのエッセイが
発売するらしい。

月と散文 3月24日発売


その名も「月と散文」
なんとも又吉さんらしいタイトルだと
思った。

紀伊国屋書店で、
大きい看板の下で平積みにされている
大量の「東京百景」を手にとってから、
1ページ1ページ大事に読んで、
笑って泣いて、
付箋を何枚も貼った。
「ドブの底を這うような日々を送っていた」と帯にもある通り又吉さんが見た東京は苦しそうで、でもたまにその苦しさが羨ましかった。

本を100冊読んだら、
1000冊読んだら、
太宰治の「人間失格」を100回読んだら、
こんなに知的で面白くて、深い人間になれるのではないか?と考えてみたけれど、
又吉さんは又吉さんだし。
私は私でしかなかった。

とにかくすごく楽しみだ。
きっとまた大切な1冊になるだろう。

又吉さんは、
月と散文とタイトルにするくらいだから、
きっと月に何かを感じるのだろうけど、
私は夜に光る丸い月を見て
特に何も感じたことがないので、
今日は私が大好きな月見バーガーの話をしようと思う。

月見バーガー、
通常とは異なるソースのハンバーガー。
毎年9月から10月にかけての限定販売。
月見という名の目玉焼きがハンバーグとベーコン、そしてパンの間に挟まれる。

この月見バーガーが始まると
夏の空気が一変して秋の空気に変わる。

月見バーガーは、秋の風物詩。
日本のジャンクフード界を代表する
暦を伝える食べ物として評価してもいいだろう。
あの人もこの人も、
前の人も後ろの人も月見。
あんなに怖そうなヒゲのおじさんも月見。
マクドナルドの厨房は次々と鳴る「月見コール」に騒然としている。

この光景を目にすると、

「お!秋が来たな!」とワクワクする。

夜の帰り道。
月が見える帰り道で、
少し冷たい風が吹くと
「秋だな」と感じる。
右手には月見バーガーと、Mサイズのポテトと、カロリーを気にしたゼロカロリーコーラ。

とんでもないカロリーを摂取するけれど、
歩いているし、
月見バーガーは美味しいから
カロリーゼロだ。
脳が幸せになっているから関係ない。

月見バーガーが終わる頃。
季節はすっかり冬へと入り込んでいく。
秋の面影なんて全て捨ててしまったかのように。
実家に帰って、久しぶりに全身鏡をみると、
なんか丸い気がする。ほっぺとか顎とか。

「あんた、太ったんちゃうん?」
と容赦ない母の声。

「太ってない」「太ってない」
「誰のせいや」

その時、
やはりあの月見バーガーセットは
ゼロカロリーではなかったことに気付く。
歩いても減らないカロリー。
幸せはカロリーで買えない。気付いた時にはもうすでに3キロ増えていた。

もっと精進して参ります!!🧡 応援よろしくお願いします📖 (本代にします🙇‍♂️♥️)