「ファミチキください」を言えなかった私が広報課で 作ることを伝えている話
フェンリルのブランディング部で
デザインディレクターをしている 児玉 といいます。
私はフェンリルのブランディングに寄与する企画をしたり、デザインを作ったりしています。端的に言うとフェンリルってこんな会社だよーって社内外に伝え・浸透させるのが主な仕事です。
ご覧いただいている皆さんの身近なもので言えば、展示会の企業ブースやノベルティのデザイン、コーポレートサイトなどがあたります。
その中でも今年は特にテックカンファレンスのブース出展に関わることが沢山あり、その過程や現場で気づいた
作ることを伝えること。についてお話しします。
と、その前に…
ファミチキください。といえないコミュ力
気づきをお話します! と偉そうに言ってますが、
私、店員さんに話しかけることができなくて、
学生の頃、コンビニで「ファミチキください」が言えませんでした。
別に人が怖いとかじゃないんです。
普通に会話するなら困ったこともなかったですし、知らない人に話しかけられるのもストレスは少ない方だったと思います。
でも、どこか自分の手の届く範囲で納得できる情報や理由を見つけて買ってなかったんですね。
あの頃、何が怖かったんだろう?
(ファミチキのネットミームあるの知らなかった。)
ハグして乾杯すれば、ええやんの精神
何が怖いのかわからないまま成人を迎えた私を変えたのは、
クラブや立ち呑み屋のカルチャーでした。
共通の音楽を楽しんだり、美味しいものを美味しいねーと雰囲気を感じあう。この曲なんですか? って質問しちゃったりも。
好きなものや共感するものが似てると
声をかける心理的ハードルは下がることをそこで知りました。
それどころか、これいいよね! って共感してたらハグして乾杯なんてこともしばしば。
相手は何かのスペシャリスト! ということもよくあって、
エビデンスなしでも気軽に質問してました。
今思えばずいぶん無茶苦茶な質問とかしていたかと思います(笑)。
どうやら、私が怖かったのは、
間違えることによって恥をかく心理的負担でした。
この経験以来、
わからないからいいや。という自己完結はなくなって、
声をかける癖がついたり、人と仲を深めやすくなったりした気がします。
(でも、今って調べれば何でもある程度答えはあるから、スペシャリストに直接聞く。といった行動は減っているかもしれない…)
カンファレンスの解放感
さて本題です。
テックカンファレンスに参加して感じたのは、
みんなでいいもの作ろう! 知識を共有しよう! という一体感・ライブ感を参加者の皆さんがお持ちだ。という開放感です。
特定の技術をテーマにして集まるということは、
きっと自身との競合関係の方々も集まるはずです。
しかしそういった排他的な空気は感じられず、
むしろ、純粋に技術の向上や継続・発展のために皆さん意見交換をされているのを目の当たりにして本当に驚きました。
前職までのグラフィックデザイナー時代は、
ポートフォリオを持ち込んで自己アピールする文化で育ってきたこともあり、このオープンさはとても新鮮でした。
エンジニアの方々がすごいスピードで技術を進化させつつも振り落とされず、新しいプロダクトやクリエイティブを生み出し続けられる理由が
少しわかった気がします。
(過去を振り返ると、オープンソースの文化を初めて知ったときの衝撃の正体は多分これだったのかもしれない。はじめての出会いは EC-CUBE )
ただ同時に、伝えることへの課題もいくつか見えてきました。
課題① ちょっと何言ってるかわからない。
私たちフェンリルは伝え方も磨き続けています。
それはコピーライティングであったり、使用する写真だったり。
あらゆる面で考え作るのが私たちの姿勢です。
ですが、
ことさら横の繋がりを大切にするイベントでは
巧みな言葉で話をすると逆に伝わらない場面があるなと。
ブースを出展している現場で気づきました。
これでは本末転倒ですよね。
相手が期待している話と違うことをお話ししているんだと思います。
いわゆるブランド認知ための展示会やリード獲得のためのプロモーションではないので、開発に関する情報や想いをお伝えするのが良いでしょう。
(もちろん、事業やブランドミッションを聞きたいという方もいらっしゃるので、どちらの面でもお話しできるのがベストだと思います。)
課題② 技術の広報をもっと大切にしたい!
テック系カンファレンスで聞かれる「どんな会社ですか?」はビジョンや事業の話が主に聞いてみたい話ではなく、
「どんな技術が強みでどういったことを取り入れてるのか?」などの
開発に関わるお話しなのだと推測できました。
私は伝える事に関してプロですが、開発のプロではありません。
どんな物が好まれてカルチャーにハマるのか? を想像をしているだけでは絶対に伝わりません。
たとえ仮説・検証をしたとしても心に届けることは難しいと思います。
やはり、プロフェッショナルに直接尋ねて共創するのが
一番いいものが作れると思います。
その良い例が、この夏に作成したノベルティでした。
イベントの配布物はデザイナーとディレクターが企画をし、作成する場合が多いのですが、このノベルティは「エンジニアが貰って嬉しくなるもの」を作りたいという出発点から始まり、
「これは押し付けになる?」「これは事実に基づいてない 」という意見交換とアウトプットを繰り返しながら作成しました。
エンジニアメンバーの想いから形へと繋がった アイテムの完成です。
おかげでブースにお越しいただいた方々からは好評いただき、
「こんな詳細まで凝ってるんですね!」というお言葉も頂けました。
本質的な部分を理解していないアイディアは上辺だけの案になるので
エンジニアメンバーからの提案は本当にありがたかったですし、
何より嬉しかったです。
もっと積極的に、
開発メンバーとデザインメンバー双方に
アイディアや考え方を話し合う機会を増やしたいと思いました。
デザイン【と】技術
前述した様なことを怠ってしまうと
ある視点でだけ伝えてしまい、情報としても正確性がなくなるし、想いも代弁できません。
これはエンジニアとの話に限りませんが、
一歩間違うと解釈違いが起こってしまい、
デザインと技術 を デザイン【と】技術 みたいに分断して
伝えることもできてしまうのでそれは絶対に避けるべきです。
広報を中心とした伝えることって
社内外問わず繋がりをデザインしていくことだと思いました。
それも、コミュニケーションデザイン。とか大層な物でなくって、
シンプルに人間同士の 性別年齢関係なくハグして乾杯! の精神を大切したものなのかなって。
少なくとも私は、脳内に直接話しかけられないので、こうした地道な繋がりが大きな Happy になると信じています。
フェンリルで言うところの ハピネスを届ける。ですね。
最後に
カンファレンスを通して体感した
みんなでスッゴイもの作って、スッゴイからみんなおいでよ! って文化が
チームに根付くといいプロダクトがもっと生まれると思うので、
ハグ&乾杯(比喩表現)をたくさん増やすのが最近の目標です。
足りない物を足す。ではなく、繋がる事で増える。オープンな文化の醸成に
広報・ブランディングを通じて役立てたら幸いです。
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