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パニック障害がいつの間にか(ほぼ)治った話





2020年11月。



母と2人で街ブラをした日、突然それは起こった。

 


帰りのバスの中で突然胸が苦しくなり息が出来なくなる。 



何をしても何を考えても楽にならない。


バスは踏切と信号待ちで止まってしまった。
車内も満員だった。


どこにも逃げる場所がない苦しみに「このまま心臓発作でも起きて死ぬのではないか…」と私は死を覚悟した。



家まで15分ほどのバスだが、その15分がとてつもなく永遠に感じた。


死に物狂いで帰宅後に色々調べてみると、どうやらお昼に飲んだ濃いコーヒーによるカフェイン過敏症の可能性が浮上した。 

吐き気と目眩と動悸と呼吸困難。死にたかった。

(コーヒーが好きだっただけに辛かった…)


結局カフェイン過敏症なのかは検査してもらっていないが、その後カフェインを飲まずにいたら特に突然症状が出ることが無かったのでおそらく原因はカフェインの可能性が高い。


だが、体はあの時のショックを記憶していた。



その日以降、私はバスや電車に乗ることが難しくなってしまったのだ。

カフェインは体から抜けた筈なのに、バスや電車に乗るとあの日のトラウマが蘇るのか息が出来なくなり心臓の鼓動が倍以上に早くなる。
 

時には耐えられず倒れて救急車に運ばれたこともあった。

(直後の診察では異常なし、だった。)


もしかして…と精神科に行くと結果は、

「パニック障害」



広場恐怖、という現象で1度発作が起きた場所や似た状況になると強烈な不安を覚えてまた症状が出てしまうという。


私がバスや電車に乗れなくなったのは広場恐怖のせいだった。


車もダメだった。すぐ降りられない、密閉された空間がどうもダメらしい。

生活、どうするんだ…。


ずっと薬を飲み続けて私は何年もパニック障害と付き合わなければならないのか…?



そんな絶望の最中にいた時、助けてくれたのは栄養士の友人や体のことに詳しい周りの人達だった。

 

「鉄分、マグネシウム不足の可能性がある。」



パニック障害は、単に栄養不足でも起きるそうだ。

引き金はカフェインだったが、その後強烈に心拍数が上がるのはそれらが足りていないからかもしれない。


また、鉄とマグネシウムなどのミネラルが不足すると鬱病などの精神的な病にも繋がるのだそう。


他にもミネラル全般はバランスよく取る方が良いと言われたので、とりあえずバランスよく取れるミネラルの栄養剤を取る事にした。


「低血糖症が関係している場合もある。」




そういえば、私は社会人になってからやや低血糖の傾向があった。

仕事帰りに血糖値が下がりすぎて、フラフラして異常に汗をかく日もあった。


チョコや飴などを口に入れるとその場は凌げるが、甘いものを取ると更にその後下がり体がだるくなる。  


そういえば発作が起きる時、低血糖症のような体のだるさも共にある事に気付いた。


どうも低血糖になると体は危険を感じて血糖値を上げるため、急激に心拍数を高める事があるのだそう。


それがパニック障害に繋がる場合もあるとの事。


お菓子や炭水化物を確かによく食べる傾向にあったので、少しずつ減らしていく事にした。

「呼吸をしっかりと」



そういえば元々姿勢が悪かったので、そもそも酸素が入りづらい状態になっていた。

近年はマスクを常に付けなくてはいけない日が続いていたので、特にだった。
 

色々呼吸法を試したが上手くいかず。
(たいてい三日坊主。)


結局効果があったのは仕事中や家にいる時に気が向いたタイミングで丹田(へその下くらい)を意識した腹式呼吸をする事。


あとは朝に瞑想したのも良かった。


とにかく感情や恐怖と向き合いながらゆっくりと深呼吸をした。
 

パニック障害になると、自分に対して落ち込んだり絶望を感じる日が多くなる。


だがそんな時に励ましてあげれるのは自分しかいない。


自分を責める癖が元々あったので、その癖を見直して精神的に余裕を持てるように日々感情の整理を行ったのだった。


あとは睡眠と栄養、適度に散歩など軽く体を動かすことを意識的に続けること、半年と数ヶ月。




2021年の7月、私は仙台へと1人で向かう予定ができた。



勿論飛行機へ1人で乗らなければならない。
関西からの出発なので1時間以上はかかるだろう。


バスや電車はピンチになれば降りれるが、飛行機は空の上なのでそうもいかない。


しかもその当日、空港へ向かうバスが臨時休業になってしまっており慌てて違う飛行機に乗換える羽目になった。


予想外の展開にドキドキのバクバク。


そんな状況で飛行機に1人で乗るのは危険では…


少し不安になったので薬と水をポケットに忍ばせていつでも飲めるようにして飛行機へと乗る。




だが不思議なことが起こった。

全く発作が起きない!!



天気が若干荒れていたので飛行機はガタガタと揺れながらのフライトだったが、恐怖は無かった。

むしろ楽しくなってきた。


克服した!!!


薬を飲まなくても、1人で飛行機に乗れた!


そういえばいつの間にか電車やバスには自然と乗れるようになっていた。


気圧の自立神経失調から来ている可能性もあるので、今年の秋冬を乗り越えないとまだわからない部分もある。


それでも1人で飛行機に乗れたことは大きかった。



パニック障害は緊急の場合は薬があると便利だが、頼りすぎる前にそもそも生活習慣や意識を少し変えていくと自然とマシになっていく場合がある。


人によって程度が違ったりもするので一概には言えないが、試す価値はあるだろう。


必要な人へ届きますように。








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