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amazonの本を読んだ!

『世界最先端の戦略がわかる amazon』

元マイクロソフト社長が書いた本で、「この1社さえ知ればいい」というキャッチコピーに惹かれて購入。

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Amazonのヘビーユーザーということもあり、気になって読んでみることにした。

ヘビーユーザーとはいってもAmazonのことを詳しく知っているわけではなく、アメリカの会社がやっている通販の大手サイトというくらいの認識しかなかった。

しかし実際には通販はAmazonの一角でしかなく、ありとあらゆる分野に手を広げていることがわかった。


1.AWS

一番稼ぎが出ているのがAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)と呼ばれるクラウドサービスであり、たいして利益の出ていない通販事業に対して、とてつもない利益を出している。このサービスはAmazonが所有するサーバーを様々な企業に貸し出すものである。

従来はそれぞれの会社が自分たちでサーバーを準備して運用・保守を行なっていたが、一時的なアクセス増加にも対応できるように常に高いの能力を持っていなければならなかったり、そのくせ夜間はほとんど使われなかったりと、コストもかかるし何かとムダが多くなってしまうことが問題だった。

そこでAmazonはもともと持っている広い敷地に大量のサーバーを設置。世界中の企業に対して必要な分だけサーバーを貸し出すことで、例えば日本が夜でほとんどのサーバーが使われない時間帯には、時差で昼となっている国の企業が使っているなど、常にサーバーが稼働している状態を作り出すことに成功した。

企業はサーバーを設置するために土地や機械を購入する必要もなくなり、いつ故障するか分からないからと24時間365日、誰かがいなければならない状態からも解放され、コスト面を考えても導入するしかないサービスとなっている。

さらに、一時的なアクセス増加が見込まれる場合や、サーバーを少し増やしたいといった場合でも、簡単な操作で使えるサーバーを増やしたり減らしたりすることができるのも大きなメリットとなっている。

こんな便利なサービスを提供することによって、Amazonはクラウドインフラサービス市場で圧倒的なシェアを誇っている。


2.圧倒的な配送網

また、ただの通販サイトと侮ってはいけない。Amazonは自社の大量の商品を保管するために巨大な倉庫を建て、商品を置くための広大な面積を持っている。

日本ではまだ少ないが、自社で配送するための地盤を構築している。アメリカではAmazonのトラックがたくさん走り、飛行機まで保有しているという。

日本でも佐川急便やヤマト運輸、日本郵便などと金銭面で揉めており、デリバリープロバイダという新しいシステムを構築してきた。Amazonは自社で商品の保管・出荷・配達まですべて完結できるようにしているのだ。

そこでAmazonが考えたのが、その倉庫の余っているスペースを活用して、他社の商品を置き、得意の配送能力を生かして、他社商品を代わりに出荷するというサービス。

それぞれの企業が独自に通販サイトを用意し、売れたら社員が商品をピックアップ・梱包・宛先印刷・集荷依頼という手順を踏む必要はなくなり、商品が売れたらAmazonの倉庫から自動的に出荷されるようになる。

先述のサーバーと同様、これまでは各企業が独自にやっていたことをAmazonがまとめて代わりにやることで、企業もコストを削減でき、Amazonも顧客となる企業が多くなればなるほどコストも下がり利益も出るという素晴らしいシステムとなっている。


3.キャッシュフロー

そして欠かせないのがAmazonのキャッシュフロー。基本的に企業はいかに会社に現金があるかが、経営にあたって重要となるが、Amazonはこれについても天才だ。

通販をするにあたって、Amazonも商品を入荷する必要があるが、商品を入荷してから支払いをするまでにかなり猶予を持たせている。支払いが遅くなればなるほどキャッシュが溜まりやすい状態になる。Amazonは企業に対して強い力を持っていることもあり、この交渉は難しくはないだろう。

一方、商品を販売したときを考えてみると、クレジットカードやコンビニ支払いなどでAmazonにはすぐにお金が入る仕組みになっている。さらには事前にポイントとしてチャージさせておくことによって出荷するよりも前からお金が溜まる。

さらには他社の商品を発送した際にも一旦はAmazonにお金が入る。不良品であった際に返金するなどの名目でAmazonに預けておかなければならない金額があるほか、売れたからといって即時に支払いがあるわけではないのでこれもAmazonにキャッシュが溜まる上手いシステムになっている。


4.まとめ

ここでは特に気になった点を3つ挙げたが、Amazonはありとあらゆる業界に手を広げている。それも今あるモノや能力を活かすことが多い。

現在のサービスを提供している上で気づいた課題を解決するために新しいサービスを生み出す。

上手くいっているものも多いが、その裏で失敗して消えていくものも多々ある。しかし、とてつもない財力があるために失敗を恐れずにどんどん挑戦することができる強みがある。

日本企業には考えられないスピードで常に進化し続けているのである。

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