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親子で一緒に英語で遊ぼう!

 英語を聴きとるお耳ができるのは、だいたい2才~8才頃といわれます。ちょうどこの時期音楽教育で絶対音階を作ることができる年齢といわれていますから、小さな子供の聴きとり能力にとって大切な時期であるのでしょう。

 ただこうした能力には個人差がありますし、絶対音階が無くても楽器を弾いたり曲を作ったりして音楽の才能を発揮する人はたくさんいますから、英語などの語学習得に関しても、この時期を逃したらアウトということでは決してありません。一番スムーズに楽しく習得できる時期ということなのでしょう。

 私は、夫の仕事で、息子が4歳から7歳までの4年間ハワイで生活しました。期せずして、英語の音を聴き分けるのに重要な時期に英語圏で子育てすることになったのです。全く下準備をする暇もなく現地へ引っ越して、現地の幼稚園に通わせることになりました。園の先生やお友達、お店の人や道行く人全てが、英語という環境の中で、急に暮らすことになって、最初は、とても大変でした。息子に英語を教え込もうとしている間は、全然上手くいかず、チューターさんを雇ったりして人任せにしている間も、私も息子も前進していく実感が、なかなか得られませんでした。

 チューターさんも、手ごろな料金で直ぐにやってくれる人というのは、たまたま行ったコミュニティカレッジで外国人向けに英語を教えて下さっているアジア系のおじさまなど、自分自身の拙い英語で手近で見つかる人になってしまいますし、言葉が不自由な中で、ベストな環境をにわかに整えることは、困難でした。

 このままではと不安が募る中で、私自身も、言葉が不自由なことで苦しい状況に追い込まれていきました。息子とチューターさんの授業を側で見守っている時も、チューターさんの英語が、ネイティブではなく、かなり訛っているのも、大丈夫だろうかと心配でした。ただ、そのチューターさんは、チラシにボール紙を貼って作ったお手製のフラッシュカードをたくさん持ってきて、日常生活の中のボキャブラリーを増やしていくなど、手作りで創意工夫に溢れた教え方をして下さり、なるほどこうやって教えていけばいいのかという点、とても参考になりました。何回か来ていただいて、息子と一緒に授業を受けている内に、こうしたカードを作るところから息子と一緒にやったら、ものすごく楽しいし、私自身にとっても勉強になるのではないかという気持ちが強くなり、思い切って人任せにせず、親子で一緒にチャレンジしてみることにしました。発音も、チューターさんが、あれだけ訛っていたのだから、私の訛りもオッケーなんじゃないか、息子は、幼稚園の先生やお友達など正しい発音の人たちに園で接しているのだから、それなりに修正して学んでいくだろうしと、余りナーバスにならずに気楽にやってみることにしました。

 雑誌やチラシ、パンフレットなどを切ってボール紙に貼ったり、絵本の絵や字を真似して描いたりしてお手製のフラッシュカードを作りました。この半分工作の過程自体、息子と一緒に楽しい遊びになりました。そのカードを使ってお店屋さんごっこをしたり、カードゲームをしたりしてワイワイ遊んでいく内に、息子は、園の生活に馴染み、先生やお友達の話すことも理解していけるようになりました。一緒にお歌を歌ったり、絵本を読んだり、私もだんだん英語への抵抗感や自分の発音を気にしすぎる感覚も薄れていきました。

息子と一緒に学ぼう!と決心してからは、私自身子育てや家事に支障が出ない範囲で、コツコツと現地の大学の語学コースへ通い、最終的にハワイ大学にUnclassified Student という、4年生の大学を卒業し大学院での専攻をどうするか検討中というステータスで留学し、2セメスターほど、ジャーナリズム、社会学、アートなど色々な学部の授業を受けることができました。今現在、コーディネーターの方々に、取引先との英語でのやり取りを手伝っていただきながらも、英語の絵本を自分で選書し発注・輸入するという業務をこなせているのは、この4年間のハワイ生活で、息子と一緒に絵本やお歌から英語を楽しく学ぶことができたからだと思います。

