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退職交渉の重要性  其の一 円満退職は必要か?

北陸地方の転職エージェントに勤める古狸の独り言です。
これまで色々な「転職」のサポートをしてきた中でよく感じるのが
「求職者さんは案外【退職交渉】について意識されていない」ということ。

多くの方が、内定をもらうまでは本当に必死に考え行動されるのですが、内定を貰われると既にゴールについたかのような反応をされます。
あくまでも私の価値観では、ですが、転職活動において「最も気が抜けない」「最も辛い」と思うフェーズが「退職交渉」です。
そこで、これから数回に分けて「退職交渉フェーズ」についてお話していきたいと思います。


今日は其の一 円満退職について。

そもそも円満退職とは??

従業員が会社/組織から職を辞する時、「会社/組織が快く認めている」 「わだかまりない」形で雇用契約を解除できる状態のことを言います。
つまり、会社・従業員の双方が不満を持たず退職出来る状態 

となるのですが、
会社としては少なからず従業員に期待し投資してきているのですから、
本人に退職意志があり会社側も「辞めて欲しい」という意図がない限り、本当の意味での円満退職など殆どあり得ません。

それでも、今までお世話になった上司や同僚、お客様との関係を出来るだけ良好につなぎ、最後には「頑張れよ」という気持ちで送り出していただけると、その先の人生も気持ちよくスタートできると思いませんか?
でも実はこれって、職場の人間関係が「悪くない」ケース。

円満に退職したくないケース

もしもアナタが、退職したい会社から酷いハラスメントを受けていた、とか、出社することが苦痛、あるいは体調を崩してしまっている場合、
あえて会社に理解いただいたり、応援頂く必要はこれっぽっちも感じませんよね。
むしろ言いたいことを言ってすっきり退職したいと思うハズ。

また、こちらが円満に退職しようと切り出したら、とたんに態度が豹変し責めてくる会社も同様。

そんな会社であれば、出来るだけ接点を少なくスムースに退職できる方法をとりましょう。
「賠償責任だ」なんて暴れ始めるようであれば、いわゆる「退職代行」を使うことも一つの方法です。


余談になりますが、実際に
「退職したいと言ったら社長が土下座してこられた。退職させてもらえない」
というご相談もありました。
社長にしてみれば必死の思いで、ハラスメントや嫌がらせのつもりは毛頭なかったのですが、本人はたまりません。

この時は、
 ・退職希望日が書かれた辞表を提出していること
   ※希望日の一か月前に提出されていました
 ・引継ぎ書をまとめてある事
を確認した上で、
社長の意向や受理不受理に関係なく、希望日以降は出社しないことで対応頂きました。

退職で躓く人は意外に多い

東京都産業労働局の資料によると、2019年度の労働相談内容は下記の通り。

1位/退職問題(10,101件)
2位/職場の嫌がらせ(9,572件)
3位/労働契約(7,629件)
4位/解雇(6,025件)
5位/賃金不払い(4,932件)

出典:令和元年東京都の労働相談の状況/東京都産業労働局


当然全国だともっと多くなります。
ご本人が思っているほどあっさりサクッと退職を認めては貰えないということですね。


円満退職を意識した方が良い理由

法律上、「退職の意思表示から14日後には辞められる」とはっきり決まっています。
ではどうしてそんなに退職で揉めるのでしょうか。
会社側に問題があることももちろんありますが、実はご本人の切り出し方や態度の問題でこじれてしまうケースも。

忘れてはならないのは、仕事上の責任が発生しているということ。

ご本人が自分のキャリアを考えられるように、会社も従業員の一人一人の能力、キャリアを考えて仕事を任せています。
急な退職は予定を全て狂わせることになるのですから、上司としては何とか会社を守ろう、本人の気持ちを変えようという行動に出ることもある意味当然ではないでしょうか。
社会人としてあまりにも無責任な行動をとられたら、嫌がらせをしたくなるかもしれません。

相手に理解を得ようとするなら、まずは最低限引継ぎがしっかりできるよう準備してから切り出したいですね。

謙虚な気持ちをもって、でも毅然と対応する

どうせ接点がなくなるのだから、義理立てする必要はないのでは?
と聞かれたこともあります。
困らせてやりたい、憎いと思うような会社であればなおさらかもしれません。
ただ、責任を放棄する行為はブーメランのように自分に返ってくることがあります。

世間は思っているより狭く、思わぬところに前職とのつながりがあったりします。

いわゆる「円満退職」においては双方の納得が重要。
それまで良い関係を保てていた会社であるほど、退職時には何かしら迷惑をかけるものだという認識は忘れないで欲しいと思います。

相手がどうであれ、毅然とした態度で、最低限一社会人として恥ずかしくない対応をしていれば、
「円満」に終わらずとも、次に嫌な空気を引きずることなく良いスタートを切れます!!


其の一なのに長文で失礼しました。
退職交渉が心配な方は是非北陸人材ネットにご相談ください。


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