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退職交渉の重要性 完結編 いざ交渉!


地方の転職コンサルタントが思う「退職交渉フェーズの重要性」シリーズ
やっと交渉フェーズに入ります(笑)

其の一 は 円満退職についてのお話でした。
其の二 は「(円満に向けた)退職準備編」
完結編の今回は スムーズに退職を認めてもらうための交渉術について。

※退職したい会社から酷いハラスメントを受けていて恐怖を感じられる場合や、体調不良等で早急な退職を希望される場合は別のお話です。
そういったケースでは無理に「円満退職」を心がける必要はありません。
事務的に進めることも難しいと感じられるなら「退職代行」なども有効な選択肢となります※


円満退職に向けていざ交渉!


◆「2週間で退職」だと喧嘩別れに!

労働基準法では、労働者は2週間前に告げることで退職が可能、とされているので、2週間の猶予があれば自分が決めた日に辞める「権利」があると思っている方も意外に多いです。

ですが、実際に二週間で退職しようとするのは、多くの場合で喧嘩を売る行為。
会社側にも事情があるので、この日に退職したいと勝手に決めても簡単には受理してもらえず、どうしてもと言い張れば、当然最後は喧嘩別れに。
円満退職は夢と消えます。

こんな時、労働基準監督署の方に相談しても「仕事に支障がないようにお互いに話し合って決めてください」と言われてしまいます。
決して「それは会社が間違っている!」とは言ってくれないことを認識しておきましょう。

◆引継ぎや社内状況を見極める

自分の仕事は責任をもって誰かに引き継ぐ必要があります。
ですが、すぐに隣の人に引き継げる幸運に恵まれる方なんて皆無に近いもの。

特に小規模の会社においては
「誰か代わりの人が入ってきて引き継いだら退職していいよ」 なんて言われてしまいます。
それでは何か月かかっても退職出来る保証がなく、次の転職先が決まっている人には受け入れられないお話ですよね。

ここで「退職準備編」でお伝えした、引継ぎに向けた水面下の活動やマニュアルが活きて来ます。
引継ぎまでに要する期間、消化したい有給日数、現職の繁忙時期 などをしっかり考慮して、多少の余裕をもって希望退職日を決めましょう。

◆希望退職日を記載した辞表を用意する

やっと行動開始です。
デジタルな時代になりましたが、退職希望をメールで伝えることはタブー。
フルリモートワークで全く会えない場合を別として、出社日が何日かある場合は対面で伝えたいところ。
今やネットでなんでも検索できる時代なので、辞表の見本、書き方などを確認して、きちんと封筒に入れて原本鞄や机に忍ばせておきましょう。

実は昔ながらのルールにのっとると、労働者側から退職希望日を伝えること自体間違っているのですが、そこは時代ということで片目をつぶってください。
こちらの希望をしっかり伝えつつ話し合いの姿勢を見せることが大事。

〇月〇日付で退職したいという旨をきちんと記載した辞表を用意した上で辞意の表明をしましょう。

◆上司への相談は冷静に、かつ芯を強く持って

今まで可愛がってきた部下からの突然の退職相談には、どんな出来た上司でも怒りたくなります。
何かに悩んでいるそぶりもなく順調に見えていたら尚更。
面倒見の良い方であれば、
退職ありきの相談ではなく、「現状の不満」「心配事」など、退職を決意した事情を聞き出そうと躍起になるもの。
辞表はとりあえずなかったことにして、「飲みに行こう」なんて口説きに入られるケースも少なくないでしょう。

ここで大切なことが、【冷静さ】と【謝罪と感謝の気持ち】です。

◆会社への不満を列挙することは逆効果

辞意を表明したら「何が不満だ」「困っていることを一緒に解決しよう」と手を差し伸べて貰えることがあります。
その問題が解決したら退職しなくても良いと思っている場合は、信頼できる上司に、不満や心配事について真剣に相談してみることで解決できる可能性もゼロではないでしょう。

ですが、すでにその段階は過ぎていて、新たな選択肢を歩き始めている場合は、その不満を一つ一つ挙げても時間がかかるだけ。
退職交渉のハズが、論点がすり替わり退職理由を潰される結果になりかねません。
もしくは、上司や会社への不満合戦になりお互いに嫌な気持ちになりそうです。

溜まっていた不満をぶつけたくなる気持ちも分かりますが、出来るだけスムースに退職を認めてもらうためには逆効果。
ヒートアップして、売り言葉に買い言葉にならないようしっかり注意を払いましょう。

◆針の飛んだレコードになりましょう

そもそもレコードって何? という世代の方、表現が古くてすみません。

アナログレコードの針が、盤面の傷や振動などによって跳ね、再生音が途切れること。音飛びで同じ個所を繰り返すこと。

という状態のことで、つまり、同じセリフをひたすら繰り返そうというご提案です。

怒りに対しては
「はい、仰る通りです。申し訳ございません。」
「〇〇さんには本当に感謝しています。」
「私がここまでこれたのはこの会社で育てて頂いたからです」

など、低姿勢で謝罪と感謝の意をきちんと伝えること。

そのうえで
「自分としても残念ですし、申し訳ないと思っていますが、退職の決意は固く、既に家族とも何度も話し合ったうえで結論を出しています」
と強い決意を表明。

ここまで来たら「退職準備編」で用意したマニュアルの出番。

「引継ぎについては・・・」

ときちんと仕事の状況を考慮し、退職の準備を進めていたことを示します。

お互いに冷静に仕事の状況を相談できるようになったらもう円満に向けて走り始めたも同然。
仕事の話が出来ない間は、相手が「こいつはもうだめだ」と諦めるまで、針の飛んだレコードのくだりを繰り返す。


◆ 例外
全く感謝していない、謝罪なんて絶対嫌、なんて思う方は、そこまで無理して「円満退社」に持って行かなくてもよいので仕事の責任だけしっかり果たせる用意をしてドライに淡々粛々と進めましょう。


いかがですか?
面倒かもしれませんが、この方法だと相手の立場も守りつつ比較的冷静に退職に向けた手続きを進められます。

会社によってはこんな面倒なステップを踏む必要は一切なく簡単に退職出来るので、あくまでも一般論。

ケースバイケースで、その会社に合ったやり方があるはずなので、周りの方がどんな退職の仕方をしているのか、
その時に揉めたかどうかなど周囲を見ながら計画を立ててください♪


長文にお付き合い下さりありがとうございました!


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