 日本で生活しながら、子どもに英語を教えていくのは、なかなか難しいことだと思いますが、この「親子で一緒に楽しく遊ぶ」感覚で、幼い子どもと一緒に暮らす日常に取り入れていくことは、大切だと思います。一緒に工作してカードを作ってゲームをしたり、ごっこ遊びをしたりということが、忙しい日常で難しい場合は、お歌を一緒に聴いて、体遊び・手遊びをして楽しむ時間を作ってみてはいかがでしょうか。学習の年限があるのは、英語の発音を聞き分けられるお耳だけですので、いっぱい英語のお歌を一緒に聴いて、耳に馴染ませておくことで、かなり大きな効果があるものと思います。

 ハワイから小学校2年生の3学期に日本に戻って来た息子は、その後漢字も含めて、日本語に馴染むのに、かなり苦労し、時間も掛かりました。「ハワイの方が楽しかった」と思うと前に進めなくなってしまうからでしょうか、無意識の内に防衛機制が掛かってしまい、小学校高学年には「ハワイのことは、ほとんど思い出せない」という状態になったほどです。大人が思う以上に、子どもの心の成長にとって、言語環境の及ぼす影響は大きく、私も「英語ができる」ことよりも、「日本語ができ、日本の社会に適応していくことが優先」と考え、息子が遊戯王やポケモンに熱中し、英語など忘れてしまったような状態になっていくのを、そのままにしていました。

 中学時代も、英語の成績は、それほど良くなく、全部忘却の彼方に行ってしまったのかもしれないなあと思っていました。目の前の課題に一生懸命チャレンジして、それを乗り越えて今日を精一杯生きていくことの方が、何より大切ですので、残念だけれど、それも致し方ないものと思っていました。

 高校に進学したタイミングで、大学受験に備えて入った塾が、毎回15分ほど英語のニュース記事の朗読をヒアリングして、聴き取れた単語のスペルを書き出すというトレーニングをするところでした。ハワイでフォニックスの基礎まで学んでいた息子の「英語を聴きとるお耳」は、なんと10年近いブランクを経ても、ほぼ完璧な形で残っていることが、その15分のヒアリングで分かったのです。絶対音階が一度確立されると、その人は生涯通じて、その音感を持ち続けるのと同様に、英語を聴きとるお耳の機能も、幼少期に英語を聴く機会を豊富に持ち、フォニックスなどの適切な教育を受ける機会を持てば、途中ブランクがあっても、消えないで能力として残るということを、息子の成長を通して体験したのです。

 英語特有の発音を聴きとる耳の能力を持たない私自身も、集中して英語を聴くというスィッチを入れられるようになってからは、英語の言葉が数珠つなぎの団子のようにもつれて聞こえるのではなく、単語に区切られて聞こえるというところまで漕ぎ付けられました。このスィッチは、今でも自由にオンオフ切り替えられます。また、正確に英語を聴く話すということを習得する壁は、非常に高いのですが、読み書きの能力の方は、「英語だから無理」と勝手に自分の脳が鍵を掛けているゲートを、英語に馴染んで親しんでいく中で開くことができれば、日本語の読み書きの能力が、そのままスライドして使えるようになりますので、ツィッターやインターネットのニュース記事くらいの英語は、日本語と同じように普通に読めるようになります。子どもと一緒に英語にチャレンジすることで得られるものは、想像を超えて大きなものがあります。皆さんも、ぜひお子さまと一緒に英語で遊ぶことにチャレンジしてみて下さい。

 小さな子どものお耳は、大人が考える以上に敏感です。その時期にたくさん美しい音楽、楽しいお歌に触れて、周囲の大人と一緒に体遊び手遊びを交えて体感していくことは、その子の内面を豊かに育み、言葉の習得にとどまらずいろいろな可能性を広げていくこととなることでしょう。

 パパやママが、先生になったりする必要はありません。一緒に生徒になるつもりで童心に帰って、音としての英語の美しさ楽しさを子どもと一緒に体感して味わって楽しんで下さい。そのように楽しい遊びとして英語を日常生活の中に散りばめて馴染ませていくことで、自然と子どもの英語への興味関心を深めていくことができます。教え込もうとしないで、子どもと一緒に楽しんで親しんで、思い出に残るような楽しい時間をお過ごし下さい。それが何より大切なことです。

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